DIYの塗料におすすめ「バターミルクペイント」のいろいろな塗り方
バターミルクペイントを紹介する日記をいくつか書いてきましたが、そのまとめ的にバターミルクペイントを使ったいろいろな塗り方について書いてみたいと思います。
僕は「スクラップメイドのインテリア 」という本でバターミルクペイントの存在を知り、それ以来バターミルクペイントにハマっています。下記に紹介する塗り方以外の数々のテクニックが書いてあるので、シャビー、アンティーク加工、ビンテージ塗装などに興味のある方には本当におすすめです。
バターミルクペイントの色見本・サンプル
水性なので水で洗え、屋外でも使える
現在所有しているバターミルクペイントです。最近ではホームセンターにも売られておりDIYの塗料として人気が高いです。魅力はなんと言ってもそのかわいい色です。もともとの色がどれも素敵なので、混ぜて色を作る必要がありません。
それに水性で扱いやすいのも人気の理由です。使用したあとの刷毛も水で簡単に洗い落とせますし、それでいて屋外の木製品にも使用できます。
上の写真のバターミルクペイントは、一番多いサイズのものが200mlで、細長いものが150ml、小さいものが12mlです。その下の形が違う容器のものはバターミルクペイントではなく「プロバンス」というカラーのシリーズで、同じくオールドヴィレッジ社からでているものです。
バターミルクペイントの色見本とサンプル
現在バターミルクペイントは23色あるようですが、ほんとにどれも素敵ないろばかりで、選ぶ時に悩むこともあるかも知れません。ということで色見本を作りました。バターミルクペイントの色選びに迷った時はぜひ下のリンク先のページを参考にしてみてください。
それと、バターミルクペイントのサンプルを売っているお店もあるし、少量での販売もしています。気に入った色があればまずは少量で試してみるのもおすすめです。上で紹介している色見本は少量タイプやカラーサンプルを使いました。
バターミルクペイントの基本的な塗り方
一度塗り
ひのきの端材に「オハイオ カップボード ブルー」を塗りました。
刷毛は水性のものを使います。今回は木材ですが、プラスチックや金属など塗料が乗りにくいものに塗ると下地が透けることが多いので、その場合は二度塗りをします。
バターミルクペイントの乾燥はかなり早いですが、木材以外の水分を吸わない素材に塗ると乾きは遅いと思います。早く次の行程に移りたい場合は
ドライヤーを使って乾かしても大丈夫です。
※上の写真では上下2つの木材に色を塗っていますが、両方とも1度塗りです。下の写真に塗りむらがありますが、僕の塗り方が悪いのだと思います。塗料が乾き始めてるのにも関わらず表面を筆でいじくってるとムラがでます。
2度塗り
地が透けてしまっている時や薄く塗りすぎて仕上がりが気に入らなければ2度塗りをします。
上が1度塗りしたもので、下が2度塗りしたものです。1度塗りでしっかりと色が乗っているので2度塗りとの違いはほとんどありませんでした。
こちらは、ホームセンターで売っているブリキの缶に、バターミルクペイントの「チャイルドロッカー ブライトレッド」を2度塗りしたものです。1度塗りだと地のブリキの銀色が見えてしまいますが、2度塗りをすればしっかりと色が乗っかります。
ページの下の方ではバターミルクペイントの塗り方のアレンジしたものを紹介していますが、ただ塗るだけでもマットでかわいい手作り感のある仕上がりになります。
また今回、バターミルクペイントを塗る前に、下塗り材として「金属プライマー」を吹きかけています。こちらも「スクラップメイドのインテリア」で紹介されていたもので、これを吹きかけると塗料が密着しやすくなります。
表面を紙やすりで滑らかにする
バターミルクペイントを塗った表面はザラザラとしていますが、手触りを良くしたい場合や仕上がりを柔らかい雰囲気にしたい場合、紙やすりで表面を整えるのがおすすめです。
写真はバターミルクペイントを塗っただけのもの(上)と、表面をサンドペーパー(紙やすり)で磨いたもの(下)を並べています。紙やすりは細かめの、400番を使っています。
バターミルクペイントで塗った表面を紙やすりで磨くと、仕上がりの雰囲がグッと変わります。柔らかい光沢もでて色がマイルドになり、そして手触りもすべすべになります。優しくて柔らかい雰囲気の仕上がりになります。
なお紙やすりで磨いた方を見てもらうとわかるのですが、表面の凸凹が目立っています。これはもともと木の表面に凸凹があるからで、塗装前に木材の表面を紙やすりでしっかりと平にしておけば平な美しい表面ができあがります。もしくは、漆を塗るみたいにバターミルクペイントを塗って磨いてを繰り返すことで美しい表面が出来上がります。
ブライワックスでツヤを出す
表面に光沢が欲しければワックスを使います。僕は、「スクラップメイドのインテリア」で紹介されていた「ブライワックス」を使っています。
ブライワックスにも何色かありますが、下の写真ではブライワックスの「ミディアムブラウン」を使用しています。ミディアムブラウンは薄く茶色が入ったワックスなのですが、その茶色がバターミルクペイントに乗り、時間の経った、少し落ち着いたオハイオカップボードブルーになります。
ワックスを塗ることで色が落ち着き、塗りたて感がなくなるので部屋にも馴染みやすくなります。写真では光沢感を強調していますが、ワックスの光沢は柔らかくて自然なので色んな物にも使いやすいです。
下のリンク先でブライワックスの詳しい塗り方を紹介しています。
チャイルドロッカーレッドを紙やすりで磨き、その後ブライワックスを塗ったものです。ハケの跡とワックスの光沢でアメリカンな仕上がりになりました。
紙やすりで磨いただけの、柔らかくてフワフワした感じの仕上がりも素敵ですが、ワックスが入ると親近感が出てきます。
バターミルクペイント(オハイオカップボードブルー) → 紙やすり → ブライワックスと同じ行程を踏んで塗装したレターケースです。もともとは黒くてプラスチック感のひどい安物でしたが、塗装して一手間加えることでグンとよくなりました。
ワックスの光沢が金属っぽい雰囲気を出しているので安っぽく見えません。それにブライワックスのおかげで色も落ち着いたので、完成してすぐ部屋に馴染みました。
こちらも同じ手順で塗装をした、点鼻薬「AGノーズ」の容器です。
普通、刷毛でバターミルクペイントを塗るとどうしても刷毛の跡が残ってしまいますが、それを紙やすりで整え、また塗り、紙やすりで整えという行程を、刷毛の跡がなくなるまで繰り返して表面を平らにしました。
そして最後にブライワックスでツヤを出しました。
手間はかかりますが、ここまでやれば売り物のクオリティになります。
色はYELLOWISH WHITEです。
ひび割れをつくる
塗装のディテールにこだわりたい人、アンティーク感やシャビー感を出したい人には「オールクラックアップ」がおすすめです。長い期間風雨にさらされた、ベンチのペンキのひび割れの様な表情を作ることができます。
オールクラックアップの塗り方
バターミルクペイントを塗った板の上にオールクラックアップを塗ります。バターミルクペイントと同じくオールクラックアップも水性塗料なので、使用した刷毛は水で洗い落とすことができるので簡単です。
オールクラックアップの塗り方にはいくつかポイントがあります。
- 水分を吸収しやすい木材などの場合はひび割れが小さい
- 水分を吸収しない下地の場合はひび割れが大きい
- 厚く塗るとひび割れが大きい
- 薄く塗るとひびが細かくなる
- 上から塗る塗料は、オールクラックアップを塗った方向と反対方向に塗る。(タテ方向にオールクラックアップを塗った場合、その上に塗るバターミルクペイントは横方向に塗る)
- 二度塗りは避ける
下地や使用する量によってひび割れ具合が変わってきますので、イメージ通りのひび割れを作るには少し慣れが必要です。
オールクラックアップが乾いたら上からバターミルクペイントを塗ります。するとこんな感じでひび割れが出来上がります。ここからさらに上の塗料を剥がしたりしてリアル感を出します。
しかしこれだとヒビが大きすぎて不自然に感じるかもしれません。そんな時はもう一度バターミルクペイントを上から塗ります。するとひび割れは小さくなります。
オールクラックアップの詳しい使い方は、下記のリンク先でも書いています。
この計量カップも同じような手順で、バターミルクペイント CORNER CUPBOARD YELLOWISH WHITE オールクラックアップを使いひび割れを作りました。
その後ブライワックスを塗ったりニスを塗ったり、またそれを削ったり色々と試しているうちに小汚くなりましたが、それはそれでいい雰囲気に仕上がりました。
石灰(漆喰)で鉄の腐食感を出す
鉄の腐食を再現するための材料です。左から木工用水性ボンド、塗装するもの、バターミルクペイントの「チャイルド ロッカー ダーク レッド」と「コーナー カップボード イエロー ホワイト」、石灰(漆喰)。
「スクラップメイドのインテリア」には石灰を使うと書いありましたが、僕は持っている漆喰を使用しています。またボンドは必要ではありませんが、混ぜると塗料がくっつきやすくなるような気がするので使っています。
水と漆喰とチャイルドロッカーダークレッドとボンドを混ぜあわせます。「スクラップメイドのインテリア」には分量が書いていますが、僕は面倒なので適当に混ぜあわせてます。
ツブツブが足りないと感じたら漆喰を足したりしてなんとなくやっています。石灰が多すぎると腐食感が激しくなるので注意が必要です。
混ぜあわせた塗料を容器に塗ります。
乾いたらその上からコーナーカップボードイエローホワイトを塗ります。
乾燥したら紙やすりで表面を削り下のサビを表にだします。また全体を軽く磨き、ブライワックスでツヤも出します。それだけでも充分な仕上がりでしたが、ここでは「アンティークリキッド」も使いさらに「サビ感」を強調してみました。
アンティークリキッドはなかなか使いづらい塗料ではありますが、使うだけでアンティーク感を強烈に出すことができます。
なお下記のリンク先でアンティークリキッドや、石灰(漆喰)を使用した腐食感を出す塗装の方法を詳しく紹介しています。
寒冷紗でキャンバス生地風に仕上げる
寒冷紗とは網戸みたいな薄いメッシュ生地で、部屋の漆喰に壁を塗る際の下地として購入しました。それを木工用ボンドを使ってダンボールにペタペタと貼ります。
ボンドが乾いたらその上からバターミルクペイントの「コーナーカップボード イエロイッシュホワイト」を塗ります。
その後、塗りたて感をなくすためブライワックスのミディアムブラウンをところどころに塗り年代感を出しました。
決して素敵な出来栄えとは言えませんが、もとがダンボールと考えれば悪くないのでは、と思います。寒冷紗のおうとつがキャンバス生地の様でダンボールには見えません。
しかしこのランプシェードは行き当たりばったりで適当に作ったので、もっとちゃんと考えて作れば同じ材料でも良い物ができると思います。
なお今回は寒冷紗を下地として使用しましたが、いらない布などでも良いと思います。何かを下地に入れることで「塗った」だけのものと違う雰囲気を作ることができます。
コンクリート風。木目を浮き立たせる。
漆喰でコンクリート風に仕上げる
漆喰を塗ったあと表面を紙やすりで整え、その上にバターミルクペイントの「ソルジャー ブルー 」を塗った空き缶です。コンクリートの上にペイントした様な雰囲気になりました。このあとさらに、ブライワックスで凹んだ部分を汚すと立体感がでて良いかもしれません。
今回は漆喰のあとにバターミルクペイントを塗りましたが、漆喰にバターミルクペイントを混ぜて塗ればより自然な感じになるかもしれません。
木目を「浮造り」で強調する
木材の表面を、鮨の炙りか何かで使うトーチバーナーを使って焼いたあとに金ブラシで磨きます。すると木材の木目の部分が浮き上がり表面におうとつができます。
その後その上にひび割れ塗料の「オールクラックアップ」を塗りバターミルクペイントを塗ります。そして最後に紙やすりで削ると木目が浮かび上がってきます。詳しい作業手順は下のリンク先で紹介しています。