自転車旅行13日目:長野県塩尻から松本、安曇野へ
2007年5月19日
朝起きると、天気は良かった。昼過ぎに晴れる、という天気予報ははずれた。この機会を逃さないよう、すぐに準備し出発した。朝ごはんは、昨日の夜作ったおにぎりと、ほうとうの残り汁スープだ。
道の駅「小坂田公園」は山の途中にあり、松本方面に行くには坂を下るだけである。松本へはそう遠くないので、ゆっくりとゆっくりと山を下った。手前には塩尻の町並みと、遠くには壁のような山々が見える。そう「北アルプス」だ。今まで見てきた山とは規模が明らかに違う。宇宙にまで届きそうな黒い壁が何故か呼んでいるような気がした。
松本市内の道路は、ちょうど江戸川を思わせるような何処か懐かしい気がした。交通量が多いその道をずーっと下り続けた。途中よし牛で昼飯を食い、スポーツショップでマグライトの電球を探した。JR松本駅の手前で突然雨が降り出したが、すぐやんでくれた。
松本は若い人が多い。ちょうど二十前後だろうか。また楽器を持っている人間が多く目立った。松本駅に着くと、観光案内所で資料をもらい、ドトールで作戦会議をした。
僕は単純に上高地に行きたい。とみちゃんには、上高地に行きたい温泉が多くある。行きづらい場所であればあるほど温泉通の心を騒がせるのだ。どうしたら、行きたい温泉をバスで回れるか、と、とみちゃんは観光案内所でもらったバスの時刻表を真剣に見つめているのである。はじめ上高地へは自転車で行く予定だった。ただ、いくつかの山を越えるうちに、別にバスでもよくねえか、という事になった。とみちゃんも峠攻めはかなり苦手なようだ。
上高地行きをやめようと言う話もあった。このまま中山道を木曽路に向かえばいいじゃないか、という事にもなった。しかし今僕は思う、「めんどくせえ」と。バスの時間を合わせるのがめんどくせえ。ホテルに予約とるのがめんどくせえ。荷物を朝早くあずけられるか聞くのがめんどくせえ。自転車もあずけられるかどうか聞くのもめんどくせえ。「自転車で行けばいいじゃないか!」そうすれば全ては解決する。バス代も気にならないし、入りたい温泉に全部入れる。気に入ったら何泊でもすればいい。こうして、上高地へは自転車で行く事となった。
松本城と浅間温泉
松本城には何年か前に家族と来た。その時は夜に城を見ただけで、昼間は始めて見た気がする。
僕が今までに見てきた天守閣の中では、松本城のものはかなりクラシックな気がする。小さくて無骨で荒削りなデザインだ。「戦国」というイメージをもたせられた。
松本城を見た後は、松本から近くにある浅間温泉へと向かい日帰り温泉に入った。3日ぶりの風呂になる。男風呂は客が僕しかいなかったので怖かった。顔を洗っても、頭を洗っても、目をつぶらなかった。目をつぶろうがつぶるまいが、出てくるものは出てくるのだが。
道の駅アルプス安曇野「ほりがねの里」
風呂を出て、濡れた髪を乾かしながら今日の宿泊地である道の駅「ほりがねの里」に向かった。
ちょうど日が沈む時間帯を西に向かって走って行く。北アルプスの雪がまだ残る頂上が、逆光で輝いて見える。松本市内を離れると国道を残してあとは一面畑となり、僕の視界を遮るのは北アルプスだけとなる。梓川を越え、アルプスのふもと安曇野にたどり着いた。
出発地 | 現在地 | 走行距離 | 走行時間 | 総走行距離 | 朝飯 | 昼飯 | 夜飯 |
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塩尻 | 安曇野 | 45k | 5時間 | 318.7k | おにぎり | よし牛 | 豚しょうが焼 |