みんなはどんな山を登っているの?
登山で人気の山のご紹介
登山をこれから始めようという初心者の方は「みんなどうやって山を探すの?」「どういう基準でたくさんの中かから選ぶの?」と疑問に思いますよね。
ズバリ、みんな人気の山に登っています。登山者が多い人気の山は水場やトイレなどの設備が整い、またアクセスも便利なので登りやすいのです。
そこで、このページでは多くの登山者が登っている日本の「人気の山」を紹介します。具体的な山選び、準備の話は後でしますので、まずはみんなが登っている山々のイメージを掴んでみましょう。
日本百名山
深田久弥が選んだ100の名山
ベテラン、初心者に関わらず「日本百名山」といわれる山々が登山者に人気です。
日本百名山とは、約100年前に生まれた深田久弥というある登山家が独自の基準で選んだ日本国内の100の山々で、1冊の本にまとめられています。ガイドブックではなく、その山についての思いや登った時の感想をつづったエッセイ・紀行文というものです。まったくの主観で選んでいるわけですが、選ぶ基準の一つを「だれが見ても立派な山だと感嘆する」としています。
そのねらいのとおり、広く日本中から選ばれた山々は多くの人が賛同するところなのでしょう。多くの登山者が100名山制覇を目指して登山しています。
日本百名山の所在地
こちらは日本百名山の所在地を示した地図になります。日本全国にある百名山ですがその多くは中部地方に集中していることがわかります。(日本百名山登山の一覧と情報・地図 のページでは、日本100名山の登山適期や標高等のデータをまとめています。)
百名山は情報も多く、整備されて登りやすい
見た目が立派で登り応えもあり、眺めもそこそこ良い日本百名山は、多くの人が「どの山に登ろうかな」と迷った時の指標となってくれます。
そしてこのように多くの人が登る山には道標やトイレ、水場、登山道も整備され、駅からのバスが運行されていたりと便利に整えられていきます。ビジターセンターができたりして観光地としての役目を持つようになるものもあり、ガイドブックや雑誌にも多く登場し情報も多く、ますます登りやすい山となっていきます。
初心者でも始めやすい、標高の低い山、歩行時間の少ない山もたくさんあります。
日本アルプス、八ヶ岳の山々
標高が3000m級の山々と壮大な景色
「北アルプス」、「中央アルプス」、「南アルプス」と言われる、中部地方に位置する「日本アルプス」の山々も大変人気があります。これらは地殻運動で出来た大山脈で、標高が3000m級の山々が多く連なっています。荒々しく雄大な景観はまるでスイスアルプスの様に壮大で、日本百名山に日本アルプスの山々が多く選ばれているのにもうなずけます。
標高が高い山は植物にも変化が現れます。歩き始めは深い森だったはずなのにいつの間にか木が低くなり、やがて高山特有の低木のみになります。そして岩の間に咲く小さいけれど鮮やかな花が目立つようになり、それはまさにその山のその時期にだけしか咲かない花だったりして心躍ります。
北アルプス
北アルプスとは飛騨山脈のことで、有名な槍ヶ岳、穂高岳、白馬岳、立山、剣岳…など多くの壮年期と言われる険しい山を有しています。山雑誌などでも北アルプス特集が多く、日本の山の花形的なイメージがあります。
麓には上高地や奥穂高温泉、黒部ダム、室堂…などたくさんの観光地もあります。そのまま北へ行くと日本海の海までつながっている長い山脈です。
人気の山が多いので駅からの路線バスや都心からの直行バス、登山者だけを上に運ぶ山岳バスなど、乗り物のアクセスに恵まれています。
南アルプス
南アルプスは赤石山脈と呼ばれますが、誰でも行きやすいかという面で、北アルプスと真逆の面があります。まず登山客が北アルプスほど来ないので、バスも頻繁にはないとか、あまり上まで行かないとか、つまり到着までに時間がかかります。
それでも南アルプスの北半分に関しては北アルプスと同じように便利であり、短い時間でも華やかな登山を楽しめるコースがありますが、南アルプスの南部半分に関しては「玄人好みの山」という感じで、そんな山深いところだからこそ好き、という人が登りに来る山です。
中央アルプス
中央アルプスも、北アルプスや南アルプスと同じように壮年期の壮大な眺めの山脈です。
北アルプスや南アルプスに比るとべアクセスが悪かったり、山小屋や水場が無かったり、つまり登山客がたくさん歩かないのでそのための設備が少ないのですが、千畳敷カールはピンポイントで大人気です。2612mまでロープウェイが連れて行ってくれますから着いたところはもう天空の世界です。
高山植物もあり、壮大な眺めがあります。ここから日帰りや1泊で周辺の山を歩くコースも人気がありますし、ただの観光としてでも見ごたえがあります。
八ヶ岳
八ヶ岳は日本アルプスとは山のでき方が違い、火山の山々が連なった山脈です。アクセスが大変便利なので、日帰りや1泊2日で登れるコースも多いのが大きな魅力です。さらに苔むしたしっとりした森、静かな湖、岩稜の頂き、大きな岩がゴロゴロ積みあがっている不思議な景観など、比較的コンパクトなエリア内でいろんな表情をたのしめます。
南アルプスや富士山が見渡せることも多く、山の上から見る別の山の山並みは、やはり下界で見るのよりも存在感を感じます。
冬には、アイスクライミング、クロスカントリースキー、スノーシューなど雪に親しめるアクティビティも多く、雪山登山、残雪気の登山としても初心者がトライできるコースがたくさんあります。
道路が整って簡単に登頂出来る山
日本には山頂付近まで車やロープウェイ、ケーブルカーで簡単に登れてしまう高山がたくさんあります。
乗鞍岳、西穂高岳、伊吹山、木曽駒ヶ岳、御在所岳、立山などなど。それらの良い所は、大金を掛けて道路やロープウェーを作ろうと思えるくらい、景観の素晴らしさが約束されているところです。また、観光地であることもあって売店やトイレ、バスなどのアクセスも充実していることが多いです。
登山をはじめたいと思った人が「まずは行ってみよう」と思える気軽さがあります。
乗り物を使って山に登ると「登山」という感覚はだいぶなくなってしまいますが、片道だけ利用すれば時間短縮にもなります。登りは登山、帰りは乗り物、という方法は体力に自信のない人にもおすすめです。
大きくはないけど好まれる山
その他に人気があるのは、手軽に行ける近い山です。関東だったら代表的なのは高尾山や筑波山。こういったと山なら、「はぁ~自然に触れたい!」と思ったら手軽に行けてしまうという最大のメリットがあります。
テントを背負って何日も前から準備をして望む登山とは全く別モノのような感じがしてしまいますね。
しかし雄大で圧巻の景色とは言えなくても、こういった手軽な登山もまたたくさんのニーズがあります。普段の運動靴で気軽に、友達とピクニックにとか、子どもと公園に行く代わりにとか、エクササイズのためにとか、町なかにある自然公園の延長のような感覚でちょっとした山を楽しめる機会があることはうれしいことです。
これをもうちょっと進めると、関東で言えば奥多摩とか丹沢とかの山が比較的都心から近く身近な山となってきます。
これらにも日帰りできる気軽なコースもありますが、下調べをして完全な登山装備で行くべきコースもあります。
さて、このページでは登山者が登っている人気の山々を紹介してきました。ほとんどの人が日本百名山、日本アルプス、八ヶ岳、アクセスが便利、そして気軽に行ける山などから選んで登っているんですね。
次はより具体的に、登山ではとういったところを歩くのかを紹介したいと思います。