炭の種類と着火方法
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アウトドア料理の定番と言えばバーベキュー。炭で焼くだけのそのシンプルな調理方法では、素材の味を存分に楽しむ事ができるし、また料理道具も少なくすむので初心者にはおすすめ。だからこそ、少しはこだわりを持ってみたいのが炭。安定した火力を持つ炭を使えばもっと美味しく肉や魚を焼く事ができるし、炭でも安心してご飯を炊く事ができます。
キャンプで使われる炭の種類
木炭には製法の違いで、大きく分けて「白炭」と「黒炭」があります。白炭の代表格は「備長炭」。高級炭として知られ、火力と火持ちに優れています。しかし簡単には火が点かないのがこの備長炭。そして良い火になるのには時間もかかるのでキャンプ用の炭としては向きません。その点黒炭は着火も比較的簡単なのでキャンプ用の炭として適しています。白炭に比べ火力や火持ちも劣りますが、キャンプで料理をする分には十分でしょう。
それ以外には中国や東南アジアから輸入した炭があります。ホームセンターやスーパーなどで売っている安価な炭ですが、輸出国の環境の問題などもありますし、また火持ちもしないのであまりオススメはできません。値段はあがりますが、やはり日本産の炭が上質で安心です。
白炭
備長炭
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高級炭の代表格で、高級焼き鳥店などで使用されています。ウバメガシを原料とする炭で非常に硬く、たたくとキンキンと言う金属音がします。安定した火力と火持ちの良さに優れますが、着火がしにくいのでアウトドアには向きません。
ナラ白炭
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雪国で室内の暖房用として使われている炭。一酸化炭素を出さないと言われています。備長炭に比べるとやや堅さはおとりますが、火力も強く火持ちも良いすぐれた炭です。また値段も備長炭より安いので扱いやすい炭です。
黒炭
ナラ炭
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ナラを原料とする黒炭の代表格です。火つきが良く、すぐおき火状態になるアウトドア料理にはもっともポピュラーな炭です。
クヌギ炭
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炭の断面が菊の模様をしている美しい形のクヌギ炭。茶道にも使われ、黒炭の高級品。火付きも火持ちも良い。
オガ炭
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炭の中心に穴が開き、ちくわのような形をしているオガ炭。おが粉を圧縮して固めて窯で焼いた炭です。火持ちもよくアウトドア料理にも適している炭です。また価格が安いのも嬉しい。
炭への着火方法
炭への着火は薪などに比べて非常に難しいです。火がつきにくく、少々の着火材ではうまく行きません。一番ベターな着火方法は、焚火の火を利用して炭を作ることです。焚火をした後にその火を利用すれば、簡単で確実に炭に着火できます。しかしタイミング的にそういまくはいかない時もあります。そんな時はやはり着火材を利用しましょう。
多少の手間はいりますが、安く済ませたいなら着火材にオイルドチップを使う方法がおすすめです。かなりの火力があるので簡単に炭に着火できます。しかし 初心者の方はチャコールブリケットを使用するのがベストでしょう。着火材として価格は高めですが、手間もかからずもっとも簡単に着火することができます。
またそれ以外では「炭おこし」と言う鍋の形をした器具を使う方法もあります。しかしシングルバーナーなどで炭おこしを使うと、炭の高熱でバーナーが破損してしまい、最悪の場合ガスカートリッジが爆発する危険性があります。
1. 着火材を広げ上に炭を乗せる
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ここでは初心者でも着火がしやすいよう、チャコールブリケットを着火材として使用する方法を書きます。
チャコールブリケットをグリルに広げたらその上に炭を置きます。熱を集中させるために、炭は中央に固めて重なる様にセットします。
2. 着火材に点火し、うちわであおぐ
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チャコールブリケットに四方から点火します。しばらく待つと炭に着火するので、そうしたらひたすらとうちわなどでバタバタと扇ぎます。煙が立っている時はまだ不完全燃焼の状態なので、ひたすら空気を送り炎を立たせて着火を促進させます。火の粉が飛び散るくらい激しく扇ぎましょう。
3. 炭火の完成。 強火と弱火をつくる
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調理するのに十分な表面温度になったら完成。強火をつくる場合は炭を重ね、逆に弱火を作る場合は炭を広げて火力を分散させます。