MOZAのジンバル「AirCross2」レビュー。手ブレ補正ONによる撮影の問題
MOZAのAircross2を買いました。そのレビューをしますが、初めてのジンバルなのでレビューは全て印象になります(Aircross2のよいところに関して)。
ちなみに、Aircross2は素晴らしいジンバルだと思います。まず買って間違いないジンバルだと思うし、使っていて問題はありません。ただ、自分の持っている他の機材と合わせて使用した時に不具合がでてくる。でもこれはAircross2の問題ではなく、どちらかと言えばカメラやマイクが原因になります。
ということで、ここではマイナスなことも書いているけれど、それはAircross2の不具合ではなく、Aircross2というジンバルを使ったことで発見したその他の機材の不具合、という内容です。ジンバルを買おうとしている方に「こういうことも起こりうる」という参考にして頂ければ幸いです。
Aircross2と一緒に使用しているカメラは、ソニーのa7III。なぜこの組み合わせになったのかは下記リンク先で詳しく書いています。
AirCross2のよいところ、まとめ
まずはAircross2の良いところ。上にも書いたけれど、初めて所有したジンバルなので印象だけになります。
バッテリーがもつ
カメラはa7IIIやルミックスのG8を使っているけれど、それらに比べるとバッテリーの持ちは良いという印象。なんとなく、こう言った機器のバッテリーの減りは早いんだろうなあと思っていたけれど、実際はけっこうもつ気がする。その”もつ”印象は自分だけのもので他の製品と比較していないからわからないが、予備バッテリーが必要だとは今のところ感じない。もちろん、一日中ガッツリ撮影するなら必要だろうけど。
バッテリーの充電もしやすい。本体から取り外して充電できるし、装着した状態でもできる。充電に時間はかかっていると感じる。でもこれは他の機器とさほど変わらない印象。
バランスのセッティングは簡単
バランスを取るのに時間はかからない。一番最初にセッティングした時に「思ったよりも簡単じゃん」というのが感想で、慣れてしまった今ではセッティングにどうこう感じることはない。しかし、外部マイクをつけるとやや難しくなる。
カメラにNDフィルターを使うとバランスが崩れて調整しなおさなければならないが、ちょっとぐらいバランス悪くていいよって感じでそのまま使用している。
頑丈だと思う
一度コンクリートの地面にカメラもろとも落としたけれど壊れなかった。そのため僕の中ではAircross2の信頼があがった。
Aircross2は、モーターに強い負荷がかかると勝手にスリープ状態になってくれる。
マニュアルフォーカスが出来る
iFocus-Mを使ってマニュアルレンズのフォーカスができる。
iFocus-Mはパワーもあって、重いフォーカスリングもスムーズに動かしていた。現在はオートフォーカスのレンズなので出番はなくなってしまったけど、のちのち出番はまたやってきそうな気がする。
しかしこれを使うと色々と重くなってしまう。
a7IIIが操作できる
USBケーブルをつなぐとa7IIIがAircross2側から操作できる。
操作と言っても録画ボタンしか使わないけれど、これができるだけですごく助かる。重いジンバルを保持したままカメラの録画ボタンを押すのは面倒なのだ。
ただしUSBでAircross2とa7IIIを接続してしまうと、勝手にジンバルがカメラに給電してしまう。でもこれは個人的に困ってはいない。カメラとジンバル二つを充電するのが面倒なので、楽になったなあ、みたいな。まあ後々面倒なことはあるかもしれない。
セッティングが本体で出来る
他のジンバルはスマホで色々な設定をしなければならないこともある、と言う様な話を聞いた気がする。僕はスマホを使って、みたいなのは苦手なので、Aircross2の様に本体で全て出来るのはありがたい。
もちろんスマホを使っても設定は出来る。
a7IIIの手ブレ補正ON、で起こるブレの症状
これは全くAircross2の問題ではなくa7III側の話しで、撮影中にAircross2を使ってパンをすると動画にブレがでる。動画に引っかかった様な動きがでる。何度も何度も出るので使えたものじゃない。
原因はa7IIIの手ブレ補正だ。マニュアルに「三脚を使って撮影すると、、、手ブレ補正に誤作動が、、、」みたいな記述があって、まさにその通り誤作動を起こす。これはかなり厳しい。
他の人がどうしているのかはわからない。ジンバル使用中はカメラの手ブレ補正を切っているのかもしれない。
それでいいのだとは思うけれど、経験上、ジンバルはものすごく細かい振動をカバー出来ない気がする。なので、手ブレ補正OFFで普通に立ち止まってジンバル撮影をしている分には全く問題がないが、外で歩いて撮影をすると、着地をした時の細かい振動が映像に現れてしまう。
a7IIIの手ブレ補正をオンにすればそれはなくなる。でもパンをするとブレが入る。というジレンマ。
なのでこれに対応するためには、撮影の内容にあわせて手ブレ補正のオンオフを切り替えるしかない。普段は手ブレ補正をオフ。思いっきり歩く時は手ブレ補正をオン、の様に。それか、絶対に微振動をさせない歩き方を習得するしかない。
これはAircross2とa7IIIの相性もあるかもしれないけど、他のジンバルを試していないのでわからない。
またこの現象は、ルミックスのG8では全く起こらない。G8の手ブレ補正は、ジンバルを使用しても影響されない。
この現象は致命的だ。常にジンバルを使って撮影したい人間はどうしたら良いのだろうか。a7IIIでジンバルを使っている人はいくらでもいるだろう。Aircross2から乗り換えれば解決されるのだろうか。
とても困った問題だけれど、出来ることは、この問題に煩わされない撮影の仕方を考えるしかない、気がする。
ジンバルが重く、震える手の音をマイクが拾う
これもAircross2の問題ではない。
Aircross2にカメラはa7III。そしてその上に外部マイクを乗せている。マイクはAZDENのSMX-30。この状態で使用すると、マイクはジンバルからの音を拾ってしまう。
もしかしたらこの現象は全てのマイクで起こりうることなのかもしれないけれど、「ジンバルでマイクを使うとこんなことが起こったよ」、ということで初心者の肩の参考になったらと思う。
拾ってしまう音は手のブルブル音。ジンバルにカメラもマイクも乗っけて総重量が重いわけだから、ジンバルの角度がきつい時に手が震える。その音がジンバルを通してマイクから収録されてしまう。
すごい低い音なのだけれど、結構な音量で入る。
これに対処するためにはa7III側のゲインを下げ、SMX-30側のゲインは上げる。これで少しは緩和されるが無くなりはしない。完璧になくすにはイコライザーで低い周波数をカットすることになるが少し面倒だ。
一番の対処方法はブルブルしなければいいだけだ。
ちなみに、どんな時にブルブルしてしまうかと言うと片手になった時。Aircross2でiFocus-Mを使いフォーカス操作をする時は、左にあるホイールを使うことになる。その時片手になりブルブルとしてしまうのだ。あとはジョイスティックを操作しようと一瞬片手持ちになった時とか。
なので、ジンバルでマニュアルフォーカスをしない人には関係のない事だと思う。ジンバルを両手で持ち、無理な角度で持たず、慎重に撮影しているぶんには異音はほとんど入らないだろう。
また問題なのはモノラルでの録音。SMX-30はモノラルとステレオを切り替えられる仕組みだけれど、モノラルの時に圧倒的に異音が入る。ステレオはほとんど拾わないので問題ない。
このブルブル音はSMX-30だからなのか、マイク全般のことなのかはわからない。
アマゾンで「ジンバルからの異音が。。。」みたいなレビューがあり、そこでは「もう一個追加でショックマウントをつけたら異音はなくなる」みたいのがあったと記憶している。なのでショックマウントの性能もあるかもしれないな、とは思う。
試してはいないけれど、耐震ジェルだとか、そういった振動を吸収する素材を間に一枚かませたら状況は変わるのだろうか。
Aircross2のレビューまとめ
というような感じで、Aircross2の問題はほとんど見つからない。
ジンバルを持った時トライポッドがずれやすかったり、重かったりとか細々とした気になるところはあるけれど、どれも大したことはないし、それに他のジンバルを使ったことがないので「こんなもんだろう」という感じです。
やはりきついのはa7IIIの手ブレ補正をONにした時の動画のブレ。あれこれと色んなことを試して来たけれど、未だ解決方法が見つからない。もちろんこの症状にAircross2は全く関係ないけれど、ジンバルを変えたらなくなるのだろうか?
手ブレ補正をOFFにすれば解決するけど、歩きながらパンをして、っていう撮影をしたい時はどうすればよいのだろうか。
新しい機器を一気に買い使い始めたので色々なことが謎である。情報も少ない。
何かまた、これらの問題の対処方法が見つかれば書いてみたいと思います。