はじめてのテント泊登山。
装備は何?費用はいくら?
登山の醍醐味テント泊。必要なものはテントと寝袋とマット。さて、それら一式を揃えるといくらになるでしょうか?
このページでは装備一式を用意するのにかかる費用の紹介、またそれそれぞれの装備の選び方を解説しています。
テント泊に必要な装備と費用
必要なもの
上の画像、左上からシュラフカバー、テント、寝袋、マット、テントのポールになります。
青色のシュラフカバーは状況によっては使用すると言った感じですので、はじめは用意する必要はありません。ですので、
- テント
- 寝袋
- マット
を用意すればテント泊がはじめられます。でもこれらを収納するために、容量の大きいザックが必要になるかもしれません(50リットル以上はあった方がいいと思います)。
テント泊装備の費用
メーカー / 商品名 | 重量 | 価格 | |
---|---|---|---|
テント | アライテント / エアライズ1(一人用) | 1,360g | ¥42,900 |
寝袋 | イスカ / エア450X ショート | 800g | ¥37,498 |
マット | THERMAREST / リッジレスト ソーライト | 400g | ¥5,190 |
2,560g | ¥85,588 |
合計85,588円(2019年12月現在)
とても高いと思いますが、特別高価なものを使用しているわけではありません。テントも寝袋もマットも登山ではごく定番のアイテムで、テント泊の装備にこれくらいの予算をかけている人は少なくないと思います。
私の場合、幅広い季節で登山がしたかったのでこの様な商品を選んだ、という形です。寝袋とマットを温かいものを選んでいます。
抑えたバージョン
メーカー / 商品名 | 重量 | 価格 | |
---|---|---|---|
テント | プロモンテ / 超軽量山岳テント(一人用) | 1,400g | ¥39,445 |
寝袋 | モンベル / アルパイン ダウンハガー #3 | 815g | ¥19,900 |
マット | BUNDOK / アルミ ロール マット×2 | 500g | ¥1,984 |
2,465g | ¥63,313 |
合計63,313円(2019年12月現在)
夏の高山でテント泊、をテーマに選び2万円ほど安くできました。
テントは定番のプロモンテ。寝袋はコスパのいいモンベルのアルパイン ダウンハガー#3。リミット温度が0℃なので、夏の北アルプスでも大丈夫だと思います。
マットは思い切って銀のロールマットを2枚。8mmの商品だったので、さすがにそれは薄いと思い2枚にしてみました。地面からの寒さ対策としてもですが、岩場にテントを張る場合、地面のゴツゴツを緩和するのに厚めのマットが最適です。(わざわざ2枚にしなくても、探せば安くて厚みのある製品はあると思います。。。)
はじめは安いものでいい?
テントは買い替えたくないので初めから評判の良いものを選ぶことをおすすめしますが、寝袋は予算を大きく削れる装備なので、とりあえず安いもの(モンベルのアルパイン ダウンハガー#3程度のもの)を選ぶのもありだと思います。
必要以上に温かい寝袋は寝づらいこともありますし、寒い時はダウンジャケットとダウンパンツを着込んで対応することもできます。
自分のやりたい登山にあった装備を選ぶのが一番ですが、そこが一番難しいですね。じっくりと考えて後悔のない様にしたいところです。
それぞれの装備の詳しい解説を下記でしていますので、参考にしてみてください。
登山用テント(山岳テント)の特徴
登山用のテントの特徴
登山で使用するテントのことを「山岳テント」と呼んだりしますが、その特徴には「軽くてコンパクトになる」「雨風に強い」「省スペース」「組み立てが容易」などが挙げられます。
登山ではあらゆるシチュエーションや環境でテントを張ることが考えられるので、それらに対応出来る様設計されているのが山岳テントです。
そのため山岳テントは内部が狭いです。天井も低いので食事以外は寝転がっているのが一番楽な態勢になります。テント内でゆっくりと過ごすというより、寝て体力を回復をする、雨風から身を守る、というイメージのテントになります。
まずは日本のメーカーの定番モデルを
アライテントのエアライズ。テント場でみない日はありません。
頑丈で軽い素材などを使ったりしますから、キャンプ用のテントと比べると価格は高い傾向にあります。
山岳テントを買う際は、まずは日本の登山メーカーの定番のモデルを選ぶのが間違いないと思います。長く使われてきた実績もありますし、万が一故障した時は修理も楽です。
より詳しくテントの選び方について知りたい方は、下記リンクを参考にしてみてください。定番の山岳テントなども紹介しています。
はじめての寝袋は「3シーズン用」を
寝袋はシュラフ、またはスリーピングバッグとも呼ばれます。
登山用の寝袋はマミー型と呼ばれるタイプで、体にフィットし熱を逃しにくい形状をしています。
たくさん種類のある寝袋。値段の差の理由は?
モンベルの寝袋製品を見てみると、何十種類もラインナップがあることがわかります。価格は一万円強~7万円まであり、重さも保温力も様々です。
商品の価格は、保温力と重量よって変わります。超高品質のダウンを使用した軽量かつ温かい寝袋が高価で、化繊の重い寝袋は安価となります。
商品名 | 素材 | 重量 | コンフォート温度 | リミット温度 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
バロウバッグ #1 | 化繊 | 1,680g | -3℃ | -9℃ | ¥19,500 |
ダウンハガー900 #1 | 超高品質ダウン | 821g | -4℃ | -10℃ | ¥70,200 |
上の表はモンベルの「国内2,000m級のほとんどの冬山で幅広く使用できる」と説明書きのあった2つの製品です。
2つとも同等の保温力を持つ寝袋ですが、お金をかければ約800グラムも軽くできることがわかります。
まずは「3シーズン用」の寝袋を
最初は「3シーズン用」を選ぶのが一般的です。「夏の高山、冬の低山向き」と書かれたモデルです。快適使用温度は0度前後、リミット温度または最低使用温度が-5度前後の製品が3シーズン用となります。
幅広い季節で使用できるので大変使いやすいです。
上述しましたが、質の高いダウンを採用した軽くて温かいものは高いという現実があります。3シーズン用のラインナップの中から予算と体力にあった、適当な製品を選びましょう。
シュラフのサイズも考える
私が使っているイスカの寝袋を例にあげますが、イスカのエア450Xは「ショート」と「レギュラー」の2サイズ展開です。
背の低い方や女性はショートサイズがおすすめです。寝袋が体にフィットすれば保温のロスとなる無駄なスペースを抑えることができますし、重量も軽くできるのです。
私の場合
イスカのエア450X、ショートサイズを使用しています。3シーズン用で、夏のキャンプ場から秋の高山までこれ一つで済ましています。
冬の赤岳登山では寝袋の中で厚めのダウンジャケット、ダウンパンツを身につけ寒さをしのぎました。
登山の寝袋についてより詳しく書いています。お時間あれば参考にしてみてください。
3種類のマットのメリット・デメリット
テント内で寝袋の下に敷いて使用するマットです。地面からの冷気を防ぐ断熱、デコボコをカバーするクッションの役割があります。テント泊をする場合には必ず必要な装備の1つです。
マットには、インフレータブルマット(空気注入式)、ロールマット、フォールディングマットの3種類あります。どれも役割は同じですが、収納方法や持ち運び方が異なります。
インフレータブルマット(エアマット)
3種類あるマットの中で一番コンパクトになるのがインフレータブルマット。空気を入れて使用します。
コンパクトに収納できるので携行に便利です。マットがザックに収納できると公共機関での移動でも邪魔になりませんし、岩場や木に引っ掛けることもないので安全です。
空気を注入する作業やスタッフサックに収納するのにやや手間がいります。
ロールマット
銀マットに代表されるロールマットです。
丸めて収納しますが非常にかさ張ります。持ち運びはザックの外にくくりつけるか、ザックの内周に沿わせて収納します。
使用したい時にサッと取り出せるこのがロールマットの魅力で、テント内だけでなく食事時や休憩時のシートとしても使うことができます。
インフレータブルマットの様に穴が開いてだめになる心配がないので、直接地面に敷くなど雑に扱えるのが使いやすいです。
フォールディングマット
アコーディオン式に折りたたむことができるマットです。使い方、寝心地はロールマットと変わりませんが、巻き癖がつかないのが大きな特徴です。
また長すぎて必要のない場合は折り目で切って、それを座布団や枕としてもできます。
3種類のマットを紹介しましたが、どれを選ぶかは好みの別れるところです。
私はサーマレストのロールマットやフォールディングマットの寝心地が好きで使用していますが、危険な岩場を縦走する際はザックにくくりつけたマットが邪魔になるので、収納できるインフレータブルマットを選んでいます。
マットもサイズが選べる
マットも寝袋と同じくスモール、レギュラー、ラージと3サイズ用意されているモデルがあります。
テント内に敷き詰めて断熱性をあげたいならラージサイズ、身長の低い方や、軽量化にこだわる人はスモールサイズを選んでもいいかもしれません。
シュラフ(寝袋)カバーの役割
寝袋の保温性能を向上させるため、水濡から守るために使用するのがシュラフカバーです。名前の通りシュラフ(寝袋)に被せて使用します。
色々な使い方のできるシュラフカバー
厳冬期には必要になる装備ですが、それ以外の季節でもシュラフカバーがあると便利です。
夏用の薄い寝袋にシュラフカバーを併用すれば、春や秋にも使用出来る場合もありますし、3シーズン用と併用すれば寒い時期の登山にも対応できます。
また夏の暑い日には、シュラフカバーをシュラフの代わりにして荷物を軽量する人もいます。
シュラフカバーには寝袋を水から守る役割もあります。特にダウンの寝袋は水に弱いので、テント内の結露で濡らさない様にしてあげる必要があります。
1泊の登山では気にすることはありませんが、縦走で寝袋が濡れてしまうと乾かせなくなるので登山の内容によっては用意したい装備の一つです。
その他の装備、アイテム
ヘッドランプ
赤色LED搭載モデルがおすすめ
登山の必需品のヘッドランプですが、テント泊においてはランタンとしての役割があります。テント内にぶら下げ照明として使用します。
テント泊をする際におすすめしたいヘッドランプは、赤色LEDがあるモデルです。夜間テント内で物を探す時やテント場からトイレに移動する際、他の登山者に迷惑をかけずに視界を保つことができます。
テントマット
テントの床全面を覆うサイズを持っていって、個人マットの下に敷きます。
個人マットとの隙間が埋まるので冷たさも防げるし、テントの床には食べ物をこぼしたりもするので、生地の保護になります。
必ず必要なものではありませんが、数人でテント泊をするとき、自分のテントを提供するときにはあった方がいいと思います。
グランドシート(テントシート)
テントの下に敷き、テントの底が汚れるのを防いだり、傷つけや破損を防いだり、地面からの湿気を防いだりする役割があります。
私の経験になりますが、グランドシートを登山で使用している人はたまに見かける程度です。岩場でテントを張る際にはグランドシートの様なものがあれば最高ですが、極力荷物を減らしたいので持っていても置いていく、というアイテムになるかもしれません。
上で紹介している商品の様に、テントメーカーは自社テント専用のグランドシートも作っています。ですがもっと安い類似品はたくさんあるので、それらを利用してもいいと思います。