ブライワックスとオイルステインの色見本とシェラック(シーラー)のレビュー
アンティークやビンテージ塗装に欠かせない、オイルステインとブライワックスの色見本、オイルステインとブライワックス両方を塗った見本を作りました。またそれらの塗料やワックスの塗り方のコツやポイント、ワックスの下地材として最適なシェラック(シーラー)の効果のことも書いています。
オイルステインの色見本
カンペハピオのオイルステインには10色ありますが、その中で所有している4種類、「チーク」「新ウォルナット」「ライトオーク」「マホガニー」の色見本です。
使用したブライワックスはミディアムブラウンとジャコビアン各1回ずつになります。ミディアムブラウンの2度塗りでも結果は変わらない様な気がしますが、ミディアムブラウンを塗ったらワックスのノリが悪かったので、個人的にワックスのノリが良いと思っているジャコビアンをその上から塗ることにしました。
こちらの写真は塗装前の木材です。木は檜で削りたてはほのかな黄色をしています。場所によっては赤みが強かったりもします。SPFも同じような色をしているので塗装後はだいたい同じような色の付き方をします。
この檜をサンドペーパー180番くらいで簡単に整え、その上にオイルステイン、ミディアムブラウン、そしてジャコビアンという順番で塗っています。
オイルステイン「チーク」
普通、オイルステインを塗ったあとはブライワックスの効きはかなり良くなる。オイルステインの塗装方法を紹介したページにある通り、オイルステインとブライワックスを一度ずつ塗ればかなりピカピカに仕上がる。原理は良くわからないけれど、たぶんオイルステインがシーラーの役割をしているのではないかと考えている。
なので普通、何も塗らない木材にブライワックスを直接塗っても微妙な感じになることが多く、少なくとも2度塗りをしなければならない。
今回ブライワックスのノリが悪かった理由は、たぶん僕がかなりうっすらとしかオイルステインを塗らなかったのが原因だろう。
また同じ様に、オイルステインをペイント薄め液で薄めて塗っても、ブライワックスの効きが悪くなることはテストをしてわかっている。しかも今回は、塗装後にサンドペーパーで削って色を薄くしたのでワックスが効かなくて当然かもしれない。
そういう訳で今回ブライワックスを2度塗りした。ピカピカと光って素敵にはなったけれど、サンドペーパーをかけすぎたところがムラになって、そのせいかワックスのノリにもムラがある。特に気にはならないレベルだけれど、全体に光沢をだしてバッチリと仕上げたいなら下の方で紹介しているシェラックを利用するのがいい。
前置きが長くなってしまったけれど、オイルステインのチークは僕が持っている4色の中で1番無理のない色で使いやすい。実際のチークの色にかなり近いと思うけれど、赤みが強いので塗りすぎるとちゃぶ台の様な古臭い色になってしまう。アンティークでナチュラル的な雰囲気ではなく昭和的な懐かしい感じになる。濃さの調節が大事。
オイルステイン「新ウォルナット」
新ウォルナットは、チークに比べると赤みが少なく濃い色、という印象。こちらも塗りすぎると真っ黒になるのでササッと塗り、サンドペーパーで若干色を薄くしたと思う。濃すぎて使いづらい色だなと思っていたけれど、こうやって濃さを調節することで良い感じの色を作れることがわかった。
オイルステイン「ライトオーク」
ライトオークは驚くほど黄色で、買って失敗したと思ったオイルステイン。こんな不自然な色の木がこの世にあるのだろうかというほど黄色が強い。ライトオークをストレートで使うのはかなり厳しいが、ブライワックスで赤みを足すことでそこそこ使えそうな色にはなる。
オイルステイン「マホガニー」
ワトコオイルもそうだけれどマホガニーの赤はきつくて使いづらい。上のライトオークよりはまだ使い道はありそうだけれど、マホガニーのみで使うには赤が強すぎるかも知れない。ブライワックスを塗って色を落ち着かせたり、他の色を混ぜたりして使うのが良いと思う。
ブライワックスの光沢具合
テカリ具合は写真の様な感じです。サンドペーパーをざっくりとしたかけていないのでなめらかさはそこまでありませんが、ワックスらしくナチュラルな光沢がでていい感じです。
ブライワックスの色見本
こちらはオイルステインを使わずに、ブライワックスのみの色見本になります。上と同じ様に180番のサンドベーパーでざっと表面を整え、そしてブライワックスを二度塗りしました。所有しているブライワックス3種類を使いました。
ミディアムブラウン / Medium Brown
本当にブライワックスを塗ったのだろうか、と思えるほどワックス感の無い仕上がり。2度塗りしても光沢もなくほんのりと色づいただけ。下で紹介している他の2色とは仕上がりが全く違う。
原因は良くわからないけれど、上の方で書いた様にミディアムブラウンはワックスのノリが良くないのだろうか。それとも僕の所有するワックスのせいだろうか。オイルステインと合わせれば光沢はでるけれど、ミディアムブラウンを単体で使用することはできないだろう。
チューダーオーク / Tudor Oak
写真は赤っぽいけれどもうちょっと落ち着いたとても自然な良い色。オイルステインを下に入れていないのでワックスの光沢は若干少ないけどそれでもいい感じ。
それにブライワックスの方がオイルステインよりも自然に色が着く。本気でこすると落ちるけれど(全部落ちるわけではありません)。
ジャコビアン / Jacobean
写真では明るい感じだけれど実際はもうちょっとくすんだ渋い色。チューダーオークと同じように自然に色がついて素敵だけれど、やっぱり光沢は多少少ない。けれどピカピカしていないくらいがアンティーク的には良いのかも知れない。
ジャコビアンは他の2つと違い、ワックス自体が硬い印象。なので木材に塗るとベタッとへばり付く感じになる。それを一生懸命タワシで落とした後がこの状態で、爪でこすればさらに落ちる。
ブライワックスはオイルステインと違い木材に染みこむのではなく乗っかるイメージ(色も少しつきます)。なので使い続ければ自然に色は落ちていくだろうし、逆に言えばそれが良いところかも知れない。塗り重ねることで味わいが深くなるだろうし、普段触れないものならワックスをたっぷり残し古さを出すこともできる。色落ちはしやすいけれど調整が効くので、作り混んでアンティーク感を出したい人にブライワックスは最適だと思う。
シェラックの紹介と効果
ワックスが効く効かないで悩んでいる時に購入したシェラック(シーラー)。安くはないので非常に迷ったけれど、シェラックがどんな効果を生み出すのか知りたかったので買ってしまった。シェラックについて書かれていたことをまとめると、
- シーラーは、塗料が木材に吸収されるのを防ぐと同時に木の染みが塗料に混入するのを防ぐ。
- ワックス仕上げの場合は、できるだけシーラー(シェラック)で下処理したほうがよい。
- ワックス仕上げをする前の理想的な下塗り剤。
という感じ。でもこれは本当に、木材の表面を家具レベルにピカピカにしたい場合で、軽いDIYや簡単に物を塗っているだけなら出番は少ないかも知れない。ほぼ無塗装の木材に光沢感を出したい場合とか、ワックスの効きが悪い時とか、そんな時には有効に使えると思う。
シェラックの後にジャコビアン2度塗り
シェラックを塗るか塗らないかで仕上がりの印象ははかなり違う。写真ではうまく撮れなかったけれどむらなくワックスが効いてるし、光沢は比べ物にならない。商品レベルまで仕上がりが近づく様に思う。
けれどシェラックを塗った後だとブライワックスの色はほとんどつかないので、シェラックを塗ったあとにジャコビアンカラーにするのは無理がある。シェラックを塗る前に木材に色をつけておかなければならない。
シェラックのあとにミディアムブラウン2度塗り
こちらも全然うまく撮れなかったけれど、下の写真の木材と同じくらい表面には光沢がある。シェラックを塗ると多少黄色い色が木材につき、また木の表面の凹んだところにブライワックスが残りこんな感じの色になった。淡い塗装で光沢を出したい時はシェラックが必須だと思う。
オイルステイン+ブライワックス+シェラック+ブライワックス
このページの上の方に出てきた、オイルステインの「新ウォルナット」にブライワックスを塗った木材だけれど、光沢感が少なかったのでそこにさらにシェラックを塗りワックスを塗ってみた。さきほどのまでの状態で充分いい感じだったけれど、シェラックを塗ることで売り物レベルの輝きがでた。
手間はかなりかかるけれど、1.オイルステインで色を付ける、2.ブライワックスを塗り色に深みを出す、3.シェラックを塗る、4.ブライワックスで光沢を出す、というパターンもありだなと思った。