キャンプテントの選び方
テント選びのポイント
テントの大きさは利用人数+1人がベスト
テントを買う際に失敗したくないのがテントのサイズです。表記されている「~人用」と言うのは、JIS規格に準拠したものです。JIS規格でドーム型テントの一人あたりの利用面積は、「幅55cm×長さ180cm」と決められています。JIS規格の表記にしだがいテントを購入するのはあたり前の事ですが、テントの中にスリーピングマットや寝袋をセッティングすると、隣の人との距離が近すぎて窮屈を感じてしまう事もあります。隣を気にせずゆっくりと睡眠をとりたいなら、利用人数より1人分大きなテントの購入がおすすめです。
ツーリングやペットがいる場合は、全室が大きいテントがおすすめ
荷物が多いバイクや自転車のツーリングの場合は、一つ大きいサイズのテントを買うか、全室が大きいテントを選ぶと良いでしょう。またペットを連れたキャンプの場合にも全室が大きなテントを選べば、そこをペットの寝床とする事が出来ます。
テントのレンタルも有り
テントは高い買い物です。買った後に後悔するのはどうしても避けたい、と言う人はテントのレンタルもおすすめです。キャンプ用品のレンタルを行っているたくさんありますし、キャンプ場の施設でレンタルしている場合もあります。実際にキャンプでテントを使ってみるとテントがどんなものか良くわかるので、不安がある人はまず試してみるのも良いでしょう。
テントを購入する際のチェックポイント
有名ブランドのテントや最近販売されたものを買うのであればまず細かく気を使う事はありませんが、セール品や安物のテントを買う際には以下のポイントに注意して購入してみて下さい。
フライシート
フライシートとは、テント本体の外側にかぶさっているレインコートのようなシートを言います。どのタイプのテントを購入する場合でも、フライシートがインナーテント(中のテント)全体を覆っているものを選びましょう。フライシートが短すぎてインナーテントがはみ出しているものは×。
またフライシートとテント本体との隙間も重要です。テント本体とフライシートの隙間は各テントにより異なりますが、外側からフライシートを押してもテント本体にくっつかないものを選ぶようにしましょう。これがくっついてしまうと、そこから水がもる可能性があります。
グラウンドシート
テントの床にあたる部分をグラウンドシートと呼びます。このグラウンドシートの立ち上がりが10cmほど立ち上がっているものを選びましょう。立ち上がりが少ないと大雨の時に浸水してしまいます。
防水性
雨にあたってからでないとテントの防水性はわからないものですが、水が浸入してくる場所はテントの縫い目からなので、そこに防水加工(シームリング)がされているものを選びましょう。同様にフライシート、グラウンドシートにシームリングされているかどうか確認してみて下さい。
通気性
夏は暑く寝苦しいので、入り口や通気窓に防虫ネットがあり、テント内に風を通せるものが良いです。またそれらをテント内部から開閉出来るものが望ましいです。
テントの種類
キャンプテントの種類は大きく、ドーム型、ロッジ型、ロッジドーム(ハイブリッド)型、Aフレーム型に分けられます。それぞれテントの骨格の構造が異なり、設営方法や設営の手間、重量、快適さが違います。その中で人気が高いのはドーム型で、設営と撤収が簡単な事、コンパクトに収納出来る点が人気の理由です。
ドーム型テント
2~6本のポールで自立させたインナーテントに、フライシートをかけて設営するドーム型テント。慣れれば5~10分ほどで設営出来る手軽さと、コンパクトに収納出来るのが特徴。強度があり風に強いのもドーム型テントの優れた点ですが、室内が半円状の形をしているので、四角いロッジ型テントと比べるとやや狭く感じます。
荷物が多いキャンプや、ペットと一緒にキャンプをする場合はテントの全室が大きいものがおすすめです。自分達の寝室とは別の場所に荷物置き場やペットの寝るスペースを作ることが出来ます。
ロッジ型テント
その名の通り小屋の形をした「ロッジ型テント」。パイプでテントの骨組みを作り、その骨組みにインナーテントを吊るし、上からアウターテントをかぶせて設営します。
1つのテントに、寝室、リビング、テラスを持っているので、居住性に優れたテントです。アウターテントをポールで立てればタープ代わりにもなるのでタープを買わずに済ますこともできます。またドーム型テントの様に室内が球状ではないため、中で人が立てるほど広々とした空間で過ごす事が出来ます。しかしロッジ型のテントは構造がやや複雑で、テントを張るのに馴れと設営時間が必要。長期滞在型のキャンプや、大人数のキャンプに向いているテントです。
ロッジドーム型テント (ハイブリッド型)
ロッジ型テントの居住性の良さとドーム型テントの設営のし易さを兼ね備えるロッジドーム型テント。基本の形はドームでありながら、広いリビングスペースをもっています。ドーム型に比べ値段はあがりますが家族が多い人、ゆったりとしたキャンプを過ごしたい人におすすめです。写真はロッジドーム型テントで人気の、小川キャンパルのティエラ5です。
Aフレーム型テント (吊り下げ式)
フレームにテント本体を吊り下げで設営するだけの、シンプルな構造をしたAフレーム型テント。フレームをスリーブに通す必要が無いので、設営が簡単に行えます。
写真はアウトドアでも定番のモンベルの「ムーンライトテント5型」、4~5人用です。軽量かつ、簡単に設営が出来るのが魅力的なテントです。またこのムーンライトテントには、収容人数が7人までの「ムーンライトテント7型」と、最大収容人数が9人の「ムーンライトテント9型」もあります。
その他の形のテント
ペット用テント
一見普通のテントの様に見えますが、モンベルのペット専用のテント「ドギードーム」です。インナーとアウターに分かれた本格的?なペット用テントです。キャンプサイトはもちろん、車内用ケージとしても使える犬用テントで、テント本体上部がメッシュ地で通気性がよく虫に刺される心配もありません。また編み目の細かいメッシュを使用しているので、犬の爪が引っかかりにくいなどの特徴があります。
ツーリング・チャリダー用テント
ツーリング・チャリダー用テントと言うカテゴリーは少ないですが、軽量かつコンパクトで、広い全室を持ったテントがツーリング・チャリダー用のテントとして選ばれています。全室が大きいテントは重量もありその分収納も大きくなりますが、登山などのバックパッキングでの背負う旅と違い、軽量コンパクトさよりも居住性が重視されています。
全室が大きいメリットをあげると、雨の日には調理スペースになる、靴・荷物置き場になる、雨が降ってたらそこでレインウェアを脱いで入る、などがあげられます。また大きな全室の開放感、過ごしやすさはロングツーリングにその威力を発揮します。以下がツーリング用のテントとして人気のあるモデルです。
- 小川キャンパル 「ツーリングテント アーディンDX‐2」
- モンベル 「ムーンライト テント2型」
- アライテント 「エアライズ2」
さらに全室が大きくゆったりしたタイプには、スノーピークの「トレイルトリッパー2」もあります。
年に数回の利用ならドーム型がおすすめ
テントを家族で年に数回利用するだけなら、ドーム型のテントがおすすめです。上にもあげた様に利点が多く、また各社から優れたモデルが安価で販売されているからです。ドーム型にも色々なタイプのテントがありますので、自分のスタイルにあったテントを選べますし、オプションが多いのも良い点でしょう。
人気の高いファミリーキャンプ用テント
スノーピーク / アメニティドーム
キャンプ用品店で現在最も人気の高いテントは、スノーピークの「アメニティドーム」です。大人2人、子供3人分の就寝スペースと、広い全室を備えたファミリーテントです。人気の理由は設営の簡単さとデザインの良さ。そして極めつけはリーズナブル。「アメニティドーム」より少ない人数で利用する人は、サイズが小さい「アメニティドームS」もあり、こちらも人気の高いテントです。
スノーピーク / ランドブリーズ
アメニティドームに続き人気の高いテントは、同社の「ランドブリーズ」シリーズ。スノーピークはファミリーテントで圧倒的な人気があります。
このランドブリーズはソロ用テントから6人用テントまで5モデルもあり、人数やスタイルに合わせて選べるのが魅力的です。スノーピーク製テントのスタンダード、と言う位置づけで、ファンも多いテントです。
小川キャンパル / ティエラ5
ドーム型テントの設営のしやすさと、ロッジ型テントの居住性の良さを併せ持つ小川キャンパルのロッジドーム型テント「ティエラ5」です。前面フラップを張り出せばタープ代わりになり、巨大で快適なリビングスペースが生まれます。スノーピークの人気テントに比べ価格は高くなりますが、ロングセラーモデルでキャンプテントの定番になっています。
いろいろなブランド・メーカーのテント
ゴーライト / GO LITE
アウトドアウェアやバックパックなど、超軽量ギアを専門とするゴーライト。写真はゴーライトテントの中でも特に人気のあるテント「シャングリラ」です。珍しい三角型のテントは野外フェスでも人気です。
ヒルバーグ / Hilleberg
1971年創立、テント作り一筋35年のスウェーデンのテントメーカーのヒルバーグ。本格的な登山用、特に雪山用のテントメーカーですが、デザインも素敵で多くのキャンパーからも支持されています。
MSR
世界中のアルピニストやバックパッカーからの熱い支持を集めるMSRです。簡単に解体・メンテナンスができるシンプルで美しいデザインが魅力。写真の「エルボールームは」オートキャンパーやカヤックツーリストをターゲットに開発。MSR独自のフレーム構造で広い居住空間と強度を持ち、また全室も広く過ごし易く設計されています。
小川キャンパル
キャンプ用テントから、イベント用、災害用テントまで作る日本の老舗ブランド。写真はファミリーキャンパーから絶大な支持を得ているロングセラーの「ティエラ5」。
シェラデザインズ / SIERRA DESIGNS
1965年創立の「シェラデザインズ」。雄大なシェラネバダ山脈から命名されたこのブランドは、ウエア、テント、寝袋などを開発生産しています。日本でも長く支持され続け、特にアウトドアウェアの60/40パーカは有名でビームスなどでも販売されており、今も若者からの支持を受けています。
ザ ノースフェイス / THE NORTH FACE
ザ・ノースフェイスは1968年の創業以来、現在に至るまで、テント、パック、ウェアなど、さまざまな革新的なアウトドア用品を世に出し、絶大の人気と支持を集めているブランドです。写真はノースフェイスのテント「ミニバス23」。前室が二ヶ所あるので夏のキャンプでも快適に過ごせ、壁が立ち上がっているので二人でもゆったりと過ごせる設計になっているテントです。
コールマン / COLEMAN
キングオブファミリーテントのコールマン。コストパフォーマンスにすぐれ、コールマンのランタンなどは今も直世界中で愛され続けています。写真はコールマンの「タフワイドドーム 300EXⅢ」。コールマンのテントの中でも人気のコストパフォーマンスに優れたモデルです。
ビッグアグネス / Big Agness
アメリカのアウトドアギアメーカーのビッグアグネス。本国では有名で信頼が厚いブランドですが、日本ではあまり知られていません。写真は「Pine Island 4」。キャンプ、ベースキャンプ用の4人用テントです。
スノーピーク / Snow peak
製品一つ一つのデザインが良く人気。ベストセラーとなるアイテムを数々発表している、日本の総合アウトドアブランド「スノーピーク」。写真はスノーピークの定番テント「ランドブリーズ」。多くのキャンパーから支持を受けています。
ユニフレーム / UNIFLAME
日本の総合アウトドアブランド「ユニフレーム」。テントから料理用品、テーブルウェアなど数々のアイテムを出しており、キャンパーには馴染み深いブランドです。
ケルティ / KELTY
1952年創業の老舗バックパックブランドとして有名な「ケルティ」。バックパックの原型を作ったメーカーと して多く知られています。現在では寝袋、テントなど多くのギアを販売しており、ケルティのテントは美しいデザインと優れた性能で定評があります。写真は「Mantra 7」。
モンベル / Mont-bell
本格的な登山製品や、アウトドアスポーツ製品の国内トップクラスモンベル。コストパフォーマンスにも優れ多くの人の支持を得ています。写真はモンベル「ムーンライトテント5型」。設営が簡単なAフレーム型のテントで、キャンパーに人気があります。
ダンロップ / DUNLOP
日本を代表する山岳用テントメーカーダンロップ。吊り下げ式のドームテントを始めて世に送り出したメーカーとしても知られおり、数々の遠征隊のベースキャンプなどにも使われた実績を持っています。写真はダンロップ「R-224」二人用。居住性を重視したツーリング用のモデルで、バイカーに人気があります。