自転車旅行「東京から沖縄へ」
2007年の5月7日。とみちゃんと僕は自転車で東京から沖縄への旅にでました。初めての自転車旅、道の駅でのキャンプ生活と自炊、上高地、峠越えの連続と熱射病。毎日のダッチオーブンでの料理作りと、パソコンで日記の更新。そして温泉めぐり。スマートに目的を目指すよりも過程を楽しむ旅を僕らは心がけました。最初の1週間くらいは「自転車壊れないかな」と旅をやめたくて仕方がありませんでしたが、自転車のペダルを漕ぐにつれ旅はどんどん素敵なものになっていきました。そして今思い返すと本当に素敵な3ヶ月間だったなと思います。一日一日が本当に濃くて、その時々の事を今でも良く思い出します。
旅で出会った方々、親戚の皆様、掲示板で応援してくれた方々、宮古島のみんな。お世話になりました、ありがとうございます。そしてとみちゃん。本当にありがとう。
東京から沖縄へのルート
上の地図が僕らが自転車で走ったルート、というよりも宿泊した場所にバルーンをつけています。
山陰地方のバルーンがてんてんとしているのですが(黄色のバルーン)、そこは知り合った人からバイクを借りて旅行しました。また九州は大分からバスに乗って鹿児島に行っているので、自転車の旅は大分までということになります。
当初は「自転車で鹿児島まで行くぜ」って言う気概を持っていたのですが、結果的にかなり乗り物に頼ることになりました。それでも僕は「何が何でも自転車で」と言う気持ちよりも「自転車が旅の移動手段」くらいの考えだったのでこれでも良かったと思っています。
と言う事で走ったルートをざっと説明します。
自転車キャンプ旅のルート
2007年5月7日。東京の荒川から、自転車旅行が始まりました。荒川沿いをずっと北上し埼玉に入るとそこから中山道に沿って走りました。中山道を走って京都へ向かうと言うのがテーマの1つでした。
暑い日差しに悩まされながらも群馬に入り妙義を越え、そして初の難所である「碓氷峠」を越え、長野県軽井沢に入ります。軽井沢からは南下し諏訪湖へ。そして諏訪湖からは松本に上り北アルプス、上高地を目指します。この時点で中山道を辿る旅、と言うテーマはなくなりました。
松本から自転車で上高地まで登り、上高地を満喫するとそのまま岐阜に抜け、温泉地に立ち寄りながら白川郷へ。その後南下、愛知県一宮では親戚にお世話になり、三河湾に浮かぶ篠島へフェリーで。
篠島で数日過ごし体力を回復し、フェリーで三重県鳥羽に上陸。当初はそこから紀伊半島をぐるっと時計回りする予定でしたが、山を西に突っ切って奈良、和歌山に行きそして京都へ。日本三景である天橋立をめざし、日本海に向けて走りました。
が、しかし。
天橋立の一歩手前の町で出会ったおじさんに食事をご馳走になり、ノリで兵庫県三木の彼の自宅まで連れて行ってもらいました。その三木のおじさんの家では毎日食事を頂き、犬とじゃれあったり観光したりのんびりして日々を過ごしました。そして気がつけばそこで何週間も過ごしてしまい、そのツケを払うためにバイクを借り、梅雨の重たい雲空の下、山陰をバイクで駆け抜けました。三木に戻るとフェリーで四国へ。ようやく兵庫県を抜けました。
香川県高松に着くと美味しいうどんを食べました。そしてそこでも四国を一週周る予定をあっさりと変更。四国の真ん中を着きぬけ、高知県へショートカットする道を選択。
土佐では桂浜に行き、カツオを食べ、のどかな四万十川沿いを走りました。愛媛に着けばそこからフェリーで九州は別府へ。
別府では温泉を楽しみ夏祭りに心躍り、由布院なども観光。そして検討に検討を重ねた上、九州は周らず沖縄に行く事を決意。「自転車旅行」というテーマを捨て“自転車観光”に変更。宅急便で自転車以外のほとんどの荷物を自宅に送りました。
別府からは大分まで行き、そこから夜行バスに自転車を積み鹿児島へ。鹿児島港からフェリーに揺られ沖縄に到着しました。
那覇は国際通りと首里城を観光。都会に飽きて暑い日差しの中北谷に向かい、北谷では数泊してまた那覇に戻りました。目的地であった沖縄に着こうが北谷に行こうがどうしてもゴール感は得られず、そして宮古島に行くことになりました。そしてそこがゴールとなりました。
と、こんな感じです。「中山道を使って京都まで」というのがテーマの1つでしたが、旅の前半であっさりとそれを捨ててしまいました。おかげでそこからは思いつき。何となく行きたい所に立ち寄りながら西へ西へと目指しました。
海沿いか、山道か
僕らの旅したコースは山が多く、峠を越える事が多かったんじゃないかなと思います。
海沿いを走るか山を走るか。どっちが楽で楽しいかな、と考えると、僕は山を走った方が楽で楽しいと思います。山は多くの峠を越えなければなりませんが、海沿いに比べると遥かに涼しく過ごしやすく、自転車もこぎやすいです。そして車も少なく空気もキレイだし静か。これが山を走る魅力です。バイクだったら海沿いでも気持ち良いかもしれませんが、ゆっくりと時間をかけて走る自転車には山の道が向いているような気がします。
ちなみに海沿いを何度か走った事もありますが、楽しく走れた記憶は多くありません。真っ直ぐな道なら暑いだけで済むのですが、半島沿いの曲がりくねった道はアップダウンアップダウンも多く道は狭く車も多く大変でした。
山を走り慣れてしまうと山道の方がよっぽど楽に感じてしまいます。なのでこれから自転車で旅をしようと考えている人には山道をおすすめします。峠を越えることもメリハリになります。
自転車旅行のテーマ
1. 毎日テントでキャンプ
自転車旅の基本だと思いますが、旅費を抑えるためにはキャンプしかありません。都会に宿泊する事をどうしても避れられない場合はビジネスホテルやゲストハウスを利用しました。
道の駅を宿泊地に
キャンプをした場所はほとんどが道の駅です。基本的に道の駅は一定の間隔で位置しているので、そこを点々と移動しながら旅を続けました。食料もそこで手に入れられます。
道の駅が無い場合は公園で、公園すら見つからない時が一度ありましたが、その時は橋の下にテントを張ることになりました。
2. 毎日自炊
基本的に夜ご飯はしっかりと作り朝と昼は簡単なものを食べる、というのが僕らのスタイルでした。でもその日の気分とか、がんばったから、とかそう言う理由で外食することも多かった様に思います。
道の駅では現地の食材が手に入るので料理が楽しくなります。それでも僕は米しか炊けないので、全ての料理はとみちゃんが作ってくれました。
3. ダッチオーブンでの料理
登山でも旅でもそうですが、無駄な事を極力減らしてストイックにやるのが一番簡単だとは思いますが、それじゃあ面白くないって事で僕らは料理を工夫することにしました。それがダッチオーブンでの料理です。ダッチオーブンって鉄でできた重たい鍋なんですが、食材を入れて煮込むだけで美味しい料理が作れる「魔法の鍋」と呼ばれることもあります。
とみちゃんはダッチオーブンを使い様々な美味しい料理を作りました。しかも簡単に短時間に。けれどこれはダッチオーブンだからではなく、とみちゃんのセンスの良さがあったからこそだと思います。
ダッチオーブンは3キロくらいありとても重たいものでしたが、おかげで美味しい料理が食べられて、そして元気よく旅が続けられたんだなと思います。
4. パソコンで毎日日記をアップ
これは辛かったです。本当に面倒でした。パソコンがなければもっと楽しい旅なのに、と何度も思いました。それくらい面倒でした。というのも、ブログじゃなく普通のウェブサイトを更新しなければならなかったのです。写真のサイズも変更してHTMLを編集して、ということを毎晩やっていたのでその作業が億劫で仕方ありませんでした。
インターネットにはウィルコムのカードを差して接続していました。山の中では電波が拾えませんでしたが、主要な道路では大体使えたので日記をまとめてアップしていました。
5. 温泉に入りながらの旅
とみちゃんが無類の温泉好きって事もあり、「温泉に立ち寄りながら旅をしよう」と言うのも旅のテーマの1つでした。僕は温泉とか特別に好きな方じゃなかったのですが、とみちゃんが作ってくれた料理もそうですが、温泉に入っていたおかげで旅を元気に続けられたんじゃないかな、と思います。そして温泉に入り続ける事で僕も温泉が好きになりました。めずらしい温泉にも入る事ができたので楽しかったです。
6. 中山道を走る
東京から沖縄へ、という事で西を目指していたのですが、どのルートで行こうかなと考えていました。東海道か甲州街道か中山道か。東海道は車が多そうって事でパスしたのですが、中山道を選んだ特別な理由は無いと思います。甲州街道でも良かったのですが、多分僕がそれまでに中山道を車で走った事が中山道を選ぶ理由だったと思います。
7. 北アルプスの山を登る
何故かは覚えていませんが、当時すごく北アルプスの山に登ってみたくて、上高地に行ったら絶対に山を登ってやろうって考えてました。それで上高地にまで山道を登って行ったわけですが、全然だめでした。まず寒いし、残雪もあるし、装備も何も無いしって感じで、山について完全に無知でした。上高地に到着して「無理だな」と理解できました。
自転車のこと、装備や持ち物のこと
旅の自転車 ランドナー「丸石のエンペラー」
僕らの自転車「丸石エンペラー」を紹介しています。なぜランドナーを選んだのか、旅の途中に故障はあったのか、など書いています。また自転車旅にはかかせないキャリア、「日東キャンピー」についても書いています。
自転車旅行の装備と持ち物
僕らが自転車に積んで走っていた装備、持ち物などを紹介します。スノーピークのテント、MSRのガソリンストーブ、ロッジのダッチオーブンなどなど。その道具を使った感想や必要だったか、そうでなかったか、などを書いています。
自転車への荷物の積み込み方
このページでは僕がどの様に自転車に荷物を積み込んでいたか、リアキャリア、フロントキャリアに何をいれていたか、それと雨の日の対策方法などを書いてます。僕の荷物の積載方法に特別な方法などはありませんが、経験した事を書いたので参考になれば、と思います。
自転車旅行記「東京から沖縄へ」
埼玉県
群馬県
長野県
岐阜県
愛知県
三重県
奈良県
和歌山
奈良県
京都府
兵庫県
京都・鳥取・島根県
兵庫県
香川県
徳島県
高知県
愛媛県
大分県
沖縄県
とみちゃんの温泉備忘録
自転車で旅をしながら各地の温泉に入ります!
大地の恵みである温泉につかりながら鳥や虫の声、清流の音、風に揺れる木々のざわめきに耳を傾け、夜空に輝く星や月を眺め、こんこんと溢れていく湯をぼんやりと見つめる・・・。 ん~ 極楽 極楽 ヽ(´∀`)メ そんな贅沢なひと時を旅の楽しみとした、とみちゃん。(ちなみにあらたくんは旅の途中での遊びやおいしい食べ物を楽しみとしています!?) 山あり谷あり、秘湯になればなるほど大変な道のりがあり、 行き先とは別に、わざわざ何時間もかけて遠回りする湯もあるけど、辛いことの後には楽しいことがあるっていうじゃないですか。 温泉の温かさに抱かれ、人の温もりを求めて沖縄への旅は続く・・・。(とみちゃんより)