初心者向けのボルダリング入門書(電子書籍)を書きました!

機会を頂きボルダリングの本を書くことになりました。「ボルダリングってなんだろう?」と思っている方や、「もうちょっとボルダリングがうまくなりたいな」と考えている、ボルダリング初心者の方や初級者の方に向けた内容になっています。 30分ほどで読める電子書籍で、パソコンやタブレット、ブックリーダー、スマートフォンで読むことができます。
ボルダリングのムック本は数多くあり、その中のほとんどがボルダリングの技術を中心に書かれていますが、この本はそれらとはちょっとだけ違う内容になっています。僕が思うに、ボルダリングの中級者になるためだったり、いち早く上達するためには技術云々よりも、どうやって考えて登るかと言うこと、そして上手に続けて行くことだと考えています。ですのでこの本ではそのことを中心に、またボルダリングのことを知らない人でも気軽に読み進められる様な内容にしました。
[ 目次 ]
- Chapter1 ボルダリングジムはこんなところ
- Chapter2 ルールを知ると楽しいボルダリング
- Chapter3 上達のための3つのポイント
- Chapter4 伸び悩んだら
- Chapter5 かっこよくオシャレに・軽やかに登ろう!
- Chapter6 外岩でボルダリング
本書の内容がどんなものか知ってもらいたかったので、下記に本書の「はじめに」から「Chapter3」までを紹介しています。お時間がある方は良かったら読んでいってください。
はじめに
ボルダリングをやってみたいな、と興味を持っている方は多いのではないでしょうか。
けれど、こんなことを心配されているかも知れません。
- 一緒に行ってくれる人がいないのだけれど
- ボルダリングについて何も知らないのだけど
- 最近運動してないのだけれど
- 力がないんだけど
- 背が低いのだけれど
- 体重が気になるんだけど
大丈夫です、心配いりません。そんな人こそ、思い切ってやってみるとハマってしまうのがボルダリングです。それはきっと、本書を読んでもらえばわかると思います。
そして本書を通してボルダリングの魅力を知ってもらえば、「ボルダリングをやろう!」「今すぐにでもやりたい!」、そんな気持ちになってもらえると思います。
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Chapter1 ボルダリングジムはこんなところ
「ボルダリング」とは山や河原、また海辺などに転がっている大きな石ころ(ボルダー/boulder)を体ひとつで登るスポーツのことを言います。
そして同じく、ボルダリングジムの壁を登ることも「ボルダリング」と言います。
ボルダリングはそんな感じなのですが、いったい石ころや壁を登って何が面白いの?と思われるかも知れません。
でもこれがすごく面白いんです。ただ壁を登っているだけじゃなくて、登るためのルールの様なものがありそれにしたがって登らなくてはならないんですね。それがパズルみたいで、登れそうだけど登れない。頭を使って考えながら登らないとゴールができないんです。
ボルダリングは頭を使うスポーツ、と言われることが多いのですが、そういうゲームの様な感覚があるからなんです。なので力のあるなしに関係なく楽しめるんですね。
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ボルダリングジムはスポーツジムの様な雰囲気
ボルダリングジムって目にする機会がなかなかないかも知れません。なのですごく特殊な場所をイメージしてしまうかもしれませんが、とても気楽で一般的なスポーツジムの様な雰囲気です。
そう言うわけでジムの利用者も色々です。シェイプアップ目的で通うお母さん、会社帰りに汗を流しに来たサラリーマン、カップル、ファミリー、そしてちびっ子からご年配の方まで、ボルダリングジムではいろんな人を見かけます。
初めての人でも体を動かしたい程度の人でも、どんな人でも気軽に通える雰囲気がボルダリングジムにはあるんですね。
そう言った理由もあってボルダリングはブームになり。年々ジムの利用者も増えて行っているのだと思います。
はじめてでも大丈夫
ボルダリングのことを何も知らないんだけど、という人でも大丈夫です。すぐに始められます。
はじめてのボルダリングジムではまず受付をし、次にレンタルシューズのサイズを選び、そして着替える。そんな流れになるかと思いますが、その後はスタッフがジムの設備の案内や利用方法を教えてくれます。そしてボルダリングのルールやマナーなんかもちゃんとレクチャーしてくれます。
スタッフが実際に登って見せてくれたり、自分が登っているところも見てくれることもあります。なので何も知らない状態でジムに行ってもまったく問題ありません。
年齢や性別に関係なくはじめられます
力がないんだけど、と心配される方も多いのですが、ハシゴやジャングルジムを登れるくらいの力があればボルダリングはできます。
またボルダリングジムには初級者用の力の必要のない壁からはじまり、そしてそこから楽しくステップアップしていける様な仕組みが用意されています。
なので年齢や性別も関係なく、また最近運動していなかった人もはじめることができます。
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道具がなくても大丈夫
ボルダリングは「クライミングシューズ」とすべり止め用の「チョーク」、この2つさえあれば初められるのですが、このどちらともジムで借りることができます。
なので極端に言えば手ぶらでジムに訪れても問題ありません。ですが動きやすい服、それとシューズをレンタルする際に履く靴下、あとは汗拭き用のタオル。これくらいは用意した方が良いでしょう。
なお着の身着のまままでボルダリングをすることもできますが、チョークの白い粉が服につくので運動用のウェアを別に用意するのが良いと思います。
クライミングシューズってどんなもの?
登ることだけに特化した少し変わったシューズです。
クライミングシューズの大きな特徴は、履くと足の指が丸まってしまうほどタイトな作りをしていることです。指が丸まることで指先に力が入るようになるので、シューズを履くとすごく小さなスペースにも立つことができるんです。
そう言った理由から少しきついサイズのシューズが登りやすいのですが、初回は履いて背伸びをしても痛みを感じない程度のものが、長く履いていられるのでおすすめです。
なおシューズのレンタル代は200円~300円が一般的で、チョークは100円~200円。
ちなみに「クライミングシューズ」という名前ですが、ボルダリングでもクライミングでもこのシューズを利用します。
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こんな感じで、ボルダリングジムではすべてレンタルできてしまいます。なのでボルダリングをはじめるにあたって特別な道具を買う必要はありません。
それにはじめての場合でも予約はいらないので、友人と盛り上がった勢いでジムに行ってみたり、会社帰りに顔を出したり、旅先で発見したジムに立ち寄ってみたり。そんな気楽さもボルダリングの魅力の1つだと思います。
ボルダリングジムの設備
ボルダリングジムの規模は大小様々ですが、大きなジムには「フリークライミング」ができる「クライミングエリア」があったりします。
ボルダリングの壁は3~4m程度の高さしかありませんが、フリークライミングでは10m以上の高い壁をロープを使って登ります。なのでジムが大きいんですね。
またジム内の設備も規模によって違いはありますが、休憩スペース、喫煙所、ボルダリンググッズが買える物販スペースなどあるのが一般的です。
ロッカー、シャワーのこと
更衣室はどのジムにもありますが、ロッカーがないところも中にはあります。なので貴重品を持ち運ぶための小さなバッグやポーチなどを用意しておくと良いかも知れません。
またシャワールームはほとんどのジムにありません。タオルや汗ふきシートはあった方が良いでしょう。
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ジムの利用料について
ジムは1時間いくらなどの時間制料金ではなく、カラオケのフリータイムの様な料金設定になっています。昼間、夜間、終日、の3つの時間帯から選べるようになっているのが一般的です。
またそれに加え、ジムによっては「閉店前の2時間のみ利用できる安いプラン」を用意していることもあります。
最近では夜遅くまで営業しているジムも多いので、ボルダリングをちょっとだけ試してみたい人、会社帰りに立ち寄りたい人には最適です。
なお週末のジムは多くの利用者で賑わっています。騒がしいのが苦手な人は平日に利用するのがおすすめです。
会員登録料について
ジムを利用するには「入会」という形をとるところがほとんどです。そのため初回時には身分証明書、会員登録料が必要になります。
まずはお試しでやってみたいんだけど、という人のために会員登録の必要ない「お試しプラン」を用意しているジムもあります。
利用料の割引と月間・年間パス
大学生以下、高校生以下にはジムの利用料が一般より安く設定されています。
また週に何度もジムを利用したい人には回数券や月間・年間パスなど、お得な割引制度もあります。
初回時に必要なお金はだいたいいくら?
利用する時間帯にもよりますが、一般の利用でレンタル料金、登録料も含めて「3000円前後」が相場です。2回目以降は登録料はなくなるので2000円前後になります。
Chapter1 まとめ「はじめてのボルダリングジム。準備と持ちもの」
- 手と足の爪を切っておく
- 動きやすく汚れてもよい服を用意する
- 靴下を用意する
- タオルや汗ふきシートがあるといい
- 貴重品の持ち運びに小さなバッグを用意しておくと安心
- 身分を証明するものを持っていく
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Chapter2 ルールを知ると楽しいボルダリング
この章ではボルダリングのルールやマナーを紹介していますが、ルールやマナーと言ってもすぐに覚えられるほど簡単なもので、特別に難しいことはありません。ですがボルダリングはルールがあってはじめて面白くなるので、この章を通してボルダリングの面白さやハマってしまう魅力を伝えたいと思います。
まずは用語から説明します。 次のページにあるイラストですが、これらを「ホールド」といいます。大きかったり小さかったり、つかみやすかったりそうでなかったり、いろいろな形と色のホールドがジムの壁にはところ狭しと取り付けられています。
ボルダリングではこのホールドをつかんだり足を乗っけたり、そうやって壁を上に上にと登っていきます。これがボルダリングの基本的な流れになります。
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でも、ただ登ったり降りたりしているだけではすぐに飽きてしまいますよね。
そう言うわけで、ボルダリングには登るコースの様なものが設定されています。
そのコースひとつひとつを「課題」と言い、この「課題」があることによりボルダリングは劇的に面白くなるんです!
課題とは
課題とは「コースの様なもの」と書きましたが、もっと単純に言うと、「このホールドだけを使ってゴールしましょうね」と言うものです。壁には無数のホールドが取り付けられていますが、課題によって使用できるホールドが限定されてしまうわけなんです。
そんな限定されたホールドだけを使いながら、頭や体をうまく使ってなんとかゴールする、と言うのがボルダリングの面白さです。手や足を置く場所を変えてみたり、体の向きを変えてみたり、ホールドの持ち方を変えたり、まるでパズルを解く様な感覚で壁をよじ登っていきます。
そして登るのが上手になるにつれ、課題はどんどん難しくなっていきます。はじめは簡単に解けていたパズルも徐々に複雑になっていくので、今まで以上に知恵を絞り体をうまく使って登らなければなりません。
この課題をなんとか登りたい、このパズルを解きたい、そういう感覚がボルダリングに夢中にさせてしまうんですね。
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うまくなるにつれ昇級していく喜び
課題をどうにかこうにかクリアすると、「昇級する」というご褒美があります。
ボルダリングの課題は、難易度により級や段でグレード分けされているのですが、一番簡単な課題は10級。そして9級、8級と数字が小さくなるにつれ難しくなっていき、1級の次は初段、2段、3段…、と難しさは増してゆきます。
この「昇級する」という感覚がわかりやすくてすごくうれしいです。級が上がれば自分が上達しているのが目に見えてわかるし、よし次は5級だ!とモチベーションもあがります。そしていつかは1級に・・・と長期的な目標も持ちやすくなります。
ただ闇雲に壁を登り続けるわけではなく、次は何級、次は何級と目標を持って続けられるのもボルダリングの魅力と言えます。
昇級と言っても誰かに認定されるわけでも賞状をもらえるわけではありません。ですが自分が目標としていた級の課題を攻略した時は、学校の受験や車の卒検を合格するのと同じくらい嬉しいものです。
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課題、その他のこと
課題の見分け方
壁には数え切れないほどのホールドがあり、その中にいくつもの課題が設定されています。なのでとてもごちゃごちゃとしていますが、自分が登る課題を見つけるのは難しくありません。
全てのホールドの付近には色のついた様々な形のシールがペタペタと張られています。
例えば「ピンクの四角いシール = 7級」の様になっているので、ピンクの四角いシールのついたホールドだけを使ってゴールすれば7級はクリア、ということになるわけです。
またシールの形ではなく数字で課題を区別しているジムもあります。ジムごとに課題の区別の仕方は異なりますので、登る際には壁に貼ってあるグレード表を確認するか、もしくはスタッフに聞いてみると良いでしょう。
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「足自由」と「手足限定」の課題
課題には「足自由」と「手足限定」と呼ばれる、2つのタイプがあります。
「足自由」の課題は、どのホールドにも足を乗せてもかまわない、というものです。手だけ定められたホールドを使って登ってゆく、というルールになっています。10級や9級、8級など、初心者が登る課題には「足自由」のものが多いです。
一方「手足限定」の課題は、手だけではなく足を乗せるホールドも定められています。なので少ない数のホールドでゴールしなければならないので、よりゲーム性が高い内容になっています。
壁は使っても大丈夫
課題にはそんなルールがあるので使用できるホールドは限られていますが、ホールドのないスペース、つまりただの壁ですが、そこを使うことは許されています。
スタートとゴールの姿勢
課題の下部に「S(スタート)」と書かれたシールが張られたホールドがありますが、それがスタート時に持つホールドになります。
このスタートのホールドを両手で持ち、そして手足限定の課題なら決められたホールドに足を、足自由の場合なら乗せやすいホールドに足を乗せます。この状態がスタートの姿勢となります。
ゴールの姿勢も同じで、課題の一番上にある「G(ゴール)」のシールが張られたホールドを両手で掴み、手足限定の課題なら決められたホールドに、足自由の課題なら乗せやすいホールドに足を乗せます。
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ボルダリングの壁の種類
ボルダリングジムの壁には、垂直に近い角度の壁から天井の様などうやって登るのか見当もつかない角度のものまで様々あります。
壁にバリエーションがあることで飽きが少なくボルダリングを楽しむことができますが、その中にも初心者の方に向いている壁と向いていない壁があります。
一般的にはどの角度の壁にも簡単な課題から難しい課題まで用意されていますが、初めての人には垂直に近い壁(垂壁・すいへき)か、自分とは反対方向に倒れている壁(スラブ)が向いています。
というのもこの2つの壁はホールドの上に立ちやすく、少ない腕の力でも登りやすくなっているからです。
一方、自分の方に倒れている「前傾壁(ぜんけいへき)」と呼ばれる壁の場合、ホールドを手で掴んでぶら下がった状態が基本姿勢になります。自分の体重を手や腕も使って支えなければならないので、初めてのボルダリングでは少しきびしくなります。
ここでは壁の種類について書きましたが、ほとんどのジムには初心者用の壁というのが用意されています。
初めての場合はスタッフがその壁を使ってレクチャーしてくれると思いますので、まずはその壁をしばらく登り、その後慣れてきたら他の壁を試してみると良いでしょう。
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ボルダリングのマナーのことなど
譲り合いながら登る。長時間一人で壁を占領しない。
週末はどのジムも込み合っています。ひとつの壁にはいくつもの課題があり、順番待ちをしなければならないこともあります。その時は一人で続けて登ることはせず、空気を読みながら登る様にしましょう。
なお順番待ちをしている時は壁から離れ、登っている人が落ちてきても問題のない様な場所を選びましょう。
また順番待ちをしているとき、初めての場合ではどのタイミングで登ったらよいのかわからないこともあると思います。その時は「次いいですか?」と周囲の人に声をかけてから登れば大丈夫です。
着地の仕方に気をつける
ボルダリングジムの事故で多いのが着地時です。
ゴールをしたあとは飛び降りてマットの上に着地しますが、その際に変な体勢で着地をして腰や足を痛めたり、また下にいる人にぶつかって怪我をさせてしまうこともあります。
なのでゴールをした後は安全な高さまで一旦下がり、下に誰もいないか確認し、それからマットの上に両足で着地できるように飛び降りましょう。
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時計やアクセサリーは外しておく
時計や指輪をつけたままボルダリングをしてしまうと、ホールドで擦って傷つけることもあります。あらかじめ外しておいた方がよいでしょう。
ストレッチをしよう
ボルダリングをする前にはケガ防止のためにも、必ずストレッチをしましょう。ストレッチは体育の時間に習った様なもので大丈夫です。時間をかけてゆっくりと体の柔軟性を高めておきましょう。
Chapter2 まとめ 「登り始める前に確認したいこと」
- 課題はシールの色や形、数字などで見分ける
- 「足自由の課題」はどのホールドに足をのせても良い
- 「手足限定の課題」は定められたホールドしか使えない
- 課題は「S」のホールドを両手で持ってスタート
- ゴールは「G」のホールドを両手で持つ
- 時計やアクセサリーは外しておく
- 必ずストレッチをする、体を温める
- 着地は少し下に降りてから、足元を確認し、両足で
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Chapter3 上達のための3つのポイント
ボルダリングの本には技術的なことがたくさん書いてあります。でもはじめからテクニックとかホールドの持ち方うんぬんとか、そう言うことを考えながら登るのはとても難しいです。
なのでまずはゴールを目指して、自分なりの方法で楽しく課題を登ってください。そうしているうちにホールドを持つこと、ホールドの上に立つこと、クライミングシューズを履くこと、そして壁を登るという行為にも自然に慣れていきます。
そしてボルダリングに慣れてきたら、ここで紹介する3つのポイント、「つま先で立つ」「省エネで登る」「考える」を意識しながら登ってみましょう。とてもシンプルなポイントですが、これらができる様になった頃には、きっと上手に壁を登れていることだと思います。
もちろんはじめからこれらのポイントを意識しながら登れば上達も早いとは思います。
でもまずはその前に、めいっぱい壁を登り、めいっぱいボルダリングを楽しんで下さい!
その1. つま先で立とう!
ボルダリングジムに行ったら、初心者っぽい人と上手に登っている人の足元を見比べみてください。
初心者の人は足の裏全体を使って「ドタッ!」とホールドに乗っていますが、上手な人はつま先だけで「トンッ」とホールドに乗っているのがわかると思います。
なのでまずは上手な人をお手本に、つま先だけでホールドに立てる様がんばりましょう。
つま先で立つと動きやすくなる
なぜつま先を使ってホールドに立つのかと言いますと、つま先でホールドに立つと自分と壁との間にスペースが生まれ、足を高く上げられる様になったり、またつま先を軸に体を横に向けたりひねったり、体を動かしやすくなるんですね。
一方足の裏でべたっとホールドに立ってしまうと、体もべたっと壁について動きづらくなってしまうのです。
上手に登るためには体を自由に動かせる様にならなくてはなりません。なのでつま先で立てる様になることがとても大切なんですね。
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親指全体を使って立つイメージ
具体的につま先のどの部分を使うかと言いますと、つま先の内側の部分、親指全体を使って立つ様なイメージです。その辺りを使ってホールドに立てば力も入れやすく、そして滑りにくくなります。
ちなみにこのシューズの内側の部分を「インサイドエッジ」と言い、反対側、シューズの外側の部分を「アウトサイドエッジ」と呼びます。
このどちらの部分を使ってもホールドに立てる様になりたいのですが、まずはシューズの内側、「インサイドエッジ」でしっかりと立てる様になりましょう。 (チャプター5でアウトサイドエッジを使う登り方を紹介しています)
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足元を確認し、丁寧に足を置きながら登る
足を上げる時はなんとなくホールドに乗せるのではなく、足元をよく確認し、ホールドの滑りにくそうな場所を選んで丁寧に乗せましょう。雑に乗せると立ち上がった時に滑りやすくなります。
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勇気をもって足に体重をあずける
つま先で立つことに慣れていないと「滑るんじゃないだろうか」と怖くなるものです。しかしその恐怖感があると腰がひけてしまい、ホールドを掴む手に力が入り疲れやすくなってしまいます。
シューズが滑りそうで怖い、という気持ちはなかなか払拭できないかもしれません。けれどそこはクライミングシューズを信じて、勇気を持って体重を預け切ってしまいましょう!
それでもつま先立ちが怖い人は
クライミングシューズを信じられない、つま先で立てる気がしない、と言う人もいると思います。そんな人はレンタルシューズのサイズを1つ下げてみてください。
今より小さいサイズのシューズを履けば、より足の指がぎゅっ、となるのでつま先で立ちやすくなると思います。
また、レンタルシューズはソールが厚く、つま先で立つという感覚が掴みづらいこともありますし、たくさん履かれているので滑りやすかったりもします。
なのでもしこれからボルダリングを続けていこうと思っているのなら、いきなりクライミングシューズを買ってしまうのもありだと思います。
まずはレンタルで慣れてから、とは言わずにいきなりでも大丈夫です。自分の足型に合い、ソールが薄いシューズを履けばつま先で立つ感覚もよくわかると思いますし、シューズを買ったらつま先で立てる様になった、小さいホールドに立てる様になった、という声も良く聞きます。
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その2. 省エネで登ろう!
ボルダリングを少しやってみるとわかるのですが、腕(前腕)の筋肉がパンパンになると思います。
この前腕の筋肉はホールドを持ったりする時に使用するので、ボルダリングではとても出番の多い筋肉なのです。
そんな出番の多い前腕の筋肉ですが、残念なことにとても疲れやすいんですね。そしてここが疲れきってしまうとホールドを持っていられなくなり、その結果ゴール前で力尽きてしまうことになるのです。
と言うことで、この前腕をなるべ疲れさせず、「省エネ」で登っていくことが最後まで登り切れるかどうかの秘訣になります。
ホールドは「つかむ」より「ひっかける」イメージで持つ
ホールドをグッと握りこんで持ってしまうと、腕に余分な力が入り疲れやすくなってしまいます。
そこでホールドは、「つかむ」と言うよりは「ひっかける」イメージで持ってみましょう。「ひっかける」イメージを持つことで、手の力が自然に抜ける様になります。
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なるべく腕を伸ばす
鉄棒にぶら下がっている姿をイメージしてもらえばわかるのですが、腕を曲げてぶら下がるよりも腕を伸ばしてぶら下がる方が断然にラクです。
これはボルダリングでも同じで、ホールドを持っている時に腕が曲がっているとすぐに疲れてしまうのです。
なのでホールドを持っている時は、なるべく腕が伸びた姿勢を作りましょう。
例えばおなかの位置あたりにあるホールドを持っている時、立ったままの姿勢だと腕が曲り疲れやすくなります。
そんな時はホールドに座り込む様な姿勢になり、腕を伸ばしてしまえばずいぶんと楽になります。
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腕がつらかったら姿勢を変えてみる
上にも書きましたが、例えば腕がつらいな、と感じている時はそのままの姿勢ではなく、座ったり体の位置を変えたりして腕が楽な姿勢を作り出しましょう。
ホールドには持ちやすい姿勢と持ちにくい姿勢があります。持ちにくい姿勢でホールドを持ち続けているとすぐに疲れてしまいますので、ホールドの形状に応じて持ち方や姿勢を変え、腕をラクにしてあげることが大切です。
ちなみに、ボルダリングは男性より女性の方が上手だったりしますが、このように省エネをしながら登るのが上手なのだと思います。
男性は力任せで無理やり登りきってしまうことが多いですが、女性はパワーが少ないぶん体を上手く使い、無駄な力を使わずに登ることが得意なのかも知れません。
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その3. 考えよう!
最後のポイントが「考えよう!」でごめんなさい。ポイントでも何でもないかもしれませんね。
でもボルダリングにはとっても大切なことなんです。
というのも、最初の頃は直感だけでも課題をポンポンと登れてしまいます。ですがチャプター2でも書きましたが、ボルダリングにはパズルみたいな要素もあるんですね。
なので徐々に徐々にその問題も難しくなっていくので、そのうちに思いつきだけでは登れなくなってしまいます。一思案して一工夫を凝らさなければ課題は攻略できなくなってしまうのです。
ですので、「なぜそこで落ちてしまったのか」と原因を考え、次は「こうしてみよう」とあれこれ試してみることが大切になってきます。
また腕を伸ばすことや姿勢を変えることもそうですが、そうやって色んなパターンを考えて試すことが課題を攻略するためには欠かせなくなります。
その作業を繰り返すことで「絶対にムリ」と思っていたところもあっさりとクリアして拍子抜けしてしまったり、ホールドの持ち方がちょっと違うだけでゴールできてしまったり。
ボルダリングはワイルドに登っているイメージがありますが、すこく繊細なところもあるので試行錯誤することがとても大切なんですね。
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Chapter3 まとめ「ボルダリング上達ためのポイント」
- つま先を使ってホールドに立つ
- 足元を確認しながら登る
- ホールドには丁寧に足を置く
- 足に体重をあずけ切る
- ホールドは「ひっかける」イメージで持つ
- なるべく腕を伸ばす
- 腕が伸びる姿勢を作りながら登る
- 登れない時は色んなパターンを考えて試す
- 省エネで登ろう!
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以上が本書のChapter3までの内容になります。
この後のチャプターでは「ボルダリングに伸び悩んだ時の対策法」、「おしゃれに壁を登るテクニックの紹介」、そして「外岩の紹介」と続いてゆきます。
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