登山にエコなウッドストーブ!ソロストーブ /Solo stove のレビューと使い方

ガスやガソリン、アルコールも使わず、松ぼっくりや小枝だけで料理が出来てしまうというソロストーブを使って、お米を炊いてみました。こんなチョットの枝で燃えるなんて!と驚きの結果となりました。これはやみつきになりそうです。
難しいだろうという先入観

このソロストーブを入手してから1年が経ってしまった。すぐに使いたい、という思いはあったものの、うまく使えるか心配で手が出せないでいた。
というのも、BBQなんかで火を上手に燃やすことがニガテというのが、まずある。
一般の人がよく誤解する点だけど、登山では基本直火ってやらない。特に私は、お米で失敗するのがイヤなので、風で火力が不安定になるのを避けて必ずテントの中で、水と時間をきっちり計り、耳と鼻を研ぎ澄ませてお米を炊く。そこまですれば失敗することはない。
しかし、このように直火でやった場合、火力はどうやって調節するんだろうというのが、最大の疑問であった。たしかに昔は直火と飯盒で炊いたけど、あれば飯盒のフタがかなりキッチリ閉まっていたからあるていどアバウトでも炊けたんでしょ?と思ってしまう。
とは言っても、火をつけるだけじゃおもしろくない。実際に使えるのか知りたい。
ということで、ソロストーブデビューでいきなりお米を炊いてみた。
ソロストーブ使用前の準備
燃料の枝など、いろいろ集める。

左上から時計回りに、割り箸、松ぼっくり、どんぐり、小枝、杉の葉。
お米を炊くのにはいつも20分かけている。 正直これだけでは足りなくて、米が芯飯になってしまうのでは・・・という心配もありつつ。この杉は夏に三方山を登山した時に林道で拾っておいたもの。
米を水に浸す
クッカーに米1合と、無洗米なので水を230ml入れて15分浸す。(山での詳しいお米の炊き方はこちら)
ソロストーブを出す

これが、ソロストーブ。めちゃくちゃ軽い。”簡易的”という印象。255g。内部構造についてはこちらに詳しく書いてあります。
枝などを入れる
こんなんでいいんだろうか・・・と思いつつ、適当に割り箸や枝を入れてみる。上の方には火がすぐに移ることを期待しつつ、杉を置いてみた。
燃料に着火、そして炊飯
以下、時間の経過を追って解説します
00:00 燃料に着火

マッチ1本に火をつけ、杉の上にポンと置く。BBQの炭起こしのイメージだと下に火を入れると思うが、商品に添付されていた取説によると、上に火を乗っけるのがツウらしいのだ。

ぶわ!っと火が杉の枝に広がり、ビックリ。
ゴトクを置こうとするが、火と枝がジャマしてなかなか置けない。初めから置いておいたほうが良さそう。
マニュアルによると、二次燃焼というのがこの後起こり、そうなったら料理を開始して良いらしい。HPによると、下の穴から空気が取り込まれて気流が起こり、キレイな火柱が立つらしい。
二次燃焼とはどれなのだ。
杉が燃えたら小枝をチョコチョコ追加しつつ、しばらくこの待つ。中はメラメラ燃えている。
05:30 火柱が立つ(二次燃焼)

約5分たって、「二次燃焼とはこれか!」とわかる瞬間がやってきた。
06:00 クッカーを置く

火はバッチリ、クッカーの底にあたっている。お米を炊く時の ”初めは強火” の鉄則 は、これでOKそう。
弱くなったら杉を入れると一瞬でぶわ!と火が強くなる。
なんとなく穴から眺めて中身が空いてきたら、割り箸や枝や松ぼっくりを入れて続けてみる。枝は近所の公園で拾ったものだけど、入れるたびにいろんな木の香りがしてくる。
08:50 クッカーが吹いてきた!

3分弱で吹いてきた。ガスで炊く場合、このあと消えそうな弱火で20分位炊くんだけど、どうしたものか・・・。とりあえず燃料をくべるのをやめると、しばらくして火がちいさくなる。

でも消えてしまうと困るので、どんぐりを入れたり・・・。

松ぼっくりを入れたら火がぼわ!っと広がり、慌ててクッカーをずらす。枝でクッカーのフタを触ってみると内部でクツクツと煮えているのがわかる。水が未だある証拠だ。
20:00 水がなくなった?
11分くらい経過した頃からかもっと前か、いつの間にか”クツクツ”はなくなって炊飯器のニオイがしてきた。水は無くなった気がする。
この頃から、お米の下げ時をうかがって神経を集中させる。もしアラレのニオイがしたら焦げはじめた合図だ。
21:20 お米を火から下ろす
最後に杉をちょっとくべて”水分飛ばしの10秒”をやって終了。今回の炊飯は、12分30秒であった。
ガスコンロでは20分やるところだけど、火もけっこう強かったから、もう充分と予測する。思い切って一瞬開けてみて少し食べると、おいしく炊けていた。
再びフタをして、10分蒸らす。

とてもおいしく炊けていてビックリ!ちょっとしっかり目で私好みだ。焚き火のニオイがするところもまた、いい。
ソロストーブ・まとめ
燃焼時間
マッチを置いてから火を安定させ、米が炊きあがるまでにたったの22分とは、予想外の早さでした。こんなに手軽なら、なんか実用的にたくさん使えそうだ、という実感。自然保護の観点で焚き火も難しくなってきたことを悲しんでいる焚き火大好きな友人にプレゼントしようと思った。
燃料の消費
足りないかと思われたが、全然足りた。こんなにチョットしか使わないで22分燃えるんだということは驚きの結果だ。


上の写真が集めた燃料。下の写真がご飯を炊いて余った燃料。
火付け役の杉はそんなに要らなかったようだ。一番良いのは小枝で、例えば20cmくらいのものなら一掴みあれば十分そうだ。使ったのはマッチ1本。
ちなみに、残ったゴミはこれだ。

計ってみたら、たった4g。放っておいたら完全に灰になっていた。これなら持ち帰るのも全然苦ではない。
ソロストーブ・これからの楽しみ
いやあ、なによりこれは楽しい!自分の体がキャンプ臭くなってしまうという欠点はあるが、 どんぐりや松ぼっくりが燃えて、それで料理が出来るなんて、とっても楽しい。テント泊で登山をした時なんかも、ガスコンロの他に予備で持って行って焚き火代わりに楽しむことも出来る。燃料がなくなった時なんかも、助かる。
登山の料理でメインで使うと、雨の時やクッカーの底についたススなんかでちょっと不便かもしれない。ただ、ススを落としやすくする方法なんかもあるので別の機会に紹介したいと思う。
おまけ・軍手の話し
軍手について書いておこう。
子どもの時に学校のキャンプで習ったことに ”綿100%素材で、ゴムのイボがない軍手” を使おう、ということがあった。これは、イボは熱いものを持つときに溶けてしまうから、ということだ。もしイボが付いているのしか手に入らなければ左右を反対にはめて手の甲の方にイボが来るようにする。
今回イボつき軍手しかなかったのでそうしたんだけど、実は素材がナイロンだったことを忘れていた。そしてストーブから落ちた枝を掴んだらすぐに溶けて穴があいてしまった。穴が空くのは良いんだけど、気付かずにゆっくり握っていたらヤケドをするところだった。

軍手は、草むしりや掃除なんかでも使うから必ずしも綿100%のものである必要がない。だから店に置いてあるのはけっこうナイロンだったりする。火を使う場合用としては、ぜひ綿100%の物を用意してもらいたい。