山でも簡単に作れる・トッピングだけの速攻カレー
山で作るカレーは炒めたり煮込んだりが外界のように充分に出来ないせいか、時間をかける割にはおいしく出来ないのが常だと思います。そこで重い野菜や調味料・切ったり炒めたりする手間なんかを全部やめて好きなモノをトッピングするだけのカレーはどうでしょうか。実際やってみると普通においしいですよ。
簡単速攻カレーの食材
カレールウ
今回は4人分作ります。箱に書いてある「○皿分」はだいたい多く書いてあるので、今回は5皿分を買ってみました。また味付けはルーのみなのでちょっと高級目のものを選びました。エスビーより97g、228円。
ウィンナー
今回は簡単・速攻がコンセプトなので簡単に温まる物、切らなくてもいいものを選びました。82g、198円。カレールウの味が濃いと思いますので味付けの濃くない、お好きなものを日持ち応じて選んで下さい。登山の後のほうで作るなら、魚肉ソーセージみたいな格好で売っている豚肉のソーセージや、人数がいればスパムなども良いかと思います。
フライドオニオン
玉ねぎを油で揚げたもので、今回は玉ねぎがない分の甘みとサクサクとした食感をプラスしてくれます。30gで250円くらい。
ベビーチーズ
今回は具的な存在なのでこのチーズにしました。チーズは、カロリーも栄養も登山の食事にとても有効です。60gで4個入り、98円。
4人分で292g、774円(一人195円)。調味料や準備の手間がないという点でなかなか便利な登山料理です。4人分のメイン・ディッシュとしても画期的な軽さです。真夏以外ならウィンナーやチーズのもちをあまり気にしないで良いと思いますので(日が当たらないようにしたりテントの中に材料を置かないなどの工夫をすれば)、登山の4,5日目とかのメニューに持って来ることも出来ると思います。
簡単速攻カレーの作り方
1. チーズを切る
チーズをサイコロ状に切っておきます。
2. クッカーにルウと水とフライドオニオン2/3を入れて火にかける
水はルウの箱に書いてある分量の3/4程度にします。規定どおりに入れてしまうと水っぽくなることが多いです。フライドオニオンはトッピング用に少し残しておきます。かき混ぜながら弱火にかけ、とろみがついてきたら味を見つつ水で濃さを調節し完成させます。
3. ウィンナーを温める
ウィンナーを軽く温めます。ルウと一緒に入れても構いませんがちょっと焦がしたほうがおいしい気がします。
4. トッピングをして出来上がり
こちらは、用意した食材の1/4(一人前)をトッピングしたものです。もし荷物に余裕があれば、付け合せには別の章で紹介しているにんじんサラダがオススメです。
カレーの後はコンソメスープでおそうじ
カレーの後ってクッカーを拭くのが大変です。ルウなどはヌルヌルしてなかなかキレイにならないんですよね。かと言って登山のテント場では洗うわけには行きません。
そこで今回オススメしたいのが、カレーの後のコンソメスープです。これは前章で書いた”カレー紅茶”に代わるものとして大学山岳部をしていた先輩が教えてくれたもので、ホントに、カレーのルウが溶けたコンソメスープって全然まずくないんですよ。これを知っていると登山の大先輩にも「お!知ってるね!!」と言われることまちがいなしです。
味の素の固形コンソメスープの素の場合、1個(5.3g)で水300mlのスープが出来ます。今回はルウの味が加わるので1個につき400mlを作りたいと思います。あんまり量を飲みたくない場合は1個で500mlにして4人で分けても良いです。
まず共同のクッカー(一番大きいクッカー)に水とコンソメを入れ、スプーンで水をすくってカレーを落としつつ火にかけます。ガンガン火にかけて壁についたカレーが乾いたり焦げたりしてしまうと落としづらくなるので要注意です。
初めは水に油が浮いてなんかイヤな感じですが、次第にいい香りになってきます。
共同のクッカーがキレイになってスープが沸いたら、各自の食器へ注いであげます。各自はそれで自分の食器を同じくスプーンで洗い、汚れた食器がもう一枚あれば次にそこへ注いで同じように洗った後に飲み干します。スープが温かいうちにやるのがポイントです。また、フライドオニオンが余っていたら、これに入れるとおいしいオニオンスープができます。
上がスープで洗う前で、下が洗った後です。クッカーが焦げていてわかりづらいかもしれませんが、ちょこっとスープをかけてスプーンでこするだけでこんなにキレイになります。スープの温かさもあって食器はほとんど乾いています。ここまで来ると、一人ティッシュ1枚で仕上げ拭きができます。
また、実はこの作業はとても楽しいのでぜひみなさんにも試していただきたいと思います。
最近では強力な泡であっという間にキレイになる洗剤や消毒も優れており清潔さがとても重視されていると思います。ばい菌やなんだかんだと言われると目に見えないので、いったいなにがOKでなにがNGなのか、その判断基準がわからなくなります。そのなかで、登山の食事での「食器を拭くだけで洗わない」とかこのスープのように「洗いつつ飲む」とか、そういった経験は非常に重要な経験ではないかと思います。エコを学ぶという点でもそうですし、「きれいにして、またつかう」という簡単な原点に立ち返らせてくれるということがあると思います。その上で、自分の中でなにがOKでなにがNGかを培ってくれるというか、そんな気がしています。