初心者のための登山とキャンプ入門

伝統的な登山メニュー?ベーコンカリカリ丼定

山の料理 ベーコンカリカリ丼定食

レシピというほどのものではないのですが、実際の登山でよく食べた定食メニューの紹介です。単品ではやはり物足りないので今回はよく合うスープを合わせてみました。なかなかボリュームがあるのでこのセットなら一食分の晩ご飯になると思います。

ベーコンカリカリ丼定食の食材

ベーコンカリカリ丼定食の食材

ベーコンカリカリ丼

ベーコン

使いきりサイズのベーコンは便利ですよね。味もよく出るし、これも登山には便利な食材です。一応パッケージには ”10℃以下で保存” と書いてありますがあくまで経験上ですが、3日くらいは常温で持ち歩いても大丈夫な気がしています。40g、70円。1パックで2人では少しさみしく、2パックで3人がちょうどよく、1パックで1人だと贅沢な感じです。

海苔

一人あたり1/4くらいでもガゼン美味しさをアップしてくれます。

黒胡椒

ベーコン臭さを消してくれ、アクセントになります。小袋に入れ替えて持っていきます。

しょうゆ

キッコーマンより5g☓10本入り。無くてもいいし、マヨネーズでも良いかも。

コンビニ温泉卵

登山のレシピに卵を入れるのは反則な気がしています。卵を入れればなんでも美味しく作れてしまうので、もはや「登山レシピでは無い」と言いたいくらいです。そんなモットーではありますが・・・このメニューには卵が良く合います。もし、入山の直前に寄ったコンビニで半熟卵や温泉卵が買えればのっけてみてください。日のあたり具合とかにも依るでしょうが、秋冬なら翌日の晩ご飯位はもつでしょうか。

とろろのすまし汁

とろろ昆布

これはぜひ登山で利用してもらいたい乾燥食材の一つです。酢で漬けて柔らかくした昆布を削ったものですが、調味料セットに一つ入れておくと便利です。おすましにしたり、白米が余った時にふりかけ的に食べたり。もちろんビタミンやミネラルも豊富で登山での体調管理に有効です。今回のものは15g、100円。とろろこんぶ山盛りのすまし汁が5杯くらい作れそうな量が入っています。

うどんスープ

粉末タイプの、和風の味付けができるスープの素で登山に便利な食材です。ヤマキ(株)より8g☓8袋入りで128円。ひとつで250mlのスープが出来ます。とろろのすまし汁なら一杯につき1/4位と薄めで良いでしょう。

乾燥わけぎ

どこのスーパーにも置いてますよね。1袋0.2g、6袋入りで88円。一人につき1袋あると豪華です。

ベーコンカリカリ丼の食材

一式で131gです。このうち卵とベーコンが85gですので、二人分なら216gとなります。荷物の重い登山や行程の3日目などにこのメニューを持って来る場合は、卵を諦めれば約50g軽くなりますね。

材料の使い回し

たまねぎ

また、悩みどころのもう一つは玉ねぎです。玉ねぎは今回のメニューにホンの少しあるととてもアクセントになっておいしいのですが、 "中サイズ" で157gもあります。これではせっかく今回のように軽量化メニューにしても意味が無くなってしまいますね。また、切って持っていくとクサイですし傷みやすいです。

そこで、登山の料理メニューを組む時の基本となるわけですが「材料の使い回し」を考えるわけです。連続した料理で、玉ねぎを使うメニューを持ってきましょう。夜ご飯にベーコンカリカリ丼を持って来るなら、朝ごはんにパン雑炊を持って来るなどです。そうすれば玉ねぎを薬味的にちょっと使えますし、生野菜少しでも入っていると食事の満足感を高めてくれますよ。

ちなみに、翌朝の玉ねぎも晩ご飯の時についでに切っておけば朝の調理がラクになりますね。

ベーコンカリカリ丼定食の作り方

1. ととろ汁をセットする

とろろ汁の材料をカップにセットする

各自のカップに、とろろ昆布ひとつまみ、うどんスープ1/4袋、わけぎ1袋を入れておきます。

2. 玉ねぎを水にさらす

たまねぎを水にさらす

今回は玉ねぎを使ったバーションで作ってみたいと思います。まずタテに切ってから、繊維を断つように薄い輪切りにします。一人あたり3カット分くらいと少なくてよいです。水にさらして辛みを取ります。ちなみに、繊維に沿って切るよりも断つ輪切りのほうが、辛みが抜けます。また、本当は水にさらさないほうが栄養がなくなりません、

3. 玉ねぎと海苔をセットしておく

ゴハンとスープをセットしておく

ゴハンにちぎった海苔と、充分に水分を取った玉ねぎを乗せてセットしておきます。

4. ベーコンをカリカリになるまで炒める

ベーコン1パックの量

ベーコンを袋の上から1cm幅くらいに切り、油ナシでフライパンで焼きます。参考までに、これは焼きあがったベーコン1パック(40g)の全部で、半分を器に、半分をフライパンに残して撮ってみました。やはり1人前には少し少なめでしょうか。

ベーコンですが、やはりザックに入れて数日持ち歩いているとさすがのベーコンでも開封時に薬っぽいニオイがすることがありませんか。しかしスプーンの丸みを使ってフライパンに押し付けながらジュージューとやっているといい匂いがしてきて 「これは絶対イケル!」 と思う瞬間が来るので不思議ですよね。怪しくなってしまったベーコンは滅菌するつもりで焼いたら良いと思います。

5. 盛りつけてできあがり

完成 ベーコンカリカリ定食

卵と黒胡椒をトッピングし、すまし汁のカップにお湯を注いだら出来上がりです。海苔の風味とベーコンの塩気、玉ねぎのシャキシャキと温泉卵と、いろんな味がして食が進みます。とろろは膨らんでボリュームが出ますし、すごく良い出汁がでます。醤油はお好みでかけて下さい。

余談 ~ 白馬岳山頂の腐ったパスタ ~

全く余談ですが、登山中に傷んでしまった食べ物を食べるべきかどうかと悩んだ経験はありますか。

私が高校山岳部の個人山行で真夏に白馬岳に登った時のことでした。その日のメニューはミートソーススパゲティで、1年生の食料長は前日に家で5人分のスパゲティを茹でて持って行きました。ずいぶんな量で茹でるのにも大変だったろうと思います。

白馬岳頂上のテント場に着いてさあ温めて食べようという時に取り出すと、パスタとパスタをつなぐねばーっとした糸ができていて納豆のニオイがしました。「これはヤバイ、確実に腐っている!」ということはわかったものの代わりの食料もなく、捨てる場所もあるはずもなく、とりあえず水で洗って炒めてみました。すると次第に「これはイケルのでは?」という雰囲気になり、勇気ある一人が食べ始め、普通にみんなで食べることが出来ました。

今思うと、水の豊富な白馬岳の山頂で、なぜ予め茹でて重くなったパスタを持って行ったのかはナゾです。しかも真夏に。なぜ誰も疑問に思わなかったのか、先輩は止めなかったのか。全ては高校生だったから出来たわざですし若いからこそ食べられたのかもしれません。
それにしても登山の料理はさまざまなことを教えてくれますし、登山の思い出づくりに大きな役目をかっていると思いませんか。