山の保存食「ペミカン」きのこシチュー
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ペミカンとは炒めたお肉や野菜を油で密封して固めるという山の保存食で、主に冬山に持っていったりします。調理の手間と燃料の節約、食材の保存の意味があります。冬なら1週間位山の中で持ち歩いたりします。ペミカンを知っている人の印象は 「油ギトギトでマズイのをガマンして食べる」 という人もいるようですが、今回は食べた人からは毎回おいしいと言ってもらえた作り方を紹介します。夏山でも何回か作りましたが3日目くらいでも美味しく食べられました。
ペミカンに使用する食材
今回使う材料です。3人分のペミカンシチューを作りたいと思います。
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バター 100g(半箱)
私はバターでペミカンを作ります。ラード(豚油)でも出来ますが、すごく大量に使うので(好みの問題で)ちょっと避けたい感じです。ペミカンのレシピによってはものすごくバターの量に差がありますが、なるべく少なく使えるかどうかがマズイかどうかの瀬戸際な気がします。ただ、食材がちゃんとバターにくるまっていないと保存がうまくいきません。
2. しめじ 1パック
バターを使ったペミカンの場合、具との相性が大切です。しめじはバターともシチューとも相性バッチリですし、かなり炒めても歯ごたえが残るのが良い所です。きのこはつぶれると傷みやすいためなかなか山には持っていけない食材なので、喜ばれます。
3. 玉ねぎ 小1個
バターとシチューとの相性で、これもバッチリです。
4. 鶏肉 150g位
相性はこれもバッチリです。バターが脂っこいので今回はササミにしました。(上の写真ではササミは4本写っていますが3本使用しました)
他に、肉を豚肉にして豚汁に使ったりカレーに使ったりといろいろ用途はある、というのが定説ですがコワイので試したことはありません。バター味の豚汁は想像してもマズイ気がします。山では失敗しても食べないといけないというのが地獄ですよね。
ペミカンは事前に家で作る手間もあるし、ゴミと山での燃料の節約が出来ますが軽くはならないですよね。だったらフリーズドライの方がいいじゃん、というのが最近の流れだと思います。
そのなかでこのレシピなら、フリーズドライには無いそこそこのお肉と野菜の食感もあり食材も安く失敗が少ないかなぁと思っています。エネルギーもかなり摂取できますのでカロリー対策としても使えます。
ペミカンの作り方
1. 材料を切る
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1cm角くらいのサイズに切ります。これは、火が通りやすく水分を出しやすくする狙いと、バターでくるむ時に角ばっていないほうが良いからです。
2. 弱火でじっくり炒める
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今回はバターを100g(1箱の半分)を使いますが、そのうちの1/5くらいをフライパンに入れ、野菜を弱火でじっくり焦げないように炒めます。水分を飛ばすようにじっくり炒めます。カサが減ってきたら鶏肉も加え、炒めます。全部で20分くらいでしょうか。
3. バターを追加し、溶かす
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残りのバターを追加し、フライパンの底に押しつけて溶かし、材料と和えます。この時に具とバターの分量を見ます。写真の様に袋に入れた時に材料の隙間を埋められるくらいのバターがあればOKです。足りなければ追加して溶かします。
これは普段の料理と比べると多すぎる量のバターですが、登山の料理、特に冬山ではエネルギー源として大活躍です。かといって油っこくて食べれないというほどでもなく、普通においしいクリームシチューが出来ます。
4. 袋を用意する
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小さなビニール袋を二重にしてこの中に材料を入れていきます。フライパンから移しやすように細長い入れ物にかぶせておくなど、セットしておきます。
5. ビニールに入れ、空気を抜いてしばる
ここが最も重要なポイントです。やけどしない程度に冷ましたら、熱いうちにしばります。
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まず、お玉などで移します。
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フライパンのバターも全部移します。
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袋の形を整え、空気が入らないように固結びでしばります。かつてこの段階で持ち上げた時、袋の底が開いてしまい中身が流れた事があります。やすい袋だったのか、熱すぎたのか、熱い上に量が多かったからなのかわかりませんが、とにかくデリケートに扱ってください。
写真のあたりを持ち、全体を圧迫して空気を出し、バターがちょこっと出てしまうくらい空気を出して縛ります。
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ちなみに、使用したビニール袋はこれです。これを二重にして使いました。袋が小さいほうがバターを少なくうまく空気を抜くのに適しているかなと思ってこうしています。また、ボール状の方が溶けにくいですよね。
ペミカン使いに慣れている人は、タッパーに入れて行って味を変えていろんな料理に使う、というやり方をするようです。ただ角ばった入れもの全体を浸すには倍以上のバターが必要になります。
6. 冷めたら冷凍する
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出来上がりです。378gのペミカンが出来ました。冷めたら冷凍します。真冬なら冷蔵庫で良いでしょう。
山へは、さらにビニールにくるんで持って行ってください。穴があくと最悪なので、心配ならキッチンペーパーでクッション代わりに包んでからビニールに入れると良いです(ペーパーは食後の食器を拭くのに使えます)。さらに保冷のために予備タオルなどでくるむと良いですね。
ペミカンを使ったシチューの作り方
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今回はこの粉末タイプのルーを使用してみます。6皿分で121gです。粉末だと溶けやすく、軽く、味の調整がしやすいのが良い点ですね。

コッヘルにお湯を出来上がりイメージの半量くらい沸かし、ペミカンを入れます。袋を解こうとすると手がベトベトになるのでナイフで切ってポトンと入れましょう。
真冬だとペミカンもカチカチになってなかなか溶けない事があります。もし余裕があれば休憩時間にちょっとチェックしてみましょう。食べる日の昼を過ぎてもカチカチの場合は、保冷のためにくるんでいたタオルを外し、陽の当たる雨蓋に入れたり、ビニールに入れてザックからぶら下げて陽が当たるようにして持ち運ぶと柔らかくなり調理しやすくなります。
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ペミカンが溶けたら、シチューの素を入れていきます。バターにすでに塩が入っているので味を見ながらルーと水を加え、調整します。ルーはちょうど半分使用しました。ちなみにこのルーではブイヨン味が強い感じのクリームシチューになります。別で紹介しているスキムミルクをいれると牛乳風味が加わりマイルドな味になります。
具材には予め火が入っているので、温まったら出来上がりです。
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普通に家の晩ご飯で食べられるくらい美味しく出来ました。特にしめじの歯ごたえがシチューによく合います。
一人分はこれくらいです。もっと量が欲しければ水を足してスープっぽくしても良いですし、私の友人は余った粉末ルーにお湯を溶いてカップスープ風に常食していました。