乾燥野菜だけできんぴらごぼう丼定食
きんぴらごぼうとか焼き鳥のあの甘辛醤油の味、登山中に食べたくなったことないですか?あの味付けは食が進みますよね。今回はこの味付けをきんぴらごぼうで実現したいと思います。一品ではさみしいのでこちらも同じく乾燥野菜にお湯を注ぐだけで作るスープをセットにして紹介します。山行何日目でも作れる食物繊維たっぷりの健康晩ご飯です。
きんぴらごぼう定食の食材
きんぴらごぼう丼
乾燥ごぼう 50g
コープで購入しましたが、近所のスーパーになければネットでも買えるようです。吉良食品より40g263円で発売されています。今回使ったのは50g入りですが、これだと山盛り2人分のきんぴらごぼうが出来ます。ごぼうに勝る歯ごたえのものは無いので、食べた後の満腹感というか「いっぱい食べた感」を得るにも最適です。
乾燥にんじん 10g
アスザックフーズより、100gで450円で発売されています。ありますが細かいので彩り的な役割かなぁと思います。
赤唐辛子 1本
たれ(しょうゆ大2、みりん大1、砂糖小1)
油 大1
春雨スープ
- 春雨 15g程度
- 乾燥わかめ 少々
- 乾燥わけぎ 2袋
- 粉末うどんスープ 2袋
家にあった乾燥食材でお湯を注ぐだけのスープを作ります。一番のウリは材料費が安いということ。それからかさばらないので登山中何回も飲む場合やたくさん人数が居る場合に便利です。フリーズドライスープだとバリエーションもありよりおいしいのですが、かさばるし何より一杯100~180円などと、けっこう高いのです。行動中にランチのメインとして飲む場合なのはフリーズドライスープのほうが手軽だしごほうび的においしいスープを飲むのも良いと思うのですが、晩ご飯の付け合せに「有ったらいいかなぁ」という時はこういった安い食材でスープを作るなど、緩急つけてメニューに組み込んだらよいかと思います。
たれを事前に調合して、以前チャプチェで使ったプロビオヨーグルトのボトルに入れていきたいと思います。乾燥ニンジン10gは軽くラップして、乾燥わかめやその他のものも全部春雨のジッパー付き袋に同梱します。2人分で194gと軽いです。値段は2人分で390円(うちごぼうが270円)です。
きんぴらごぼう定食の作り方
1. スープを器にセットする
スープの材料を、各自が飲む器にセットします。(今回はまるっこくなっている春雨を使いましたが、長い春雨の場合はスープ用のお湯を沸かすときに一緒に茹でます。これはきんぴらごぼう丼が出来たあとにやります。)スープは、一人1/2~3/4袋くらいで良いかと思います。
乾燥ごぼうと乾燥にんじんを戻す
炒めるのに使わないコッヘルに、お湯を入れて5分戻します。
3. 油で炒める
具をこぼさないようにお湯を切り、フライパンに油を入れて炒めます。油をよくなじませてください。写真のようにごぼうは乾燥野菜とは思えないほどシャッキリしています。焼けると、いい匂いがしてきます。
4. 味をつける
ごぼうの硬さをチェックします。OKになったらタレと赤唐辛子を入れて味を絡めます。
5. スープにお湯を注いだらできあがり
器に入れたご飯の上にきんぴらごぼうを盛り、スープの器にお湯を注いだら出来上がりです。
きんぴらごぼうは、普通に生のごぼうから作ったのと同じくらいの歯ごたえでおいしいです。もっと比べるなら、コンビニ弁当やほかべんに入っているきんぴらよりも歯ごたえがあっておいしいです。味が濃いのでお米がガンガン食べられて、和風スープがちょうどいい感じでボリュームも出してくれます。ただ「お肉感」が無いので、ベーコンを入れても良いかもです。きんぴらごぼうの出来上がり量は200gちょっとで、写真は一人前の100gちょっとです。女子が食べて「おなかいっぱい!」という感じです。
今回の検討「万能タレ」
登山中にもしもう1回醤油味の煮物などのメニューがあったとした場合、そのためにもう一本ボトルを用意してタレを合わせていくのが良いのでしょうか?それとも、しょうゆ・酒・みりんなどの調味料をそのまま持って行って、現地で合わせるのが良いのでしょうか?大人数が居る長い登山の場合はそれも良いと思いますが、荷物も手間も増えるしそこまですることもないかなーと多くの人はどっちにするとも決めがたい微妙なところこにいて悩むと思います。
日本人が好きな万能タレ
定番調味料を使った、日本人が大好きな味の黄金比があるのを御存知ですか?それはこれです。
しょうゆ・みりん・酒 が 1:1:1 です。
なので、これを1本ボトルで持って行き、基本の調味料として使いまわします。煮物とかお肉を焼いた時のタレなどなんでも使えます。今回の場合もっと甘みが欲しかったら、飲み物用に常備している(と思われる)砂糖を加えます。もっと出汁の味がするツユが良い場合は粉末うどんスープがありますのでこれを用いたり、うどんスープで延ばしたりして使うことも出来ます。
余談 ~涸沢で作ったそばつゆ~
今考えても 「どうしてそうしたんだろう」 と思うメニューの一つに、涸沢のテント場で食べたざるそばがあります。
あれは私が高校山岳部の1年生の時、2年生の先輩が食料長を担っていました。行程はたしか5泊6日くらいで涸沢をベースキャンプに奥穂高岳なんかをピストンしました。涸沢テント場に着いたその日の昼ごはんに、先輩は1Lのボトルのしょうゆやらみりんやら大量のかつお節やらをザックから取り出して出汁を取り、ツユから作り始めました。私はといえば貧血で荷物をすべて先輩に持ってもらい、なんとか空荷で涸沢に辿り着いたという感じで、他の先輩たちも荷物が重くってヒイヒイ言いながら苦行という感じの暗い雰囲気での到着でした。
「高校2年生の男子がざるそばのつけツユを作れる」 というのもすごいですが、総勢10数名分のそばを担当するっていうのもすごい勇気だと思います。あの先輩は、自分が作れるようになったそばつゆを単純に作ってみようと思ったのでしょうか。若いってすごいですね。涸沢は標高2350m。きっとそばもおいしくは茹でられなかっただろうと思いますし、濃いツユは一滴も捨てること無く飲むハメになったと思います。味は正直全然覚えていません。ただ 「先輩がこんなところでざるそばをツユから作った」、という強烈な印象だけが残り、そばを食べるたびに思い出します。