初心者のための登山とキャンプ入門

登山用品のレンタル「そらのした 河口湖駅前店」レポート

アウトドアギアレンタルそらのした 河口湖駅前店

富士山の登山用品をレンタルしてみようと思ったけど、Webでの注文だけでは不安・・・という人もいるのではないでしょうか。「選んだサイズで本当に合うんだろうか」「初心者だけで行くから、ポールの使い方とか靴の履き方とかも教えてもらいたい」などなど。

今回はそんな不安を解消できる現地で受け取る方法、さらに富士登山のいろんなルート取りを可能にする現地返却についてレポートします。

そらのした 河口湖駅前店レポート

アウトドアギアレンタル そらのしたサイト
アウトドアギアレンタル そらのした

今回おじゃましたのは「そらのした 河口湖駅前店」。以前、自宅受け取りのパターンで登山用品をレンタルした際にそのクオリティに感動し、すっかりファンになりました。
何回か登山をしたことのある方や、登山用品店でグッズを見たり調べたりするのが好きだという方などは、配送時に添付されているシオリを読めば分かると思います。

しかし、初心者の方やいろいろ質問しないと不安なタイプの方には、詳しい説明が受けられる現地での受取はメリットいっぱい。また、提携温泉での現地返却を利用すれば送料もかからずお得です。

そらのした河口湖駅前店は駅の目の前

そらのした河口湖駅前店のある駅前ビル

そらのした河口湖駅前店は駅前ビルの一階、左角にあります。この駅は吉田ルート登山の基点となっていて、五合目への登山バスも出ています。駅前には観光案内所、コインロッカー、カフェ、おみやげ屋さんと観光ムードいっぱい。
河口湖駅前店は、登山シーズンには朝9時から営業していますので登山前に寄ることが出来ます。

今回応対してくれたのは店長の木下さん。山麓トレイルなどを含めて年間400-500人を富士山に案内する登山ガイドさんです。きちんとひと通りの説明を受けたい人には、装備の使い方をはじめ、トレッキングポールを使っての歩き方、歩き方のコツや注意事項、高山病対策のための水の取り方、呼吸法など30分程度のレクチャーをしてくださるそうです。

そらのした 登山靴の履き方レクチャー

靴のサイズ調整・履き方も丁寧にレクチャー

まずは、最も重要という登山靴から合わせていただきました。木下さんが、「5本の指はこうやって動く?」「ココとココは靴にぶつかる?」と一つ一つ丁寧に確認をしながらサイズをチェックしてくれました。子供は普段は19cmの靴を履いているのでウェブでは19.5cmを注文していましたが少しキツそうだということで20cmに変更して様子を見てくれました。

木下さんがガイドした経験上では、終わった後に登山が楽しいと思えるかどうかは6割方登山靴が合っていたかどうかによるらしいのです。「靴が大事」とは何度も耳にしていましたが、プロの人に数字で伺うと、改めて「気をつけよう」という思いになるものです。

また、フィッティングの時にも手を抜かずにきちんと下(つま先の方)から一つ一つ靴紐を締めていくこと、ほどけた紐を踏んづけての転倒が多いので二重結びが良いなどのお話も聞きつつ、店内を歩いて靴の履き心地を確認します。時間が許せば外の道路も歩いてぐるっと一周したりもするそうです。

そして、基本的には子供でも自分の靴紐は自分で結べるのが望ましいと心がけを教えてくれました。たしかに登山では、たとえ何歳であっても自立した登山者であるよう目指していくこと大切ですよね。忘れていた心がけを思い出させていただき「その通り!」と心の中で大きくうなづくのでした。

そらのした 登山靴の履き方レクチャー2

「年間300日以上西風が吹いて風にさらされる富士山では、レインウェアは防寒着でもあります。”風と雨”、両方なんです。」と木下さんは言い切りました。”寒い時にも着る”という認識は漠然とありましたが、なるほど、風がある富士山だからこそよけいに大切なんですね。ビニールポンチョで富士山に来てしまう人はたしかにこのことを少しも知らないかもしれないなと思いました。

色とりどりウェアがいっぱい

そらのしたでレンタルできる登山ウェア
機能的な登山用ウェア。子供サイズのダウンがかわいい。
そらのしたでレンタルできるザック
ザックはグレゴリー、オスプレー、ノースフェイス、ドイターなど有名ブランドばかり。
そらのした 登山ウェアのレンタル
鏡の奥にはフィッティングルーム。

レインウェアもゴアテックス。レインウェアというよりも冬におしゃれで着るマウンテンパーカーのようなカッコイイモデルです。顔周りの快適空間を保つツバの形や深さを調節するマジックテープ。子供にはもったいないくらいの高級モデル。こちらは110cmで注文していましたがピッタリでした。

登山用品のレンタル ダウンジャケット

ダウンジャケットはモンベル。汚しそうだから我が家では絶対に買えないような明るい色。かっこいいフードのついたおしゃれなデザインです。新品のようなフカフカな質感に、借り物だということも忘れてテンションが上がってしまいます。「真夏でもマイナス5℃なんてことはザラ」ということですが、これくらいボリュームがあるダウンなら安心。軽くてコンパクトに圧縮できるので、さすが、登山用品です。

木下さんによると、ダウンを間違って一番外(雨具の上)に着るものだと思い込んでいる方もけっこういらしゃるみたいです。ダウンを着て、それでももっと寒ければありったけのものを着て一番上にレインウェアを着るので、サイズはピッタリよりもユッタリを選ぶのがよいそうです。写真を撮り忘れましたがこの後ザックも借りて、子供分のレンタルは完了です。

追加レンタルも現地受取のメリット

急遽、大人用にトレッキングポールのレンタルをお願いしましたが、追加のレンタルが出来るのも現地受取での良い点だとおもいます(在庫による)。

木下さんいわく、トレッキングポールは登山靴、レインウェアに次いで3つ目に大事な装備だということです。2本足と4本足では足への負担がまるで違うそうです。多くの人を富士山に導いた結果としての言葉なので重みがあります。

そらのした トレッキングポールの使用方法レクチャー

組み立て方以外にも、グリップの持ち方のパターン、長さの合わせ方、長さ調整をせずに持ち替えで対応するパターンなど、いろんなお話が出てきます。例えば富士山の七合目の岩場に入ってきたら手首を通していたスリングを外し、スリングに通さないでグリップを握ったほうが良い、など。
理由は、岩場だと上半身のバランスも不安定で思わず手を突く様なときもあり、そんな時は、手首にはまっていてポール自体がつっかえてしまうよりもパッと手を離れる方が安全だとか。”富士山では”というアドバイスが聞けるのはありがたいことです。

子供用はレンタル利用が最適

今回は、夏の登山に向けて子供用の登山装備をレンタルしました。登山靴、レインウェア、ダウンジャケット、ザックの4点セットです。事前に、サイトから注文をすませておきます。混雑する時期にレンタルしたいと考えている人は早めがよいでしょう。

子供はすぐに大きくなりますから、特に登山靴については買うか買わないか、非常に判断に迷うところです。知人に借りられるチャンスもめったに無いでしょう。
靴だけは大きめを買うわけにはいかないし、かと言って普段履きの布靴では濡れた時に歩き続けるのが辛くなります。レインウェアは少しくらい大きめを買ってもゴムなどで調整すれば長く使えそうですが、子供は体温調節が大人よりも体質の面で苦手と聞きます。風邪をひきやすいのできちんとした素材ものを準備したいところです。

しかしもったいないからと購入を躊躇してアウトドアをたのしむ貴重なチャンスを逃しては、それこそもったいないですもんね。あっというまに大きくなってしまいますから。そんなとき、レンタルはすごく便利だと思います。

無料のレクチャー

新宿から来た場合では、そのまま新宿から五合目まで行くのと河口湖で一旦下りてバスを乗り換えて五合目に行くのとでは、交通費はほとんど変わらないそうです。それなら、30分間無料のレクチャーを受けて、隣りのコンビニで普通の値段の水を購入してから富士山に向うのって、とってもお得ではないでしょうか。

なお、インターネットから注文の際に、「まったくの初心者なので詳しいレクチャー希望」などと備考に入力してもらえると詳しいスタッフを配置して待っていてくれるとのことです。

アウトドアギアレンタルそらのしたでレンタルできる登山ウェアとギア一式

これで子供も安心。きれいな装備にウキウキです。
そらのしたでは、家族まとめてレンタルのキャッシュバックキャンペーンやグループでレンタルのTシャツプレゼントキャンペーンなど行っているようです。ぜひファミリー登山デビューをお考えの方は利用してみてはどうでしょうか。

手ぶらで帰れる現地返却のススメ

さらにオススメしたいのは現地でレンタル品を返却をして手ぶらで帰る富士登山です。私が思うに、下山後のもっともイヤな瞬間は、温泉に入ってキレイな服に着替えたその後に汗の染み込んだザックを背負った瞬間。そしてもう一度靴下を履いて登山靴に足を通す瞬間です。サンダルを持参していれば靴紐の締め付けから開放された足が幸せなんですけど、登山靴の入った靴を持って帰るのもまた、かさばっていやなものです。

レンタル会社そらのしたでは、レンタル品の現地返却窓口を9箇所設けています。いろいろな場所でいろいろな返却パターンが選べるのが特徴です。しかも予め”現地返却”で申し込んでおけば返却の送料が発生しないので大変オトクです。

温泉返却なら夜遅くてもOK

店舗での現地返却は18時や19時までとなっていますが、提携温泉での返却なら温泉が営業している間は返却できますから、夜遅く下山した場合にも便利です。

富士八景の湯

この文章をパソコンの前で読んでいる今は想像もつかないかも知れませんが、富士登山後にはかなりの確率で温泉に入りたいと思うはずです。汗をかいて汚いからという理由だけではなく、疲れた体がリラックスを求めているんだと思います。なので温泉でたった今登ってきた富士山を眺めてくつろぎ、そのままそこで食事をし、できれば仮眠も取ってから快適な気分で帰路につくのが理想的です。これが明日の仕事への活力に、そしてまた次も登山したいなという気持ちにさせてくれますよ。

※郵送返却を申し込んでおいて温泉返却に変更も出来ますが、この場合送料の返金はありません。希望の方はあらかじめ温泉返却を指定しておきましょう。

ツアーの人は温泉返却が便利

多くのツアーは吉田ルートを下り、その後温泉に立ち寄ります。団体ツアーは、利用の仕方によっては費用が抑えられたり良い山小屋が確保できたりというメリットもあります。ツアーで参加しようかなと考えている方は下山後にどの温泉によるのかチェックしてみてください。上記の提携温泉であれば現地返却が利用できますので手ぶらで帰れます。

いろんなルートを可能にする

「富士山では山梨県も静岡県も関係ありません。こっち側から登ってあっち側、好きな方から登って好きな方に下ればいいんです」とは木下さんの言葉。たしかに同じルートを戻ってくるものだと先入観をもちがちですが、考えてみれば同じルートを2回通るよりも雰囲気の違う2つの道を楽しんだほうが良いですよね。
富士山を越えて反対側の県に下りる、というのは夢がありますし、同じルートを下るにはお鉢巡りを1週全部しなければいけませんが、別のルートを下るなら一部だけ歩くという選択もできます。

登りが短い富士宮ルートを登って、御殿場の大砂走りを堪能して下山、などといういいとこ取りも出来てしまいます。マイカーだとそういうわけには行きませんが、電車とバスを利用する人には自由自在です。いろんな所で返却できるこのしみくみを利用して、自由にルートを考えてみてください。てぶらなら観光もできますね。

富士山 山荘菊屋

また、須走口五合目(山荘菊屋)での登山用品の受取なども出来ます。八合目以上ではどうしても山小屋が混雑するため、狭さや慌ただしさという不満の声も聞かれます。五合目まで軽装で行き、混雑を避けてゆったりと泊まり、登山用品をレンタルして登る。これまでは想像もつかなかった新しい登山スタイルですね。

コンビニでも返却可

そらのしたでは、宅配での返却を申し込んだ場合、予め荷札が用意されます。これを装備が入っていた緑のバッグに貼って、コンビニ(ヤマト取扱店)で返却することも出来ます。不織布のバッグや荷札は軽いので登山に持って行ってもジャマになりませんし、下山後にすぐ返却できるわけです。温泉に寄らないで観光する場合などにも便利なサービスです。

そらのした レンタル用品返却バッグ

ただ、写真上の、オレンジの小物入れやヘッドランプのケースなどを家に忘れてきてしまうと改めて送らないといけなくなってしまいます。面倒なので注意して下さい。

現地受取・返却のタイムスケジュールイメージ

登山用品レンタルの現地受取り・現地返却を利用するとどんなパターンが考えられるか、ちょっと例をあげてみたいと思います。

朝受取パターン

<1日目>

  • 9:00 河口湖駅前店で登山用品のレンタル
  • 10:10 河口湖駅発の登山バスでスバルライン五合目へ
  • 11:00 スバルライン五合目着 2時間の体慣らしとランチ
  • 13:00 登山開始 吉田ルートを登る
  • 15:30 七合目着 山小屋へ

<2日目>

  • 0:00 七合目より登山開始
  • 5:30 山頂着、ご来光を見る
  • 6:00 下山開始 須走ルートを下り、砂走りを楽しむ
  • 10:30 須走口五合目着、レンタル品を返却
  • 10:50 須走口五合目発の登山バスで御殿場駅へ
  • 11:50 御殿場駅よりバス(10分)で富士八景の湯へ
    温泉とランチの後、御殿場プレミアム・アウトレットでショッピング など

こちらはユックリ出発し、砂走りを楽しんで午前中に下山し午後は観光を楽しむイメージです。山頂に着く時間が早いので体力によってはお鉢めぐりも出来ますし、御殿場ルートを選択するなどもよいでしょう。

前夜受取パターン

<前夜>

  • 16:00 河口湖駅前店で登山用品のレンタル
  • 16:50 河口湖駅発の登山バスでスバルライン五合目へ 山小屋泊

<一日目>

  • 4:00 五合目より登山開始、ご来光を見ながら歩く
  • 11:30 山頂着
  • 13:00 山頂発
  • 17:10 富士スバルライン五合目着、発
  • 17:55 河口湖駅前店返却、温泉へ

前夜に装備を受け取って、翌日に明るくなってから登るという、山小屋の混雑も避けられるパターンです。良い睡眠が取りやすいだけでなく、初日の宿泊を標高2500m以下でとることは高山病予防として有効な手段だとされています。

このようにいろいろなパターンが考えられますので、各提携店の営業時間を参考に検討してみると楽しいです。なお、いずれの場合も全て電話やインターネットからの事前の注文が必要です。
また、靴のサイズ交換が出来るのは3店舗(河口湖駅前店、富士吉田店、富士宮五合目)ですのでご注意下さい。

”遊び方発信基地 そらのした”

さて、今回レポートしたそらのした河口湖駅前店。この他、富士山の地ビールの飲み比べが出来るビアレストランもオープンしています。ビールに合う軽食もできる他、本格的なスポーツサイクルのレンタル(ロードレーサーとマウンテンバイク)も扱っています。

今回訪問してみて、品質へのこだわりだけでなく、いろんなアウトドア提案をし続けるおもしろい会社でもあると思いましたので、みなさんもぜひ河口湖を訪れた際には立ち寄ってはいかがでしょうか。

本格サイクルで河口湖ツーリングもオススメ。
そらのしたで地ビール飲み比べ
富士山の地ビールが一箇所で味わえるのも魅力。
お店は河口湖駅のすぐ目の前。電車待ちの間に一杯もいいですね!