リスがクルミを食べる瞬間を撮影。そしてリス落ちる
北海道旭川・移住の記録 #24
2020年6月25日(木)。旭川に移住して約20日。ついに念願だった、リスがクルミを手に取る瞬間を撮影することが出来た。動画も撮れた。これで「クルミはリスが食べている」という確実な証拠が出来た。
しかしリスは、設置したクルミ台から落ちてしまった。
リスがクルミ台の上から落ちてしまう
朝6時28分に目が覚める。今日はあまり寒くない。
そっと身を起こして上着を羽織り、静かにカーテンを開ける。昨日設置したクルミは3個、そのままにされている。リスの野郎はまだ来ていない。僕が起きるのより遅いじゃないか。
そのまま窓際に座り、しばらく外の様子を見守るも動きはないし、リスの足音も聞こえない。
このままでは寝てしまいそうだったので、コーヒーを淹れ食パンを齧りながら窓際で様子をうかがう。
「
トコトッ」とリスの歩く音が聴こえた気がするが、気のせいかいもしれない。
食パンを齧り終わっても動きがない。今日は来ないのかもしれない。
続いてフルグラを食べる。スキムミルクに水を入れ溶かしたのち、フルグラを入れる。窓際でフルグラを食べながらリスを待つのもしんどいので、ソファーに座って食べる。
やはり、たまにトコトッ、と音がする。リスの歩くリズムは、うまのパカラッ、と同じリズムの様に思う。
リスは案外近くにいるのかもしれない。そう思いながら、窓を見ながらフルグラをポリポリと食べる。
すると突然、リスがシュタッ!と昨日設置したクルミ台に降り立った。
どこから来たのかわからないが、自分にはワープしてきた様に思えた。そしてリスはクルミを手にすると、カジカジすると思いきや、僕の方をクッと見た。僕の存在に気づいたようである。
僕はフルグラの入った器を手で持ち、スプーンを口に運ぼうとする瞬間でフリーズしている。リスはクルミを抱え、クルミをかじろうとする瞬間でフリーズしている。
フルグラを食べようとする僕と、クルミを食べようとするリスの見つめ合いが、しばらくの間続いた。
気を取り直したリスはクルミをカジカジし始めた。僕はその瞬間を狙って窓際に近づきカメラを構える。
リスはすでにクルミを手にしておらず、辺りをウロウロとしている。他のクルミを探しているのかもしれない。
僕はシャッターを切る。ついに現場を押さえた。確実な証拠写真だ。
するとリスが台に乗り、そして窓際の、僕のいる方に近づいて来た。
そして次の瞬間、ガシャ!と大きな音を立てながらリスは台と共に地面に落下した。
僕が昨日用意したクルミ台は板をただ置いただけなのでバランスが悪かったのだ。まあでも、リスは木登りが得意なので問題ないだろうと思っていた。
しかしリスは落ちた。
びっくりしたリスは大慌てで南の方へ走って行き、そして白樺の木の上を登っていった。
ああ、やっちまった。これがトラウマになってリスちゃんはもうやってこないのかも知れないと落ち込んだ。柵の上にクルミがまだ1つ残っているのに、あれも食べないんだろうなあと思った。とても怖い落下体験をしたのだ。もうやって来ないのかもしれない。
しかしリスはすぐに木からテテテっと降りてきて、また玄関ポーチにやってきた。そしてぴょんぴょんと柵の上に登ると最後のクルミを手にした。やった、おかえりリスちゃん。
そしてリスはオーディエンスに見せつけるように、柵の上でオブジェみたいにクルミをかじり始めた。カジカジカジカジと小さな音が聞こえてくる。
その後リスは前回と同じ様に、家の庭を楽しそうにぴょんぴょんと駆け回る。
あれはなんなんだろうと思って見ていると、何やらリスは地面に穴を掘っている様子。なるほど、もしかしたらリスはクルミを埋めて隠しているのかも知れない。庭を楽しそうに駆け回っているのは、もしかしたら埋める場所を探している姿なのかもしれない。
その後リスは何度か玄関ポーチに来ては柵の上を歩き回り、他にクルミがないか調査をしていた。そしてリスの気配は消えた。どこかに行ったようだ。
すごい収穫だ。早起きは三文の得というが、リスがクルミを食べる写真も撮れたし、家の前を調査するリスの動画も撮れた。
笹刈りの楽しみとは
リスの次は笹刈だ。今日はお隣さんとの境界の笹の根掘りはやらず、北面の笹を刈り空白の領域を広げてみた。
正直、今のところ毎日の楽しみは笹刈りしかない。
笹刈りの楽しみは2つあるが、一つは宝探し的なところがあることだ。笹の森の中に小さなミズナラの葉っぱが隠れていて、そいつは日当たりが良くなる事を祈って毎日を待っている。たぶん。
その小さなものを見つけ出し、周りの笹を狩り日当たりを良くする。その木々達のことを、成長しているかな、と毎日見るのがすごく楽しい。
そしてもう一つは、笹を刈ると行動範囲が広がることだ。笹が辺り一面を支配してしまうと先に進めなくなるし、進んでみようという気すら起こらなくなる。
しかし笹がなくなるとその領域に踏み込めるようになって、また違う物が見えるようになる。隠れたウドを発見したり、ここで見たことのない植物を発見したりする。
またこれまでと違った景色も楽しめるようになる。笹の手前から見る景色と、1メートル笹を刈って進んだ場所で見る景色は全く違うのだ。
笹は全部を隠してしまうから、それを排除していろいろな物事を明らかにしていくのが楽しい。謎だった部分が謎ではなくなる。このままどんどん笹を刈って突き進んで行きたい衝動に駆られる。
2匹のリスが、イタヤカエデの木で追いかけっこしている。向こうの笹の森が、パキパキパキッと音を立てて揺れている。そんな光景も見れる様になった。
毎朝笹を刈ることで、自分の認知するエリアが少しずつ増えていく。自分の理解の内にある領域が増えていく。開拓をしている感覚に近いのかもしれない。知らないけど。
このまま北東の笹を刈り続け、いつかはオホーツクの海にたどり着きたい。こんなに楽しいことはないのだ。
やはり煙突ストーブはやはり動かない
笹刈りを終え、今日はなにか別の事をしよう。ということで、再度煙突ストーブが点くか点かないかのチェックをした。
今回はホースのチェック。灯油が本当にここまで来ているのかを確認するのだ。
ドライバーでストーブのネジを回し、ホースを外す。すると灯油がストーブ側から溢れてきた。
灯油のにおいが一瞬にして広がったが、灯油はちゃんと裏のタンクから長い道のりをやって来ているのだ、と嬉しくなった。これで問題はシンプルになった。やはりストーブが問題なのだ。
ホースをストーブから外す時、ホースから灯油が飛び出すんじゃないか、と思っていたけどそれはなかった。ホースの先端にはストッパー的な器具がついていて、ストーブにセットして始めて灯油が出るようになっているのだ。賢い、と思ったけどごく当たり前のことなのかもしれない。
しかしストーブ側からは灯油が漏れる。でもこれは一般的なストーブとタンクがセットになったタイプでも同じことだ。タンクとストーブのジョイント部からは少なからず灯油は漏れてしまうのでしょう。
次に煙突ストーブのフタを開け、内部のススを尖ったもので取ってみる。構造がわからいので適当にやるが、自分でも正しいことをしているのか、そうでないのかわからない。とりあえずガシガシやってみる。
そして電源オン。これで3度めの挑戦だ。でもやはり、ブーンという音がして、中が明るく光っているだけで以前と反応は同じだ。
ただ前と違うのは、ストーブのフタを開けると中から灯油の匂いがすることだ。一歩前進した気がするが。これ以上はバラさないと無理かもしれない。
カセットコンロのカートリッジも切れる
夜ご飯はレトルトカレー。鍋でご飯を炊こうと姉から借りたカセットコンロを確認すると、ガスカートリッジの残量がない。ご飯を炊くほどの余力は彼にはない。予備のカートリッジもない。
どうしたらいいのだろうと考えた末、裏の巨大な灯油タンクから灯油、もしくは車からガソリンをゲットして登山用のガソリンストーブを使おう、と言う結論に至った。
そんなこんなで灯油ポンプを探しに夜の町へと繰り出した。
まずはウエスタンと言うスーパーを訪ねた。しかしこれから夏なわけで、やっぱり売っていない。北海道では灯油ポンプが年中売っているかもしれないと淡い期待を抱いていたが、季節外れにそれを置くほどの余分なスペースはないのだ。
続いて隣のサンドラッグに行くも売っていない。そして次に行ったツルハドラッグにも売っていない。
やはりイオンみたいな大きな所にしか置いていないのかもしれない、とイオンに行こうとするも、駐車場への入り方に戸惑ってスルー。そのまま家に帰って来てしまった。
そんなこともあろうかと思い、ウエスタンで40%引きのお弁当を買っておいてよかった。
あるいはお弁当を買ったせいでイオンをスルーしてしまったのかもしれない。