旭川に移住して一か月の記録、森暮らしの感想
北海道旭川・移住の記録 #34
2020年7月5日(日)。旭川に移住しておおよそ1ヶ月経った。東京から越してひと月、現在の自宅の状況、旭川の6月の森の様子、森暮らしはどんな感じかを記録する。
ちなみに一か月森の中で暮らしてみてわかったこと、発見したことをダイジェストにすると、
- スズメバチが軒下と屋根の2箇所に巣を作る
- マルハナバチの巣が屋根裏にあり暮らしている
- はちみつ入りのスズメバチトラップは、よく取れる
- 甘いものを食べるとアリがどこからかやってくる
- エゾリスは朝5時30過ぎにやってきてクルミを取り、適当な場所に埋める
- リスの巣らしきものが家の裏手にあり見える
- サンショウウオもヘビもいる
- 表に置いた靴がなぜか動いている
- アリ、クモ以外の虫は家の中で見ない。小さな羽虫は、網戸の仕組み上いくらかは入ってしまう
- キツツキが家の外壁を強打する
旭川に移住して一か月。現状
買っていないもの、足りないもの
家電など
- 炊飯器
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- ドライヤー
- ベッド
家電がほとんどない状態である。ちなみにどう暮らしているかというと、食事は弁当、レトルト、インスタントラーメンがほとんどで、また洗濯物に関しては姉の家に持っていき一緒に洗ってもらっている。電子レンジは姉に頂いた。
ストーブはもともと家にあった煙突ストーブが2台あるが、両方共点火しない。しかし、煙突ストーブを処分したい、という人から使えるものを貰えそうな話がある。
布団がなかったのではじめはソファで寝ていたが、寝づらいので姉から布団を借り使用している。柔らかくて寝づらいので登山のマットで寝ることもある。
家電以外のもの
衣装ケースも足りていない。ハンガーラックを中古で一つ買ったが容量は十分でない上に、ハンガーも3つしかないのでまともに使えていない状態だ。したがって服はその辺りに山積みである。
カーテンもない。姉からもらったものや家から持ってきたものなどはあるが足りていない。カーテンをつけるべき窓があと7つもある。また所持しているのは全て遮光カーテンなので、レースやリネンの軽いカーテンを買い、せめてリビングにはつけたい。
家の事
掃除
屋内の掃除はたぶん、5分の3くらいしかしていない。トイレ、風呂周り、キッチン周りはまだやっていない。
DIYとか家の修理とか
全く進んでいない。何かを作ったといえば開墾鍬くらいだ。しかしもう少しで、家の前の屋根の柱の修理に取りかかれるかもしれない。
インターネット
ソネットのauひかりを申し込んでもう少しで2か月になるが、未だ回線工事はなくインターネットは繋がっていない。予定では来週の月曜日。
水、お湯、トイレ、プロパンガス、電気
水道は引っ越し前に工事してもらったしボイラーも交換したので絶好調。
トイレはまだ掃除していないが、ボードの壁が汚いくらいで機能的に問題がない。ウォシュレットが素晴らしい。たぶん、一か月でトイレットペーパー1つ使いきらないと思う。
プロパンガスもコープにお願いし、配管設備も既設のものと交換してもらい使えるようになった。一口コンロを買ったので簡単に火が使えるのが嬉しい。
電気も今のところ問題ないが、この間、「メーターをアナログからデジタルの工事で~」みたいな感じで業者がやってきた。
雨漏り
各部屋に雨漏りの跡があるが、まだ最新の雨漏りは確認していない。先週はほとんど雨だったし、また大雨の日もあったけれど雨漏りは今の所ない様子。
食事
朝ご飯はフルグラがメインで昼はレトルトのカレーかインスタントラーメン。夜はスーパーで弁当を買うことが多い。しかし姉の家で手料理をご馳走になることも多い。
家の周辺の動植物
植物
現在はエゾヘビイチゴなる小さな赤い実が各所で実り目に留まる。ウドはびっくりするくらい日々伸びている。オレガノは花を咲かせ、また死んだと思っていた枯れ枝からあっという間に別の枝が伸び、日々新しい葉が生えてきたりする。
ミズナラの稚樹が大きな葉を広げ、大木の下で空があくのをまっている。
植物は日々成長している。誰が早く高く伸び空を制するか、の争いである。
ここのところ、草木の成長と変化が著しい。
スズメバチ
未だにスズメバチは現れる。しかし引っ越し当初ほど、家の周りを嗅ぎ回っている個体は少ない印象。
マルハナバチ
駐車場付近にムラサキツメクサが咲いていて、そこでたくさんのマルハナバチが蜜を採っている。近くに巣があるのかもしれない。
屋根裏で暮らすアカマルハナバチ
相変わらず屋根裏の巣で暮らしている様である。巣を奪いに来た他のマルハナバチと戦うこともあったが、どうやら守った様子。スズメバチに乗っ取られるとかも今のところないようだ。
ハチトラップ
全部で5箇所あり、2箇所は家の軒下に、3箇所は森の木々に。軒下にぶら下げたスペシャルなトラップは効果なし。
森の3つは合計で10スズメバチくらいをゲットしただろうか。特に1つのトラップでは大量に捕れていて、見たくも近寄りたくもない惨状である。どうしたらいいのだろうか。
エゾリス
今日も6時頃来てクルミを持っていった。しかし柵には登らず一つ取り残していた。
その他の動物について
その他にはヘビ、サンショウウオなども確認したが、隣人曰くうさぎ、キツネ、ネズミなどもいるらしい。
鳥の種類はとても多い。フクロウ、カッコウ、アカゲラなどのキツツキ系、鳩、カラス、トンビを始め、その他大勢、数え切れないくらいの鳴き声があり把握できないくらいの種類がいると思われる。皆どれも美しく鳴く。
生活環境の変化による個人の変化
髪の毛のコンディションが上がる
以前東京ではバッサバサだったけど、旭川に来てすぐにしっとりとした水気を含んだ質感になった。水のせいなのか、生活リズムが改善されたこと、草刈りなどの運動によるものなのかはわからない。シャンプーもコンディショナーもメリット。
早寝早起きになる
あまり意図せずに早起きになった。5時前に起きてしまうこともあるけれど、だいたい5時半前後に目が覚める。たぶんパソコン仕事をせず、インターネットもせず、そして笹刈で体を毎日動かしているからだろう。でも相変わらず寝付きが悪いので、腰の辺りが固めの良いベッドが欲しいと思う。
体調について
2、3日前は調子が悪かったが、ここ一ヶ月間はいい感じである。笹刈りで指と右足の太ももをやってしまったくらいか。
その他
気温
6月は寒い日が多く、部屋でダウンジャケットを着る日もあった。姉から借りた石油ファンヒーターを使うこともあった。7月に入ると、寒すぎて耐えられないと感じる事はなくなった。夜は涼しくて過ごしやすい。
最近・今後の活動
- アイヌ記念館で収蔵品の目録づくり
- アイヌ講座を受講
6月の総括
家に物が揃いある程度過ごしやすくなったものの、やることが多すぎてうわーとなって、何も出来ていない状態。インターネットが繋がっていないので調べ物もできないし買い物もできない。
唯一これは出来た、これはやった、と自信を持って言えるものは笹刈りだけだった。
ご近所づきあい・生活の慣れと森暮らしについて
旭川に移住してまだまだひと月だけれど、今のところご近所付き合い、というかお隣さんとはうまくやれている、と思う。会えば笑顔で会話するし、話していても楽しい。色々なことも教えてもらえる。
しかしそもそも僕は近所付き合いを知らない。知らないというか、お互いの所有する土地と土地が触れ合う中で暮らしていく、という感覚がよくわからない。
僕はずっと団地っ子だったので、近所付き合いと言えば、隣のおばちゃんとエレベーターホールで会ったりすると「元気ー?」と声をかけられる。それで「元気っすよー」なんて答えるだけであった。「元気っすよー」って何十年も返事をし続け、ついにはおじさんになった。そんな感じである。
まあみんな、近所付き合いに関してそこまでは気にしていないのかもしれないし、団地と同じかもしれない。
お隣の方々には、ボロい家に住み、朝からひたすら笹を刈る害のない生き物、と言った感じで、リスとかキツネ的に観察して頂ければ幸いである。
森暮らし、環境の変化には慣れた
ひと月が経ち旭川で暮らすこと、森の中で暮らすことには慣れた気がする。
まずは家の中に慣れた。はじめは虫がいて汚くて恐る恐る行動していた家の中も、掃除をしたり行き来を繰り返すうち、次第に不気味さは消えて行った。シミだらけの石膏ボードの壁や天井、オレンジ色の電球、部屋の隅の蜘蛛の巣、虫の死骸もあり部屋に入るのはいつも不安だったがそれはなくなった。
気分の問題かもしれない。掃除をして状態を把握し、自分の知る範囲になったことが大きいと思う。
でもキッチンは未だにあまり好きではない。機能的に使いづらい事もあるが、隙間とかあるし、その中がどうなっているのか目で確認できない事が気持ち悪い。
吊り棚やシンク下の棚も深すぎて好きではない。見えない部分が多いのは不安だ。いつか全てを壊して、一枚板にシンク、パイプ、というシンプルな構造にしたい。いつでも目が届いて掃除が出来る様になれば不気味さは減ると思う。
トイレ、風呂前の脱衣所も好きではない。もともとが汚い上に。ボイラーや水道のパイプだらけで複雑で掃除もしづらい。キッチンと同じだけれど、こちらもシンプルな構造にしたい。
半森暮らしは楽しい
森の中で暮らすこと、森の中を歩くことにも当初よりは慣れたと思う。変わらず虫は嫌いでビクビクしているが、植物に触れること、土を掘ること、自然に触れる事には慣れた。はじめは草を刈るにも土を掘るのにも抵抗があったのだ。
森の中にも不気味な場所は減った。草刈りをすることで見える範囲や行動範囲が広がり、自分の理解しているエリアが拡大したことによって不気味さが減ってきた。これは家の中と同じことなのかも知れない。
6月が終わり旭川のちょっとした森の中で暮らしてひと月。あっという間だった。寒かったりハチだったりとまあ色々あったけれど、旭川で暮らすこと、森の中で暮らすことは楽しい。
さて、夏がやってくる。