チェジュ市内観光と買い物 -子どもと海外旅行 in チェジュ島 ⑪-
東門市場とホットゥクを食べる
3日目の12/20(火)は特に予定を決めないで、チェジュ市内をぶらぶらしようってことになっていた。これはほとんど私の希望だったんだけど。写真を見ると、9時過ぎでもパジャマで窓の外を眺めて飛行機を見つけているのが映っているから、だいぶのんびりした。さくちゃんは「アッキーン」といっている。エアプレーンの事だ。みいちゃんは「あっちいった」という。あそさんが飛行機を指してそう言っていたから、飛行機を見るとそういうようになったそうだ。ホテルの部屋の窓は大きくて、街並みやその向こうの海が見渡せてなかなかよかった。
10時ごろホテルを出て、中央路を通って東門市場(トンムンシジャン)へ向かった。天気は曇りでなかなか寒かった。歳を取ったからか、目新しいはずのチェジュの街もそんなに記憶に残るものもなく、なんか普通に通り過ぎた。途中にあった衣料品屋でなんとなく靴下を買った。たしか2000ウォンだった。140円だ。なんか外国へ行くと、日本に比べてかなりお得なものと、いくら安くても日本の100円ショップの方がよっぽど質が良い、と思うものがある。ふと手に取ったその靴下たちは、前者だと思った。っていうか、普段使える安い買い物をせっかくだから旅先で買えたら楽しいなというのもあって。北尾くんの会社用と、自分用を買った。結局これは当たりで、足首の長さとフィット感がちょうどよいその靴下は、その冬毎日のように外出時に履いた。北尾くんも良く履いていてしょっちゅう洗濯に出ている。「私も買おうかなー」といってあそさんもつられていくつか買った。
途中、地下商店街に入って、それに沿って市場に向かった。エレベーターが見当たらなくてイチイチベビーカーをかついで階段を降りるのは面倒だったけど、まぁまだこの重さなら耐えられる。やっぱり旅は身軽で行くべきだなぁ。この商店街は長く続いているようだったけど、すぐに市場への出口案内があって、そこを出た。
海鮮が売っている辺りから市場は始まっていた。おとといの海鮮小鍋に入ってたザリガニみたいのも山盛りで売っていた。途中、おばさんたちが並んでキムチを漬ける様子は韓国的で情緒があったし、バケツいっぱいの唐辛子もそうだ。でもなぜかゆっくりと買うものを選ぶ気分でもなくてサーっと通り過ぎた。だけど、また途中あった靴下屋にはなんとなく目が行ってそこで靴下というかスポンジみたいな素材で出来た履物を買った。初めてみたから何とも表現できないけど、足の裏には滑り止めが付いていて、明らかに室内用だ。寒い部屋で履いたらあったかそうだし、なんか珍しかった。安かったのであそさんもなんとなく買った。私は黒地に金の模様が入ったやつで、あそさんは赤地のもので、基本この履物は絶対にいなかのおばちゃんかおばあちゃんを対象にしたダサい風のもので外国人の私にはそれがステキなんだけど、それでありつつおしゃれに見えるというなかなかカワイイ柄をチョイスしていた。
市場はソウルの東大門市場のように広いものでは全くなく、衣料品や雑貨も少なかったのですぐに終わってしまった。そういうものを見たかったので少し残念だった。でも出たところに、長年食べたかった「ホットゥク」(ガイドブックによればホットック)が売っていた。粉で練った生地を鉄板の上で平らく潰して、真中にニッキ味のザラメみたいなのを入れて包んで両面をおやきのように潰して焼いた食べ物だ。初めてソウルに来た時に、こういうものが100円もしない値段で道端で気軽に売っていてすごく感動してからずっと記憶にあった。「やっと出会えた!」そんな感じですぐさま注文した。
あそさんも買った。シンガポール育ちのあそさんには屋台や道端のこういう安い食べ物は、今思えば珍しくなかったかもしれないね。買い食いや食べ歩き好きの私にはアジアの安い屋台は、憧れの対象なのに。でも、チェジュも観光地化の整理が進む中で屋台は減らされ、この付近にある数店だけになってしまったとたしかガイドさんが言っていた。やっぱり衛生面とかなんか問題あるんだろうか。
ちなみにホットゥクのホッはHOTで、トゥクはおもちの意味だそうだ。意味を聞くとやっぱり覚えやすいね。 そしてそのすぐ後に、今度は「フナ焼き」の屋台があった。プンオパンというらしい。小さい鯛焼きみたいなやつだ。これも、以前ソウルで食べて気に入った一つだ。一セット買ってあそさんと分けて食べた。やっぱりおいしかった。
歩道で食べていると、旅大好きふうの奥さんと連れられてきたふうの旦那さんのカップルが屋台に近づいてきて「マシッソヨ~?」と、たぶん、日本人客に向かってノリノリで話しかけていた。
さくちゃんは寝始めたので、寝冷えしないように足にさっき買った履物を履かせた。ちょうど足首が出てたから。靴を脱がせてそれを履かせるとガッチリふくらはぎまでかぶって冷気の入る隙間もなく、良い感じだった。すごくハデだったので向かいから歩いてくる人の目がチラチラそこに行っているのがわかった。
昼食とEマートでショッピング
そのあとはどっかでゆっくり温まりながら昼食を摂ろうという事になってウロウロした。しかし探してないときはいくらでもあったはずの食堂がまったく見当たらず、ぜんぜん選べなかった。私たちは銀座っぽいところを歩いていたんだろうか。ブランド品や、外国のアウトドア用品の店がいっぱいあった。っていうか、街中の人はみんなアウトドアブランドのダウンジャケットを着ていた。店のディスプレイにもそればかりが並んでいた。ピンクとか結構派手な色が多かった。そしてみんなが着てるのはノースフェイスばかりだった。きっと、今すごく流行ってるんだろうなと思った。もしかして日本よりも安く売ってたりしたのかな。
そんな風でなかなか見つからないので、また地下商店街へ入った。さっき来るときにいくつか見かけた気がした。その中で麺もありそうな、蛍光グリーンのイスが店内を明るくしている店に入った。
あそさんは薄いもちの入った麺をたのんで、私はどんぶり物を頼んだ。この店はこれまで入った店とまったく違って、めちゃめちゃ品数が多くて、なんていうかファーストフードっぽかった。それでいて少しも安くない。私が食べたどんぶりは全くおいしくないっていうかひどいドライブインで食べるような、質素なものだったし、あそさんの麺はあそさんいわく「まずくないけどインスタントラーメンみたい」って言ってた。ほんとにそうだった。
でも隣の定食屋っぽい店はガラガラでこっちの方が若い客が多く、みんな特に不満もなさそうにおしゃべりしたり食べたりしていた。さくちゃんは寝てたので壁側の長椅子に寝かせておいた。帰り際に起きてどんぶりのたれがかかったご飯を少し食べたんだったかな。
それから、Eマートというスーパーに向かった。旅先ではだいたいスーパーをのぞいてみたくなる。身近な生活用品やお菓子とかをみるのはやっぱ楽しい。Eマートはなかなか大きくて、食品からお土産や日用雑貨まで売ってるのでなかなか楽しかった。初めに上の階に行ってお土産を見た。私はなんとなくめんどくさくて真剣に選ばなかったけど、あそさんが試食して「おいしいよ」と勧めてくれた韓国ノリのふりかけを買った。さくちゃんとの朝食や昼食では、ふりかけ良く食べるし。
あとキーホルダーがいくつも売っていて、サクチャンが口に入れた一つと、引っ張って部品を壊したドナルドのキーホルダーを買い取る感じで買った。壊した部分は直してくれた。さくちゃんはやたらキーホルダーを取りたがって暴れるので捕まえるのに苦労した。みいちゃんはこんな時でも大人しくベビーカーに座って、あそさんの居なくなった通路に放置されてもだまって座っていた。
その階にはフードコートもあって壁一面の大きな窓の先には海が広がっていた。いろいろ食べたかったけどおなかも空いてなかったし、とにかくさくちゃんが落ち着きなくて手を焼いていた気がする。
近くにはお金を入れると動く乗り物があって、さくちゃんは家にある車のおもちゃと同じ、フェラーリに乗った。お金を入れると動き出したけど、さくちゃんは神妙な顔つきで少しも楽しんでいなかった。
食料品の階に行くと、ガゼン買い物する気が出てきた。サクチャン用にと選んだ飲むヨーグルト5個セットみたいなやつには、「華麗なる遺産」で主役をやった「イ・スンギ」がプリントされていた。
彼はドラマの見初めでは「えーこの人なぜ主役なんだ」って思ったけど、最後には役柄もあってステキに思えてしまうというパターンがよく当てはまった人だ。役柄のせいだと思っていたけど、ヨーグルトのプリントを見る限り今でも実際に人気があるんだな、と推察された。と思っていたら後日、歌まで歌って日本でも一番二番を争うような人気になっていることを知った。自分がドラマで見た人が人気が出るのはなんとなくうれしいものだ。知人のようで。
あとは何買ったかな。ホットゥクの粉を見かけて、あそさんと1箱ずつ買った。いくつもある中でちょっと高めので、あそさんの指摘によりちゃんと材料のすべてが入っていそうなやつを買った。作り方はハングル語でしか書いていなかったけどガイドさんに帰りに見てもらう事にした。
食品をみながらあそさんが「どこの国も国産がやっぱ良いとされているんだね」といった。確かにパッケージには「韓国産小麦100使用!」みたいなのが書いてあった。
おもちゃコーナーには、見たことないオリジナルキャラクターの書いたものが目立った。日本のようにディズニーはあんまり見なかったかな。日本だと、アンパンマンかディズニーかって感じなのにね。なのであんまり買おうというふうでもなかった。
食器コーナーでは、私は伝統的なステンレスの食器が買いたかったけど少しも売ってはいず、唯一スプーンや箸があるくらいだった。あそさんはスプーンを買った。私も日常で使える何かを買いたかったけど、とにかくこのころサクチャンの不機嫌がピークになってきたので諦めた。
店を出るとちょっとお茶しようってことで近くのダンキンドーナツに入った。さくちゃんがお昼をあまり食べていなかったから食べさせようと思ったのに、好きなはずのドーナツもあまり食べずにソファーに上ったり店内をうろついたりしていた。
店内でしばらくゆっくりと落ち着かないお茶をしたあと、私たちは交代でおむつ替えも済ませ帰路についた。
後で知ったことだけど、このEマートのある通りはお刺身屋さんが多く「刺身通り」と呼ばれているらしい。たべたかったなぁ。 結構町の端っこの方に来たので帰りはタクシーを使っても良いと思ってたけど、さっさと歩いたらすぐに中心街へ着いた。途中ベビーカステラの屋台があり、それも買ったりして。でも余ったドーナツといい、お菓子はすでに飽和状態で、そのクルミあんの入ったベビーカステラは日本に戻ったあとも、まだあった。
ホテル近くでは一本裏道を通って戻った。韓国らしい坂道や路駐の多い道で、少しはドラマの世界を味わえた。KALホテルは本当に目印のような場所にあるし良く見えるので、なんだか変な道を行っても安心だった。
最後の晩ご飯はチェジュ名物、あわび料理
その後は部屋でゆっくりしたんだっただろうか。また寝たんだったかな。
最後の晩ご飯はこれまたガイドブックに載ってるあわびがゆを食べようと決めて出掛けた。 その店は海野(ヘヤ)といって、新チェジュの街にあるのでタクシーで向かった。
タクシーのお兄さんはダウンジャケットを着ていた。なぜだったか、途中からハルラ山の話で盛り上がって、なんか会話は全く通じてなかったんだけど、運転をしながらスマートフォンをいじって自分がハルラ山に登った写真をたくさん見せてくれた。
ハルラ山はGoodだとなんどもうれしそうに言っていた。
店に着くと、これまたお客さんはほとんどいなかった。 奥には座敷があって、希望通り座敷のはじっこのテーブルを使わせてくれた。テーブルとテーブルの間にはしっかりした衝立があったけど、さくちゃんたちは自由に座敷のエリアを歩きまわった。
私たちは、アワビの釜めしとアワビのおかゆと海鮮チヂミを注文した。相変わらずナムルやキムチがいっぱい来て危うくおなかがいっぱいになりそうになった。
釜めしはおいしかったど、アワビらしさ?のようなものはイマイチ分かりづらかった。アワビがゆもチェジュの名物で、撮影に来たヨン様もしょっちゅう食べに行ったという情報がネットにあった。ここのお店ではないけど。このお店のは胆も入れるのかな、全体に緑色っぽいのが特徴。なるほどーという感じ。
あそさんは、あれは(あの店は)観光客用なんじゃないかと訝しがっていた。というのも、名物のアワビのお粥がチェジュの人が良く好むものというのはピンとこない、というのだ。確かに他のものはなんでも「ああおいしいね、名物っていうの分かるね」っていうくらいスッと入ってくるおいしさだけど、なんというかアワビ粥は「ふーん…」って感じなんだよね。まずい訳じゃないけど、やっぱり他のものに比べて高い割には、っていうのかな。で、たし釜めしをおかわりしたんだ。帰国後に話したけど、バター焼とか食べとけばよかったねって言ってたんだ。でも他のものに比べてなかなか高いのもあってどうも注文し損ねたね。まぁでもこの店でもゆっくりと名物を味わう事が出来て十分に満足出来たよ。何しろ出発前は、この落ち着きの無いさくちゃんを連れてまともな食事が出来るんだろうかって思ってたし。
お店のおばさんたちはやっぱり素朴で親切で、タクシーも呼んでくれた。そういえばサクチャンは食べ終わった皿をシンクに戻す(バスケのようにシュートする)ブームのまっ盛りで、この時もガラスの皿をヨタヨタと運んでおばさんに渡していた。おばさんは喜んで受け取ってくれていた。
店を出たのは多分20時ごろ。タクシーであっという間にホテルに着いた。 その後、たぶん暇つぶしにコンビニに出掛けて、道沿いの住宅街の間にちょっとした遊具のある公園で夜遅かったにもかかわらず遊んだ。2人は久々の公園ですごく楽しそうで、繰返し登っては通路を走ってすべり台を滑っていた。「もっとこまめにこういうとこ来れたら良かったな」って思った記憶がある。2人はかなりハイテンションで遊んでたけど、みいちゃんが顔面を打って上の歯で唇のウラを切るという流血事件で幕を閉じた。