富士山登山の装備と持ち物リスト
富士登山に必要な装備(トレッキングシューズやザック、レインウェア)や、その他の持ち物の一覧を掲載しています。耳馴染みのないものや日常で使わない道具は使い方や用途を解説しています。
荷物のチェックリストも用意してますので、出発前の忘れ物チェックに使っていただけたら幸いです。
必要な装備はたくさんありますが、代用して出費を抑えましょう
このページではたくさんの装備を紹介していますが、全部買い揃える必要はありません。一度にこれだけの装備を揃えるのはとても大変なので、代用できるものは代用して出費を抑えましょう。 代用する場合はどういったものを用意するか、というポイントは各装備の解説のところで書いています。
富士登山の装備・持ち物リスト
富士登山に用意したい持ち物と装備の一覧になります。それぞれの装備についての解説は次の項でしています。
装備と持ち物リスト
基本的な装備・持ち物 | |
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トレッキングシューズ | ハイカットで靴底がしっかりとしたもの。ゴアテックス等の素材を使用したものがおすすめ。 |
ザック (リュック) | 山小屋泊なら30リットル前後のものがベスト。 |
ザックカバー | ザックの中身を濡らさないためにザックカバーがあると○。 |
ヘッドランプ | 懐中電灯は手がふさがるので危険。昼間の登山でも必要。 |
レインウェア | 上下に別れた防水透湿性素材のものを。 |
地図・ガイドブック | 最低何かしらの地図は必要。広範囲で細かく書かれているものが良い。 |
飲料水 | 1リットル以上入る容器で。 |
行動食 | 登山中のエネルギー補給におかしなど。 |
日焼け止め | 標高の高い所は紫外線が強いので肌を守るために。UVリップクリームも必須。 |
ティッシュペーパー | 芯を抜いたトイレットペーパーなどは量があっていい。 |
薬類 | バンソウコウ、消毒液、鎮痛剤、解熱剤など。 |
ビニール袋 | ゴミ入れや着替え入れに。ジップロックは防水バッグにもなる。 |
手ぬぐい・タオル | 汗拭き、首に巻けば日焼け防止になる。砂埃を防ぐマスクにも。 |
小銭 | トイレを利用する時のために。 |
あると便利な装備と持ち物 | |
トレッキングポール | 歩行のバランスをとり、足腰の負担を軽減。 |
スパッツ・ゲーター | 下りの砂よけにあると重宝する。 |
ウエストポーチ、小物入れ | カメラや行動食入れにあると便利。公共機関での移動時にも役立つ。 |
モバイル充電器 | 携帯電話の充電に。 |
サングラス | 日差しよけ、防塵に。 |
スポーツタイツ | 足への負担を軽減。 |
膝サポーター | 急に運動をしたり、筋力が低下している人はあると安心。 |
エマージェンシーシート | 緊急用だがご来光を待つ際の寒さ対策にもなる。 |
お尻の下に敷くシート | ご来光待ちに。断熱素材のものはお尻が暖かい。 |
テーピングテープ | もしくは布ガムテープを少し。靴ずれしそうな時に早めに使用する。 |
一般的な持ち物 | |
さいふ・ICカード | |
カメラ | |
コンタクト用品(スペア)・メガネ | |
化粧品・衛生用品 | |
健康保険証・免許証 | |
携帯電話(予備バッテリー) | |
温泉セット | |
下山後の着替え | |
時計 | |
山小屋泊りであると良いもの | |
ボディーシート | |
化粧落としシート | |
アイマスク | |
耳栓 | |
歯磨きガム |
ウェア(こちらで詳しく説明しています)
防寒着 | フリース、ダウン、セーターなど。軽くてコンパクトになるものが最適。 |
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シャツ | 長袖。ポリエステルなどの速乾性の素材。綿は乾きにくいので避ける。 |
ズボン | 長ズポン。綿は避ける。伸縮性に優れたものが歩きやすい。 |
アンダーウェア | 速乾性のものがベスト。綿は乾きにくいので避ける。 |
ハット・ニット帽 | 日よけに、また朝夕や頂上は冷え込むので、耳までかぶるニット帽があると良い。 |
ソックス | 汗をすいとる中厚手のしっかりとしたものを。 |
手袋 | 手の保護や日よけ、防寒対策に。 |
ネックウォーマー | 寒さ対策に。薄手の「ゲーター」と呼ばれるものは日焼けや砂埃対策にも。 |
装備は代用して出費を抑えよう
これだけ用意するものがあるとお金がかかって大変だ、と思われるかもしれません。でもこれらの物を全部買い揃える必要はありません。登山専用の装備や服は機能的で素晴らしいのですが、その分高いです。一回の富士登山のためだけに買い揃えるのは大変ですよね。
なので出費を抑えるためにも普段使用しているものを代用してしまいましょう。その上で、どうしても無いものは買う、という方法がおすすめです。代用する場合はどういったものが適切か、は下の装備を解説しているところに書いています。
またこちらのページ「持っている服と装備で登るパターン」では服装のことも書いていますので、お時間があれ読んでみてください。
体力に自信のない人、高齢の方は装備を揃えましょう
登山の装備には、頑丈、軽い、機能的、濡れに強い、などの特徴がありますが、一番は「疲れにくい」ことだと思います。手持ちのスニーカーやリュックで登山をするととても疲れます。登山で必要以上に疲れてしまうと怪我をしたり、判断力が鈍り道を迷ったりもします。景色を楽しむ余裕もなくなります。
なので登山者全員が万全な装備で登山に挑んで頂きたいところですが、若くて、元気があって、体力がある人は手持ちのものでもなんとかなる、と思います。一方体力に自信のない人、普段運動をしない人、高齢者は安全のためにも装備を揃えて登山をした方が良いでしょう。
装備と持ち物のチェックリスト
富士登山に必要な装備と持ち物のチェックリストです。A4サイズでプリントできます。出発前の荷物の確認やお買い物の際にご利用ください。
基本的な装備の解説
トレッキングシューズ・登山靴
靴はトレッキングシューズが最適
トレッキングシューズは軽登山靴とも呼ばれ、一般的な革製の重登山靴に対し、ナイロンや革を使用した軽快な登山靴のことをいいます。
テントなどの重い荷物を持っての登山や、積雪期に登山をする場合には重登山靴が必要になりますが、富士登山ではそこまでのものは必要ありません。軽くて動きやすいトレッキングシューズが最適です。特に山歩きに不慣れな初心者の方におすすめです。
トレッキングシューズは直接お店で
登山靴(トレッキングシューズ)は必ず登山専門店で店員さんと話ながら選びましょう。靴のサイズが同じでも甲が高いとか広いとか、内部の当たりが硬いとか登山靴によって個性があります。
富士登山は日本で一番高い山を一日中歩くわけですから、ただでさえ大変なのに足まで痛めるとただの苦行になってしまいます。なのでお店で何足か試し履きをして、自分の足にあった靴を選びましょう。
スニーカーや普段履いている靴は?
スニーカーはソールが薄く柔らかいので、富士山のでこぼこ道歩きでは疲れやすくなります。怪我もしやすくなるのでトレッキングシューズがおすすめですが、普段履きの靴で済ましたい方は靴底の厚いもの、足首まであるもの(バスケットシューズなど)、靴底のぼこぼこしたグリップが効くものを用意しましょう。
トレッキングシューズについては下記リンク先で詳しく書いています。
ザック(リュックサック、バックパック)
ザックも体にあったものを選びましょう
リュックサックのことを登山ではザックと呼んでいます。バックパックと呼ぶこともあります。
登山用と普段使いのリュックとの違いですが、登山のものは長時間重い荷物を背負っても疲れにくい様に設計されています。しっかりとしたショルダーハーネスとウエストベルトがあり、バランスよく荷物をパッキングできる形状をしています。また頑丈で軽量、ポケットが豊富で荷物の出し入れが容易、などの特徴もあります。
ザックのサイズ(容量)はリットルで表し、10リットル前後のザックから90リットル以上のものまで様々あります。富士登山では30リットル前後のザックが適当です。
ザックもお店で試しましょう
ザックもトレッキングシューズ同様にフィット感が重要です。体に合わないものは疲れやすくなりますので、直接ショップで背負い心地を確かめる事が大切です。可能なら目的のサイズのザックをいくつか試したり、できれば重石を入れて背負ってみてください。こっちのザックは軽く感じるけど、こっちは肩が痛い気がする、ということがわかると思います。
手持ちのリュックを使う場合
肩だけで荷物を背負うことになるので疲れやすくなります。なので荷物の軽量化をがんばることくらいしか対策がありませんが、普通のリュックでも腰に細いベルトがついているモデルがあります。腰にベルトがあると、例え細くても腰でも荷物を背負えるので疲れにくくなります。そういったリュックを持っている友人を探してぜひ借りましょう。
ザックについては下記リンク先のページで詳しく紹介しています。
ザックカバー
雨からザックや中身を濡れるのを防ぐのがザックカバーです。30L・40Lの様にザックのサイズ毎にザックカバーも販売されているので適したサイズを選びます。
ザックカバーの代わりにゴミ袋などで対応できますが、風で飛ばされない様に工夫しましょう。それに加え、ザックの中の荷物をビニール袋に入れると完璧です。
最近のザックは、ザックカバーを標準で装備しているモデルが多くあります。
ヘッドランプ(ヘッドライト)
日中の登山でも怪我などが原因で歩くのが遅くなり、日が落ちた後の暗い山道を歩くことがあります。そのためヘッドランプ(ライト)は登山の装備の必需品です。
スマートフォンのライトもありますが雨が降っていれば壊れるでしょうし、ライトとして長く使えばすぐに充電も切れてしまいます。なのでライトは一人一つ必ず必要になります。
懐中電灯でも良いのですが、手がふさがってしまうので頭に装着できるタイプがベストです。また登山で使用する際は予備の電池を忘れない様にしましょう。
レインウェア
レインウェアは登山で必須の装備の一つです。今日は絶対に晴れだ、という日でも山では突然雨が降ったりしますので、レインウェアは必ず持っていきます。 またレインウェアは風を防ぐアウターとしての役割もあります。
登山用のレインウェアは高価なモデルが多いので、富士登山のためだけに用意する必要はないと思います。ホームセンターの作業着コーナーや釣具屋等に置いてある、上下に別れたレインウェアは価格も安いのでおすすめです。「防水透湿性の素材」などと書かれたレインウェアは蒸れにくく登山に適しています。
コンビニで売っている安いビニールのカッパは絶対にやめましょう。
帽子、ハット
日陰もなく直射日光を浴び続ける富士登山では帽子の役割は大きいです。また、何かしら頭に被っているということは落石からの頭部の保護にもなります。雨の時にはレインウェアのフードの下に被ることでヒサシになり、顔に雨がかかるのを防げるので視界が保てます。
富士登山に限って言えば短期間の登山なのでどんな帽子でも良いですが、ツバが広い、折りたためる、ナイロンやポリエステルの化繊素材で乾きやすい、ストラップ付きで風で飛ばされない、 などの特徴のあるハットが適しています。首筋をガードするサンシェイド付きのモデルは熱中症対策になります。
富士登山の地図
昭文社より出版されている登山地図「山と高原地図」の富士山エリアの地図です。毎年最新版が発売されているロングセラーの登山・ハイキング用の定番地図です。
富士登山のコースに関する詳細な情報はもちろんですが、周辺の公共機関の情報、温泉、その他のコースと情報満載です。
プリントできる富士山の登山地図 のページに当サイトオリジナルの地図を用意していますが、そちらは簡易版なので、こちらの「山と高原地図」の様な本格的な地図を用意することをおすすめします。
あると便利な装備の紹介
UVカットのネックカバー
こちらはバフと言う商品です。伸縮性の素材を使用しているので首に巻く以外にも様々な使い方ができます。顔を覆って紫外線対策をしたり、下山時には砂塵除けのマスクとしても活躍します。
バフには薄手の物から厚手のものまで様々ありますが、富士登山では薄手でUV機能がついたものがおすすめです。乾きも早いです。
バフと同じ様な商品ですが、こちらはラッシュガードと同じ素材を使用しています。富士山の様な高所は日差しがとてもきつく、特に首筋、うなじが強烈に日焼けします。その対策として、また熱中症対策にもこの様なネックカバーがあるといいでしょう。
トレッキングポール
トレッキングポールとは、歩行のバランスを保ち、足腰への負担を軽くする杖の事を言います。2本で使用するタイプと1本で使用するタイプがありますが、2本で使用するタイプが一般的です。
コンパクトに収納できるので、使用しない時はバックパックに括りつけて持ち運べます。
ゲーター(スパッツ)
ゲーターは靴に入り込む雨や砂、小石などの侵入を防ぐカバーです。富士山の下山道、特に砂走りでは大量の砂が靴の中にに入るので重宝します。
スポーツタイツ
足の筋力に不安がある人、急に運動する人、そして特に膝に不安がある人に積極的に使用して欲しいのがスポーツタイツです。
ワコールのタイツは私も使っていますが、やっぱり履けば下りが楽だと感じます。周りにも愛用者は多いです。
膝サポーター
膝サポーターは、筋肉や関節の過度な動きを抑えて補強し、膝への疲労やストレスを軽減してくれます。富士山では傾斜のきつい道を長時間下るので、足の筋力に自信のない人、過去に膝を痛めた経験がある人、また高齢者の方は万が一に備え持っていると安心です。
サポーターを使わない場合は、テーピングテープによる固定方法を覚えておくと良いと思います。
防水バッグ
防寒着やスマートフォンなどの濡らしたくないものを雨から守ったり、下山後は汚れた服を入れたりと、色々使えるのが防水バッグです。貴重品を入れて持ち運ぶポーチ的にも使えますし、温泉利用時のバッグにもなります。また防水バッグはビニール袋の様にガサガサと大きな音がでないので、山小屋で寝ている人に迷惑をかけないで荷物を取り出せます。
防水バッグのサイズはこちらのページで紹介しています。
ソフトボトル、ドリンクボトル
富士登山では最低でも1.5リットルの水は用意した方が良いと思います。しかし1.5リットルの水を持ち運ぶのは大変なので、体力に自信のない方は山小屋でペットボトルの水を買うのもいいと思います。(500mlで500円位)
体力に自信があって自分で持ち運ぶ、出費を抑えたい、という方にはソフトボトルがおすすめです。ソフトボトルは使用後に小さくできますし、小さいザックにもパッキングしやすいです。
ドリンクボトルはペットボトルで十分ですが、こちらのナルゲンのボトルは頑丈で長く使っていけるのでおすすめです。本体と蓋がフックで繋がっているので蓋を落とす心配もありませんし、匂いがつかなかったり、広い飲み口で洗いやすかったりと登山では定番のボトルです。
ドリンクボトル ホルダー
リュックのショルダーストラップに装着できるドリンクホルダーです。富士登山では高山病予防のためにも通常より意識的に多く水を飲む必要があるので、いつでも手に取れる位置に水を置いておくのがベストです。
サブサック(ポケッタブルバッグ)
メインのザック以外にあると便利なのが、コンパクトに収納できる「サブサック(ポケッタブルバッグ)」です。休憩時や山小屋で過ごす時、トイレに行く時に貴重品や小物を入れて持ち運ぶバッグとして便利です。お鉢巡りもこのバッグだけを持っていけば荷を軽くできるので体が楽です。
小物入れ、ポーチ
出し入れの多いカメラ、携帯電話、行動食等の小物を入れるのに小さなポーチが活躍します。休憩中やトイレに行く際には小銭や貴重品を持ち運ぶバッグとしても活躍します。
チェストバッグ
こちらはザックの肩のストラップに装着して使用する小物入れです。バッグが体の正面に来るので肩掛けのポーチに比べ安定感があります。
携帯・デジカメケース
ザックのショルダーストラップに取り付けて使用する小さなケースです。スマートフォンの出し入れに便利です。
お尻の下に敷く断熱マット
断熱性の高いマットがあれば、ご来光待ちや休憩中にお尻を冷やさずに過ごせます。クッションもあるのでデコボコの地面でも快適です。軽いので荷物のスペースに余裕がある人にはおすすめです。
クオリティはまったく違いますが、似たようなシートは100円ショップでも買うことができます。
速乾タオル
汗拭き用に速乾タオルがおすすめです。軽くて嵩張らないうえに吸水力もあり、絞れば何度でも使えます。下山後の温泉などにもいいですね。
エマージェンシー(サバイバル)シート
遭難等の緊急時に使用する、体温低下を防ぐための防風・断熱シートですが、もちろんそれ以外でも使えます。富士山の山頂で寒すぎる時にこのエマージェンシーシートで防寒したり、ちょっと昼寝をする時はブランケットに。また着替えをする時は目隠しにもなります。
私が使っている富士登山の装備
下記のリンク先では私が富士登山に持って行く装備を写真で紹介しています。便利な登山用品や装備もいくつかあると思いますのでお時間があればご覧になってください。