ソウル着 インチョン空港からミョンドンへ 韓国旅行記②
大韓航空 Korean Air の旅
成田の朝は寒い。6:30分発の空港行きの送迎バスに乗った。乗客の様子やロビーの様子から察すると、この「マロウドインターナショナルホテル」には中国人と韓国人の旅行客が多いようだ。僕は一瞬足りとも眠ることができなかったので、目をつぶり身動きもせず体力を使わない様に努めた。送迎バスはターミナル2、ターミナル1の順番に止まり、ターミナル1へは15分ほどで到着した。成田空港だ。
韓国旅行のチケットはソウル・インの釜山・アウト。HISでお願いをした。早朝だと言うのに第1旅客ターミナルの北ウイングには沢山の人がいる。大韓航空のチェックインカウンター近くのイスでぼーっとする。やっぱり空港が好きだなあと思う。色んな人がいる。色々な思いがある。そしてこの眠い感じと空港の高い天井に響くざわざわとした音。今までの旅を思い出す。
いつもと変わらずチェックインの際にはドキドキとする。ちゃんとチェックインできるだろうか、ライターはかばんに入っていないだろうか、いけないものは持っていないだろうか、とか。何か自分が悪い事をしていた様な気になる。なんでだろうか。
チェックインカウンターのお姉さんが「非常口の近くの足が伸ばせる席が1つ空いているのでそちらでよろしいですか?」的な事を訪ねた。「お願いします」と言うと「英語は話せますか?」と聞かれ、「ちょっとだけ」と返し、「話せますよね?」と聞かれ、「・・・はい」と答えた。どうやら非常口の前に座る人間は英語力が必要らしい。緊急の時に何かお手伝いでもするのだろうか。まあとにかく、足を伸ばせる席が頂けて嬉しい。
そして手荷物検査をパスし、朝マックを食べタバコを吸うとあっという間に搭乗時間になった。
僕のシートはEXITの窓側。確かに非常口の前の席は広い。2mくらいはありそうだ。ただし前の座席についている荷物入れがないので、小物を入れる場所がない。
座席に座って身支度を整えると寝るように努めた。そして飛行機は飛び立った。
しばらくすると食事の準備が始まった。まあ僕には関係のないことだ、と思って寝ようとがんばっていると、どうやら全員に食事を配っているようだ。まさかな、とは思っていたがやはり僕にも食事が配られた。なんて事だろうか。こんな事なら慌てて朝マックを食べる事もなかったのに。しかもメニューはハンバーグ。マックの後にハンバーグはきついぜ、と思ったけどがんばってハンバーグとご飯だけは食べた。それにしてもこんなに早朝からハンバーグってのもないんじゃない?朝はパンケーキとかにしようよ。
まあこう言う風になってしまうのも、最近は食事無しの飛行機を利用することが多かったからだ。飛行機では食事がでない、飲み物も金がかかる、なんて言う風に思い込んでいた。チケットとか、もしくはHISでもらった旅程とかに「食事有り」と大きく書いてあればよいのにな、なんて事を思った。
食事が終わるとまた目をつむった。そして少しも眠ることなく、大韓航空の飛行機は韓国はソウル、インチョン空港へと到着した。
インチョン空港でのやり取り
インチョン空港のイミグレーションは大行列だった。両手の人差し指と顔の写真を撮っているからだ。多くは日本人。学生さんが多いように思う。休みを利用して遊びに来ているのだろうか。
無事に荷物を受け取り1万円ぶんのお金を替え(到着ロビーを出る寸前に両替所がある)、到着ロビーに出る。「ようこそ韓国へ」と書かれたボードを持って友人の一人がここにいる事を軽く期待したけど、やはりそんな事はない。トイレへ行って、それからロビーにある喫煙所に行き、そしてiPhoneでWi-Fiをつなげる。さて、ここからが少し忙しい。
まずは早朝にミョンドンのゲストハウスに送った予約メールの返事を確認。うん、どうやら予約は無事にできているみたいだ。でも内容はこれこれの情報を返信して欲しいというものだった。個人情報とカードの情報だ。すごくフィッシングっぽい感じのメールで嫌だったけれど、確認するのも面倒だったので返事をした。
次はスーランにメール。無事に到着したこと、宿の予約ができたらしいという事を告げた。そしてケビンにもメール。今日は彼が僕に会いに来てれる事になっているようだった。
ケビンとはフェイスブックでメッセージのやりとりをした。でもこれがうまく行かなくて、フェイスブックでのやりとりにはタイムラグがある。開くのにも時間がかかる。会話が一向に進まない。「カカオトーク」入ってますか?とケビン。カカオトークとはチャット専用のスマホ用アプリ。入っていないのでインストールすると言う。しかしインストールがうまく行かない。なぜならカカオトークを使用するにはSMSでメッセージを受け取る必要があるから。ってことは携帯を繋げなきゃいけなくて、しかもローミングをしてしまうかも知れない。お金がかかりそうだ、ってことでケビンに「バイヴァー(Viber)」なら入ってますよ、と言う。「僕の名前が見つけられない」とケビン。とかなんだかそう言う事をやっているうちに彼からの返信がなくなった。30分くらい待ってみたが返事がない。
はっきり言ってもう面倒である。ここでこんなにやりとりする必要があるのだろうか?ということで僕はバスのチケットを買い、予約したゲストハウスがあるミョンドンへと向かう事にした。
インチョンからミョンドンへのエアポートリムジンバス
インチョン空港からミョンドンへと向かうエアポートリムジンバス(6000番台)の料金は10000Wと安い。乗車時間は1時間とちょっとで、降りるバス停は「セジョンホテル」。ここがミョンドン駅の目の前になる。
リムジンバスの車内は広く快適だし人もいないので、一番後ろの席でゆっくりと車窓からの眺めを楽しむ事ができた。そして考える。
色々と面倒な事が多い。要領が悪いと言うか何と言うか。僕のために色々としてくれるのはありがたい事だけれど正直動きづらい。携帯でのやりとりがうまくいかない事なんて簡単に想像できることだと思うし、僕の到着時間がわかっているなら色々とやりようがあるんじゃないだろうか。それにほっておいてもらっても旅は出来る。ここはアジアだし韓国なんだ。僕が多少英語を話せる事も旅が好きって事も知っているはずだと思うんだけれど。でもこうなるのも彼らの好意があるからだし、また我々が出発前にもっとコミニュケーションとるべきだったんだ。
そんな事を考えながら、厚い雲に覆われた寂しそうな韓国の景色を眺めながら、リムジンバスは都会に向け走り続けた。景色を見ながら特別に感じるものはなかったが、車内で流れる、英語、韓国語、中国語、日本語での案内を聞きながら、日本語の響きは綺麗だなあとしみじみと思った。韓国語も中国語の響きも好きなのだけれど、日本語はどこか春の草原に咲く小さな花々を思わせた。眠いのだろうか。
そんなこんなでバスはセジョンホテル(Sejong Hotel)前に到着。
ゲストハウス「Seoul Myeong Dong House」はミョンドン駅3番出口の南方にある。3番出口は向かい側にあるようだったが、見渡したところ信号もなく地下街を歩いて反対側に渡る必要があった。Myeong Dong Houseへは、予めiPhoneに画像を送っておいたのでそれを見ながら向かった。
Myeong Dong Houseへの道はなかなか小汚いものだった。路上のゴミやタバコの吸殻も多い。またマンホールからモクモクと湯気が立ち上っていてそれがスラム街を思わせた。空港からのリムジンバスのからは綺麗なオフィスビルも沢山見えたので、綺麗なとこかな、なんて思ったら裏はそうでもないようだ。まあでも、これくらいの感じが僕には嬉しい。
また歩きながら聞こえる日本語の多さに驚いた。かなり多くの日本人がミョンドンにはいるようだ、と言う事もわかった。コンビニもカフェも多い。騒がしいだろうけど、旅の拠点としてミョンドンは良さそうな場所だ。