子供と登山!1才4ヶ月で御在所岳で山登り
2011年9月10日土曜日。
気がつけばしばらく山に行っていない。
そう思って買ってあった「御在所・霊仙 伊吹」のエアリアについていたガイドを読んでみたらなぜ名古屋に居ながらにして鈴鹿の山山へ登っていないのか、とハッと気がついた。
壁に掛けたホワイトボードに書き込んだ。「鈴鹿の山へ登りまくる」。
そうだ、これで滅入りがちな日常を打破しよう。そうすれば重いダッコも散歩も苦じゃなくなるはずだ。
8月に行くつもりだった徳沢(上高地の先)が中止になってしまったので、
9月の連休にでも行こうという話をしていた。
そしたら昨夜北尾君が 「明日、いける?」 と言ってきた。「どこへ?」「徳沢」「何も準備してないけど」。
いつものことながら、自分は何の準備もしていないのに徳沢へキャンプに行くつもりでいた北尾君にあぜんとして、その日は終わった。
今日いつものように7時半ごろ、1歳4カ月になったサクチャンに起こされて、
今日やることも思いつかないので御在所に行こうということに急きょ決まった。
前にガイドを見といたからだいたいコースのイメージはついていた。しかし出発が遅すぎる。
サクチャンの準備
サクチャンを連れてちゃんとした登山っぽいのは初めてだ。どんな装備がいるだろう。早く準備しないと。
食事は-チンした後のさとうのご飯、小さいふりかけ3つ、魚肉ソーセージ、マグマグに水、予備に水500ml、カップゼリー、ラムネやスナックのおやつ。あとスプーン。ふりかけは味気ないけど、絶対食べてほしいときはサクチャンの場合食べ慣れた白米が確実。悪くなりにくそうだし。
服装は-虫さされ防止のために薄手の長ズボン(パジャマの)、薄手のTシャツ、靴、防寒と足首の虫よけを兼ねてレッグウォーマー、防寒着にウィンドブレーカーとフリースのベスト。
万が一本当に寒くなったら足を暖めるものが無かったけど、まぁその可能性は低いし、背負子全体をくるむレインカバーを買っていたのでそれを使おうと考えた。
帽子は外してしまってかぶらないので、これも背負子に日除け付きのものにしたから必要ない。
あとはおむつやおしりふきやビニールなど。
大人の装備
今回はいつもより少しちゃんと準備をした。
カッパ、ヘッドランプ、インナーダウンは二人分。特に電池は念入りにチェック。
出発が遅いうえに、御在所は人気の山だから混んでいたら時間もかかるし初めての背負子で岩のある山なので下山に予想外に時間がかかるかも知れない。
あっちゃいけないけどヘッデン行動は想定して準備しないといけない。
防寒着用のインナーダウンは、3人で山に行く場合には一人が3人分の装備を背負わないといけないから、ケチな北尾君を説得して買っておいた。小さくて軽いから助かる。
絶対使わないだろうという暑さだけど、山の心得として仕方ないから持っていく。
カッパも重いけど仕方ない。
あとは、予備のストック。いつもは二人とも使わないけど、念のため。
そのほかにライターやコンパス、地図、日焼け止め、帽子、予備のコンタクトレンズ、、、、本当はテーピングテープと細引きやナイフやレスキューシートなどのセットを事前に作っておけばよかった。
あとあった方が良かったものとして、軍手。いつもは持って行くんだけど。いや、私用には軍手でいいけど、サクチャンを背負う北尾君用にはちゃんとしたグローブがあってもいいかもしれない。
自分だけの時より手を使う機会がやっぱり多かったみたいだから。
食べ物はコンビニで調達した。
水は今日みたいな真夏並みの暑さの日は、本当は一人1.5~2Lは必要だけど、今回は頂上で買えることを計算に入れて一人1L弱にしてしまった。
もちろん北尾君の靴はハイカットの軽登山靴と登山靴下にしてもらった。いつもはスニーカーだけど。
でも結果的には、カモシカで買った皮の重登山靴でも良かったと言っていた。
ドイターの背負子 キッドコンフォートⅡ
背負子を買いなおした。
以前に中古を譲り受けたものを使っていたけど、肩が強くない私には結構重く感じていた。
ザックだったら10kgなんて、なんてことないのに。
うちの背負子を見た友達が、ドイターのキッドコンフォートⅠを買っていた。
試しに背負わせてもらったら、背中にたっぷりとパッドがあってその分背中と腰に重さが分散される感じがして、これまでザックを背負ってきた感覚に近いものがあった。
頂いた背負子だと背中に何もないので、肩から首につながるスジが引きちぎられるようでこれ以上重くなったらムリって思っていた。
あと、心配していた熱射病(日除け)と雨除けが、このザックを買ってしまえば一気に解決するのも魅力的な点だった。背負われながら寝てしまったときに頭がガンガンフレームに当たっていた点も解決されそうだったし。
日本だと、マックパックとドイターが多く売られているようだった。あとモンベル。
モンベルはいい製品も多いけど、これに関しては以前見たときにイマイチだなって直感があった。
ドイターを選んだ友達も候補に入れたけど、良くないと言っていた。
マックパックの方が荷物が入りそうだったりしたけど、ネット上ではどうも情報を得ることができなかった。
それ以前に、 「ドイターのザック」 は最近人気があって気になっていたブランドだし、友達のを試した時に気に入っていたことと色もかっこよかったから、買うならこれかなーと思っていた。
買うときは、キッドコンフォートⅠとⅡとⅢが発売されていた。
名古屋の栄にある好日山荘に見に行ったら、ⅡとⅢが店頭にあった。ネットではⅠも多く出ていた。
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの順に値段も高かった。入る荷物の容量も大きくなって、重さもこの順で重くなっていた。
こうなるとせっかくだからとⅢが上位機種な気がして買いたくなったがⅢは日除けが背中にセットされていてすごく大きく見えたし、背負った感じがⅡの方がいい印象だった。ただ寝てしまって頭が左右に振られる時にⅢでは左右の壁があるからもたれることができていいのかな、とは思った。
Ⅱはアゴのパッド(チンパッド)が取り外せて洗えるようになっていた。洗えることよりも、寝たときにクッションにちょうど良かったし、イスの下の容量も少しでも大きい方がいいと思ってこれにした。
たしかⅡからはショルダーベルトの位置も変えられたと思うが、それはどっちでもよかった。
キッドコンフォートⅡ、日除け&頭だけのレインカバー、全体のレインカバーを楽天のポイント10倍の店で買ったら店頭よりも5千円くらいしか安く買えなかった。あまり出回っていないせいかわからないけど、ネットでもそんなには安くなかった。
ルート決め
エアリアに付いているガイドのモデルルートでは一ノ谷新道を上がって中道を下るルートが紹介されていた。
中道には「危険マーク」がふたつ記されていた。でも正直大したことはないだろうと思っていた。
昨日見た超地元のフリーペーパーでも 「山に登ろう」 みたいな特集で中道を通っていたし、そういうのを何度も見たような記憶があった。だからキレットといっても、穂高の大キレットとは全然違うと思った。
大キレット通ったこと無いけど。
出発も遅かったので、同じ道を帰ってくるか、ロープウェーを使って下って、道路50分歩いて車を取りに戻るという案も視野に入れた。ロープウェーを使うならサクチャンが背負われ疲れても頂上で遊ばせてゆっくりできるし、道路ならヘッデンで歩いても危なくないし。
岩場もなく歩きやすそう?に思えた一ノ谷新道を登ってまた同じ道を下るなら、万が一うす暗くなってきてもその方が安心かなと思った。それでもコースタイム約4時間で、今から歩きだすんだから。
その日の記録
コンビニで食料購入と給油して8:50に出発。
住んでいる名古屋の上社インターから四日市まではいくつかルートがあったけど、最近できた名二環を通って海沿いを走って伊勢湾道路に行く道にした。
四日市インター付近で少し渋滞。
湯の山温泉は、ちょっと箱根湯本にも雰囲気が似ていて狭い川の両脇に旅館とかがあって田舎っぽい雰囲気で閉ざされた、奥まった感じがなかなか良かった。やっぱり登山口付近の山里っていいところ多いなぁ。
川は白い砂と白い巨大なな石のところに透明な水が流れていてきれいだった。
国道477を行くつもりが、577の温泉街を走っていた。
10:30歩きだす。駐車場にはすでに20-30台が留っていて、ギリギリ駐車でき、準備して出発。
滋賀県方面へ車両通行止めになっている鈴鹿スカイラインを歩く。
すぐに右手に中道の登山道の大きな看板が出てきた。
岩があると行ったら北尾君が面白そうだし同じ道を下るのは嫌だと言って、モーレツに中道に行きたがった。
おもしろそうな道だけどまた何度でも来たらいいじゃん、今日は遅いから安全な方にしようと押し切って一ノ谷新道方面に進んだ。すぐに一ノ谷山荘があらわれて、横に一ノ谷新道の登山口と公衆トイレがあった。
道はけっこう急で細かい木の根道だった。花崗岩のポロポロ崩れた岩粒が混じり、先週の台風で落ちたのか杉や松の15cmくらいのビリジアン色の枝先が登山道上にふさふさといっぱい落ちていた。ずっと上まで。
茶色の土の上にそんなふうに落ちているのは珍しいなと思った。青々としていた。あんまり踏まれていないんだと思った。台風が過ぎてからまだそんなに登山者がいないからからかと思ったけど、それはこの道を通る人がそんなに多くないからだと下山してわかった。
ガイドブックには「御在所のかっこいい岸壁を見上げながら登る」っていうようなことが書いてあった気がしたけど上はガスっていてあんまり見えなかった。ただ、絶望的に深いガスな感じはしていなかった。
最近一緒に登山をしたがっている友達のことを考えた。
たとえば前述のキッドコンフォートを持っている夫婦。旦那さんは子供のころお父さんに連れられて登山はしていたそうだ。今でもキッドコンフォートにサクチャンと同じ年の子供を乗せて自転車に乗ったり旅行したりしてるらしい。お友達の奥さんも体力はありそうだ。でも、そんな人たちをを誘ってこの道を歩きたいか。
いや、オススメできない。急だし、滑るかも。
一緒にハイキングをしたがってくれている別の夫婦。子供を背負っていなかったとしても、どうかなぁ。
「山嫌いになっちゃうなっちゃうかも」 北尾君がいった。そう、一ノ谷新道そんな感じだ。特別に荒れた道とか、そんなんじゃないけど。歩いてて 「あー気持ちいい」 「あー最高!」とかって言う場所が無かったかな。
久しぶりにいっぱい汗が出た。山の中だともう 「汗をかきたくない」 とか 「ベタベタしてヤダ」 とか考えなくていいのが、いい。
11:10に休憩。エアリアしか持ってきていないから場所がイマイチわからない。やっぱり地形図が欲しい。
看板もそんなにない。ところどころある看板には、一ノ谷新道であることと、あと 「中級コース」 って書いてある。
やっぱり道の選択を間違えただろうか。「中級」である理由はなんだろう。この木の根道が歩きづらいからか。
下りはもっと歩きづらいだろう。自分で暗くなっても下りやすい道がいいと思って選んだ道だったけど、「この道、ヘッデン行動ヤダね」っていっちゃうほどだった。まぁ道はすいてるから、2時に出発できたら十分だろう。
もってきたお茶を北尾君と奪い合うようにして飲んだ。歩きだしてみたら荷物はもっと持てたなぁと思った。
水をあと1L持ってきても良かったかも。でもロープウェーのある山頂には冷たいジュースが売ってるはずだ。
休憩中はサクチャンも背負子から下ろす。マグマグのストローを歯でくわえながら歩きまわる。
登山道の脇の道へ転がり落ちたら取りに行くのが大変だら、首から下げるヒモをつけたいくらいだ。
サクチャンは始め、先に言っている北尾君の上から私を見下ろして「ま?」としょっちゅう言っていたけど、そのうち眠った。「ま?」は最近彼女の中で流行っていて、ベロを出しながら腰を曲げてふざけて言ってみたり、Tシャツの裾をめくって禁止されているヘソに指を入れちゃうぞっていうポーズと顔をしながら言ってみたり、人の食べているものを指さして「私も食べたいんですけど」って感じで使ったり、ちょっと前から長いブームのバックルはめのときにはめ終わったバックルを外してほしいときとか、
まぁとにかくオールマイティーに使っている言葉だ。
サクチャンが寝ちゃったから静かに歩き続けると12:20だ。かれこれ1時間近く歩いたので休憩しようと思ったけど場所もなく道の途中で大黒岩だったかな、それにいく分岐の狭いところで休憩した。
「あぁシャリバテ寸前だった」 とモリモリ菓子パンを食べ、剥いてきたナシとリンゴを食べきって12:40分に出発すると数分後に上の広場に着いた。
いきなり別世界に出てびっくりした。
そこはすごーく広くて、大きな食堂もあり広場には竹で作った「ぽっくり」っていうんだっけ、ああいう遊具とかバットとかも自由に使えるように置いてあって、左手奥には山頂、右手の上にはロープウェイの駅があった。
スキー場になって石畳や植え込みが整備されていてたくさんの子供もいたので、まるで都心の公園みたいだった。
ここから、山頂までは登り20分下り15分のコースタイム。ここに公園があることは知っていたので、サクチャンが遊ぶのに良かったら頂上に行かないで広場でゆっくりしてもいいかな、とも考えていた。
でも予想より早く着いたのと、あと、向こうに気持よさそうなリフトを見たら 「あれで頂上行こうか」っていう気になってきた。とりあえずジュースを一本買って飲んだ。150円だった。
サクチャンもリフトに乗っけてくれるのか疑問だったけど、なんてことなく乗っけてくれた。
リフトは、高い所にある山頂とロープウェイの駅を結んでいて、中間が低くなっていた。
そこは「カモシカ駅」かなんか名前が付いていて、そこからも乗ることができた。
公園から行くなら少し下ってそこから乗るのがちょうどいい。
リフトは一人乗りで、山頂まで一人200円だった。
安いし気持ちいいから何回でも乗ってもいい思った。
13:00、あっという間に頂上に着いた。
頂上も、これまたきれいに整備されて広々していて公園みたいだった。
たしかに360度山は見えるんだけど、薄く曇っていたせいか 「あぁしばらくここで景色を見ていたい」という気分でもなく、暑い日差しを避けてとっとと東屋に入り食事にした。
いつもだったら、「あの山はなに山だ」とかってやるんだけど、まぁ時間を気にしていたのと帰りのルートで迷っていたからかもしれない。
サクチャンは楽しそうにあっちこっち歩きまわっていた。
佐藤のゴハンとふりかけをモリモリ食べてとても楽しそうだった。みんなに「かわいいね」と言ってもらいこれまた流行りのバイバイをし返してもらい、上機嫌だった。
東屋で同席した単独行のおじさん二人とちょうどルートの話になった。
ここに来慣れているふうのおじさんは、滋賀県側からスカイラインで来て、武平峠から登ってきたらしい。
一番良いルートはやっぱり中道だと言っていた。上2/3が景色が良いと。
危険マークがあるから迷っていると私が言うと、
「スパッと両側が切れては、いるけどね」。
多分おじさんは「全然危なくない」って言いたかったと思う。でも子連れには言いづらいみたいだった。
もう一人のおじさんは中道から登ってきたといった。
私はおじさんたちの話を聞いて下ってもよさそうだと思った。
「ここにいるほとんどの人は中道を通ってきてる」とも思った。
そんなにたくさんのひとが歩く岩場がそこまで危険なわけはない。ここにいる登山の服装をしてる人たちを見てそう思った。
それにしても、本当にアウトドア雑誌から出てきたような、おしゃれな?山ガール山ボーイが多い。
昔はあるものでやっていくことが美徳だと思ってきたから、15歳から使っていた毛の山シャツを30歳を過ぎても着ていた。敗れたところは縫って。先輩からもらったズボンをはいて。
ほんとのはじめはジャージを履いて。
でも最近の登山を始める人は、セオリーである 「カッパと登山靴だけは買う」 ではなく、いきなり、タイツにハーフパンツで、ピタッとしたアンダーウエアに半袖重ね着とか、レインハットとかバッチリファッションを全身決めて、登る。他のスポーツならどうかわからないけど、登山の場合、万が一この先山に行かなくても使えるものばかりだから、いい。
初めから良いもの買っちゃってもムダにならないって、すごくいいと思う。
速乾性のTシャツは他のスポーツでも使えるし、タイツはジョギングとかでもいいし。
ちょっと大きめのザックも旅行でもなんでも便利だし。
それに比べて、まだ使えるからって15年前のものを使ったり家にあるものを代用している自分たちはちょっと考え改めて良いんじゃないかなーと最近は思うようになってきた。
14時に下りだせば1:20のコースタイムなら、岩が多少渋滞していても、ゆっくり下っても日が暮れるまでには大丈夫だねってことで、集合写真を撮って出発した。
13:45に下りのリフトに乗る。さっきは途中から乗ったけど、今度は最後のロープウェイ駅まで乗るから、一人300円。
北尾君は、今度は背負子を前に持つのじゃなく、後ろに背負って乗った。
この方がラクだったみたいだ。サクチャンは楽しむというよりも、結構顔が固まっていた。
リフトはぐぐっと下に下って、また上がっていった。左手にはスキー場の中の草原の上を
歩く人たちが見えた。時間がもっとあれば、サクチャンをあそこで走り回らせてあげたかったなと思った。でもシカのふんがいっぱい落ちてるから、それをつまんで口に入れようとするだろうから見張ってるのが面倒だったかもしれない。注意してもぜったいに聞いてくれないからさ。
14:00、ロープウェイ駅でトイレに行ってから中道登山道を下り始める。
下り始めてすぐに分かった。道がたくさん踏まれていて、道幅も広く歩きやすい。
台風で落ちたと思われる枝は、踏まれて乾いている。花崗岩の下りは注意しないと滑るけど階段状にしっかりステップが作られているから下りやすい。
そして聞いた通り、見晴らしのいいポイントがいっぱいあって気持ちいい道だった。
右手にはロープウェイが見え、眼前には広ーく街が見えた。右に左に、この辺で有名な山だろうと思われる山がいっぱい見えた。でもまあやっぱりそんなに落ち着いてゆっくり見たいなぁという感じでもなく、先にどんな岩場があるのか気になっていたと思う。
注意を要したところは、やっぱり何と言ってもザラザラの花崗岩の粒を踏んでも滑らないことと、大きな段を座って降りるときに背負子の後ろの足をぶつけて前につんのめらないこと、
それから横から出ている枝にサクチャンの顔をぶつけないこと、岩の間を通る時にサクチャンの両足を擦らないようにすること、そんな感じだったみたい。
あとあまり前傾になったり振動を与えないようにと、「こんなに気をつけて歩くのは初めて」と北尾君は言っていた。
心配していた渋滞も、歩きだしはちょっと混雑していたけど、次第にバラけて問題なかった。
14:45に通った 「キレット」は、確かに鞍部の両脇が切れてその先に岩があったけど、
登る分には全く問題なかった。
そしてその時に、すでに一つ目の「危険マーク」箇所を過ぎていたことを知った。
危険個所は、そんな感じだった。そしてこのルートにはこまごまと標高を示す道標があった。
キッドコンフォートの後ろの「足」のロックは、ちょっと壊れたっぽかった。
北尾君がロックボタンを押さないで無理やり開け閉めしたから壊れたんだということに決着した。
でも北尾君は当初、私がもっともっと北尾君に注意しなかったことや、自分がザックを下ろそうと思った時に私がいなくて、開きづらかった足を一人で無理やり開けざるを得ない状況だったと責任転嫁をしていた。よく注意したつもりなのに予想通り壊れて、すごく残念だったけど長い不毛な口論の末 「私が壊しました」 と認めたので許すことにした。
だからたまに下っている途中に開いてしまって、しゃがんだところにある岩にぶつかりそうでちょっと危なかった。
サクチャンは途中寝ていたけど、どこも痛くなさそうだったし、心配していた股ズレ?も無かったし、背負うことに関しては何も問題なさそうだった。さすが、良くできているなぁ。買ってよかった。
今回は行動時間としては5時間、背負われていた時間としては3時間くらいだからムリは
なかったと思う。おむつは頂上で一回替えた。
これは、地蔵岩。ルートのちょっと脇にあるけど、みんなが登るらしく足跡がある。
これは、「5合目 850m ゴンドラ展望台」から。
一度小休止をして、15:20に 「負ばれ石」 を通過すると、モデルさんやカメラマンらが大勢で撮影をしていた。その方たちに私たちもついでに写真を撮ってもらった。
「およそ‘山ガール’とは言えないモデルだったね」と北尾君が言っていた。
たしかにメイクも濃かった。やっぱり登山って流行ってるんだなぁ。
15:45、中道登山道に着いた。
通行止めになっている車道を歩いてゴキゲンのサクチャン。
今日はピンクを着てきたから 「ボク」 って言われない。
もうすっかり車もいなくなっていた。
こちらは、477号から上がってきたところの駐車場。
混んでいるときは下の方までずらーっと車が連なるらしい。
こっちは、577号から上がってきたところの駐車場。
20-30台は留められそうだけど道が狭いので路駐はしにくい。
朝、留められなくて戻っていく車がいた。477号側に回ったんだろか。
広くなった駐車場でサクチャンを運動させて、ご飯の残りを食べたりして遊んでから帰った。
サクチャンはたいへんゴキゲンだった。最近家の中で過ごしていると、「マンマ!」 とやたら私や北尾君を冷蔵庫の前に連れて行って、あげないと泣き叫んだり、本を破るとかCDを噛むとかをやめさせると怒ったり、外に連れて行かないと怒ったりなんか不満だらけで大変なことも多かったけど、今日は大変平和な一日だった。
北尾君も御在所をとても気に入って、また来たいと言っていた。
でもやっぱり登山は、縦走がいいし、山の中にテントで泊るのがいい、できれば友達と一緒がいい、
と私は思った。今度はちゃんと準備していこう、と思った。
それでも、朝起きたときとは大違いの爽快感で、なんとなく終わる一日が濃い一日になって良い日だった。