北海道旭川の一戸建て「冬の寒さと暖房代は?」
北海道の旭川に中古の一戸建てを買い東京から移住。そして初めての冬が終わりました。
東京以外の場所で暮らすのは初めてだし、特に寒くて雪の多い旭川の冬の暮らしが不安でしたがなんとか無事に春を迎えられそうです。
旭川の冬の寒さ、かっかった暖房代、ストーブ、雪かきの服装、寝具等について、初めての北海道の冬を経験して得た知識をまとめました。
旭川の冬の一戸建てはどれくらい寒い?灯油代はいくら?などの疑問がある方の参考になれば幸いです。
旭川、冬の気温。寒さについて
想像よりも冬の旭川は寒くない
旭川の人は「寒さはまだいいが雪は嫌だ」と感じている人が多いらしい。
そして僕も同じ様に感じた。寒さはどうってことない。仕事で一日中外に出ている人はまた別だけれど、基本的には暖かい建物の中で一日を過ごす人がほとんどだと思う。
僕も自宅で仕事をしているから、外に出たのは雪かき、雪下ろし、車に乗る時、車から降りて建物に向かう時、それくらいだった。雪かきや雪下ろしでは長時間外に出ていることもあるけれど、動いているので寒いと感じることはあまりない。
ちなみに僕は寒い所が嫌いで将来は暖かい場所に暮らそうと考えているほどだった。しかし実際に旭川の冬を過ごしてみて問題なさそうだ、と感じている。
個人的には東京の方が寒い思いをすることが多い気がする。冬になると強い北風が吹くし、その中でバスをバス停で待ったりプラットフォームで電車を待ったり。駅から歩いたり自転車に乗ったり。家で暖房を点けずに耐えたり。
極厚のダウンジャケットはいらない
旭川の冬の寒さが恐ろしかったので極厚のダウンジャケット、例えばカナダグースとかノースフェイスの南極のロゴが入ったやつとか、そういう上着が必要だと考えていたけれど、どうやら買う必要はなさそうだ。
外出中にその様な上着を着ている人はまず見ることはないし、上にも書いたけど外に出て冷気に触れている時間は意外と少ないのだ。
たぶん、旭川の人は冬の東京の人々と同じ様な服装をしていると思う。帽子すら被っていなかったりする。 耳当てもしていない。
なので上等な分厚いダウンジャケットはかえって邪魔になるとわかったが、旭山動物園に行くとか、冬のイベントをぶらぶらするとか、外での活動が多い人はあってもいいかも知れない。
今シーズンの冬(2020年-21年)、零下20℃以下の日は5日
気象庁の記録によると、今シーズンの最低気温が-20℃以下の日は5日間。-15℃以下の日は9日間の様だ。
下記は気象庁のウェブサイトからピックアップした、旭川の最低気温が-15℃を超えた日の気温と降雪量になります。
気温(℃) | 雪(cm) | |||
---|---|---|---|---|
最高 | 最低 | 降雪 | 最深積雪 | |
合計 | 値 | |||
12/31 | -8.9 | -24 | 4 | 52 |
1/1 | -9.8 | -16.5 | -- | 51 |
1/2 | -9.5 | -20.2 | -- | 48 |
1/3 | -4.8 | -20.1 | 7 | 52 |
1/5 | -5.6 | -16.3 | 1 | 49 |
1/6 | -7.7 | -18.4 | -- | 46 |
1/7 | -6.1 | -16.5 | 1 | 44 |
1/17 | -7.5 | -16.3 | -- | 54 |
1/23 | -4.5 | -16.9 | -- | 62 |
1/24 | -7.5 | -22.5 | -- | 59 |
1/25 | -1.3 | -16.8 | -- | 57 |
1/26 | -7.3 | -16.3 | -- | 55 |
2/8 | -8.2 | -22.1 | 6 | 73 |
2/27 | -3.2 | -18.4 | -- | 83 |
3/3 | -4.0 | -15.1 | -- | 107 |
3/4 | 4.0 | -15.6 | -- | 103 |
0℃ですら「暖かい」と感じる
こうやってみて見ると、極寒の日は案外多くない。
冬は最高気温が氷点下の日がほとんどだけれど、意外に体が慣れることがわかった。1月になると最高気温がプラスの日があって、外に出ると夏の様に暖かく感じた。体が寒さに慣れてしまうと、0℃ですら「暖かい」と感じる様だ。
また旭川はあまり風が吹かないので、体感温度も低くないのかもしれない。
1月は寒い。しかし特典として雪が少ない
旭川の最低気温が低い日は1月に集中している。寒いので外に出て雪かきをしたくないが、ありがたい事に寒すぎると降雪量が少ないので雪かきをしなくてもいい日が結構ある。 なので個人的には、冬シーズンの中では1月がお気に入りだ。暖かくて雪が多い日より、寒くて雪のない日の方がよっぽどいい。
灯油ストーブと月々の暖房代
僕は11月になると耐えきれずにストーブをつけるようになった。姉の家は節約のため12月まで本格的な暖房は控えていた。
と書くと旭川のみんなが寒さに耐えているみたいに感じるが、頑張っているのは多分我々二人だけな気がする。
恐らく多くの人は10月のうちから暖房をガンガンつけている様に思う。隣のお宅も10月から暖房をつけていて、遊びに訪れると汗をかくほどだった(全都道府県の中で北海道民の部屋の温度が一番高いらしい)。
2020年-21年冬、 一戸建ての灯油代(一人暮らし)
灯油使用量 | 単価 | 金額(税込み) | |
---|---|---|---|
2020年10月 | 74.4L | 78円 | 5,803円 |
2020年11月 | 134.7L | 78円 | 10,506円 |
2020年12月 | 218.4L | 78円 | 17,034円 |
2021年1月 | 200.6L | 83円 | 16,649円 |
2021年2月 | 170.5L | 88円 | 15,004円 |
2021年3月 | 106.9L | 88円 | 9,407円 |
- 築34年木造平屋建て。83㎡。
- 灯油の配達会社 エネコープ
- 灯油ボイラー(灯油でお湯を沸かす)なので、風呂、皿洗い、洗顔でも灯油を使用
- ストーブの火力は「微小」で就寝時以外はほぼつけっぱなし
10月の灯油の使用量は74.4Lで5,803円だった。 ストーブはほとんど使っていない気がするので、灯油ボイラーだけでこんなに使ったのかも知れない。意外と灯油ボイラーが灯油を食うのかもしれない。
一番灯油を使用した月は12月で218.4L。外にある巨大な灯油タンクは490リットル入るらしいので、その半分近くは使用した様だ。
金額は1万7千円。ひとり暮らしの暖房代で月1万7千円はとても高い気がするので、2021年の冬は工夫を凝らして灯油代を抑えたいと思う。部屋の暖気を逃さないための工夫はまだまだできるし、例えばストーブを熱効率の良いとされるFF式に変えたらもっと安く出来るかもしれない。
省エネの「FF式ストーブ」、お湯が沸かせる「対流式ストーブ」
自宅のストーブは燃料に灯油を使用する煙突ストーブで、サンポットの「KSH-10KT5」という多分2001年のモデルで、もとものこの家に備えつけてあった。
現行モデルは「KSH-10K7 Q」で、ロングセラーの煙突ストーブの一つだと思う。
現在は壁に穴を空けそこから吸気と排気をする「FF式ストーブ」が主流だと思うが、このKSH-10KT5は室内の空気を吸気し、煙突へと排気するタイプで「対流式ストーブ」と呼ぶらしい。
知人が言うには「対流式ストーブはめちゃくちゃ暖かいが、FF式に比べ灯油を食う」らしい。またFF式ストーブは瞬間的に部屋を温められる、という特徴もあるようだ。
そんな利点があるので現在はFF式が主流だけれど、対流式ストーブにも強みはある。それはストーブの熱を利用できることだ。ストーブの上で湯を沸かして加湿をしたり、小腹が減れば焼き芋も焼ける。危ないとは思うが、洗濯物は瞬間的に乾かすことが出来る。
サンポットの「KSH-10KT5」の暖房の目安は木造で19畳(31.5㎡)まで、コンクリートで30畳(43㎡)までらしい。我が家は木造で83㎡なので全然足りていないかも知れない。
しかし火力は常に「微小」でなんとかやっている。
火力はほぼ一日中「微小」
ストーブの火力は「微小」~「大」まであるが、僕はほとんどの場合微小にしている。寒さによっては微小から小の間で調節しているが、常に微小と言ってもいいくらい。それでなんとかやれている。暑すぎれば微小よりさらに小さくすることもある。
なおトイレも風呂も個室も個室の押し入れも、全てのドアは開けっ放しにしている。各部屋にある換気口も開けている。閉めると部屋が結露するという話を聞いたからだ。
その状態でリビングの温度が18度くらいになる様に火力を調節している。温度計はストーブから4メートルくらい離れているので、ストーブの近くはもう少し暖かいと思う。
しかし部屋の温度が18度で十分に暖かいかと言うとそうでもない。ストーブから離れると寒いので、ストーブの横にパソコンデスクを置きそこで仕事をしているし、下でも詳しく書いているが、そこそこの厚着もしている。
ちなみにストーブからの熱が天井に溜まるそうなのでサーキュレーター兼扇風機を購入したがあまり使用はしていない。
家の服装と雪かきの服装
家の服装
- インナー ヒートテックの極暖上下
- 上着1 ウールのネルシャツ
- 上着2 ユニクロのファーリーフリース(毛の長いタイプ)
- ズボン ボア付きのスウェット
- 靴下 ウールのハイソックス
- 首 フリースのネックウォーマー
- 頭 たまにウールのニット帽
- 手 たまに指なし手袋
- 足 ボアのスリッパ
家着にしてはかなり厚着な気がするが、ほぼパソコンの前から動かないのでこれくらい来ていないと寒い。しかしこれでも膝下が寒いので、次の冬はレッグウォーマーとブランケット、ヒートテックソックス等を導入しようと考えている。
しかしこの家着の問題点は、このままの服装で雪かきをすると暑すぎること、そして雪が服につくと取りづらいこと。なので雪かきをする場合は必ず着替えなければならない。
雪かきの服装
- 上インナー 化繊のシャツ
- 下インナー ヒートテックの極暖(履いたり履かなかったり)
- 上着1 薄手のフリース
- 上着2 ナイロンのヤッケ
- ズボン 作業着屋さんで買った化繊の薄いズボン
- 靴下 綿の薄い靴下だったり、登山のウールのソックスだったり
- 長靴 ボア付きのヒザ下までの長靴
- 首 ネックウォーマー
※上は3枚着ているが、状況によって脱いだり着たりしている。
※ボア付きの長靴なら靴下は足首までの薄い綿でも履いて寒いと感じることはない。
Tシャツ1枚でやっている人もいるくらい雪かきは暑くなる。初めは寒いが動けばすぐに暑くなるので、ヒートテックの極暖を着ていると汗だくになってしまう。 そのため雪かきには雪かき用の服装でのぞまなければならない。雪の量や雪かきをするスペースにもよると思うけれど。
雪かきのために着替えるのが面倒
上でも書いたが家着をかなり着込んでいるので、雪かきをする度に着替えるのが面倒だ。朝は寒いので家着を着込んで、雪かきの時は薄着に着替え、それが終わればまた全て着込む。この作業が意外にめんどい。
家着はフリースや綿素材なので、そのままの服装で雪かきをすると雪が服にくっついてしまう。なのでナイロンや化繊の雪がつかない服装に必ず着替えなければならない。
次回の冬は、軽い雪かきも出来るようなナイロン生地を使った家着に挑戦したいと思う。例えばサッカーのベンチで着ているコートやパンツの様なものだ。
寝る時・外出時はストーブつけっぱなし?
就寝時はストーブを点けっぱなしか
朝は冷えるだろうな、という晩に限りストーブをつけっぱなしで寝ることがあった。たぶんそんな日は1週間もなかったと思う。それ以外の日はストーブを切り、タイマーで朝に点く様にしている。タイマーはだいたい6時間後で設定している。
でもこれはとても難しい。旧式ストーブは自動で温度調節をしてくれないから、例えば油量を「点火」の位置でタイマーをセットした場合「点火」の火力は「中」と「大」の間なので強い。朝起きると20度で暑いなんて事もあったりする。
なので僕はタイマーの油量を「微小~小」の間に設定している。正しい使用方法かわからないけれどこれでもストーブは点く。
日によって違うけれど、朝起きた時のリビングの温度は14~15度くらいが平均だと思う。
出かける時もストーブは点けっぱなしか
暖房を切る方が安いのか、切らない方が安いのかは状況によるらしい
外出している時間にもよるけれど、買い物程度の短時間ならストーブを消さずにでかける事が多い。
ストーブを消したとしても、そんな短時間で部屋がキンキンに冷えることは無いと思うが、ひとたび家の温度を下げてしまうと回復するまでに結構な時間がかかるので消さない様にしている。
とても難しいと思うのは、ストーブは点けっぱなしの方が暖房代が安いのか、それともいちいち切った方が安いのか、ということだ。ネットで調べても答えがないようで、使用しているストーブにもよるし、家の大きさにもよる、つまり状況によるというのがネットでの結論だった。
僕は一応寝る時は切る様にしているが、これが果たして節約になっているかはわからない。寒い朝は油量を「小」に上げて部屋を一気に暖めるからだ。
いくらかの知人に話を聞いたところによると、出かける時は点けっぱなしの人が多い。しかし長時間でかける時や泊まりの時はストーブを切り水抜きをするそうだ。水抜きは結構気軽にやるらしい。
水抜きは外気温が「-4℃以下」が予想されている時にやるらしい
僕は今回の冬に2度水抜きをした。そのうちの一回はシーズン最低気温の大晦日の晩。姉の家に泊まる可能性もあったので水抜きをして出掛けた。
結局姉の家に泊まることなく5時間後には帰宅したが、18度近くあった家のリビングの気温は7度まで下がっていた。
ネットを見るとどうやら水抜きは外気温が「-4℃以下」になることが予想されている時にやる、とあった。それならば旭川の冬季はほぼ毎日やらねばならないことになるが、僕はやっていない。多分誰もやっていないと思う。
僕は一応、部屋の気温が5度を下回る可能性がある場合は水抜きをする様にしている。全然わからないけれど、床下は室温よりは低いと思うので、床下の配管が凍らない様に5度、ということにしている。
北海道、冬の寝具について
ベッドは自作のすのこベッドで、マットレスはエアーウィーブのS01のと言う厚手のタイプ。掛け布団はニトリの暖かさレベル6のダウン1枚のみで毛布とかはない。この組合わせで今回の冬を乗り越える事が出来た。
寝巻もユニクロのスエット上下だけれど、寝ていて寒いと感じることはなかった。
なおベッドは個室に置いている。もちろんストーブはないので、早朝に点くストーブの暖気がリビングからやってくることを期待してドアは開けている。
エアウィーブのマットレスとニトリの掛け布団については下記リンク先で詳しく紹介しています。
エアウィーブのS01は暖かかった
エアウィーブは通気性が良さそうなので、北海道の冬に使用するマットレスとしてはどうだなのだろうか、という不安があったけれど問題なかった。早朝の室内の温度が10度近くまで下がった日も、ベッドの下からの冷気が冷たいと感じる事なく、また暑すぎる事もなく快適な眠りを楽しめた。寝心地は素晴らしい。
ニトリの「あたたかさレベル6」はやはり暖かい
ニトリのダウンの掛け布団もとても暖かかった。室温が0度まで下がってもこれ一枚でしのげるんじゃないだろうか、と思わせるくらい暖かい。
なお11月の半ばからこの掛布団を使用し始めたが、暑すぎるということもなかった。体温にあわせて「ちょうどいい感じの温度」にしてくれる掛布団だ。そして軽い。
頭が異常に寒いのが課題
ただマットレスと掛け布団がどれだけ暖かくても、やはり頭が寒い。すごく寒い。朝方に頭が寒くて起きることは何度もあった。ニット帽をかぶって寝ても夜中に脱いでしまうので、今後は何か対策を考えなければならない。
旭川の冬1年目、まとめ
このページの冒頭でも書きましたが、冬の旭川は想像より寒くありませんでした。もちろん寒いは寒いのですが、外出時はちゃんと服を着込んで防寒し、家では暖房をつけていれば「寒くて死にそう、もう帰りたい」みたいな事はないと思います。
やっかいなのは雪ですが、雪についてはまた別のページに詳しく書きたいと思います。
「冬の旭川の寒さは大したことない」というのが1年目の感想ではありましたが、でもやはり暖房代をケチっているので家の中はやや寒いです。寒いのでその分着込んでカバーし、それでも寒いのでやや我慢をしているところはあります。
理想は灯油代を気にせずにストーブを豪快に使いTシャツでも過ごせる暮らし、ではありますが、暖房代が高くなるのでそうも行きません。
しかし、全ての窓に「中空ポリカ」で内窓を作ったり、壁と床の隙間をシリコンコークで埋めたり、壊れて開きっぱなしの換気扇を交換したり、部屋の換気口をちゃんと締めたり、床に敷物を敷いたりなど、まだまだ暖房代を抑えるためにやれることは沢山あります。
次の冬にはこれらの冬の対策をしてのぞみ、どれくらい暖房代を抑えられたのかを検証したいと思います。