登山の料理道具「ストーブ・燃料・クッカー」の解説と選び方
登山でお湯を沸かし、レトルト食品やフリーズドライ、ラーメンなどを作って食べたい時に必要なる道具は「ストーブ、燃料、クッカー」の3つだけです。
この3点があればお米も炊くことができますし、料理も作れます。
登山での料理経験がない人はこれだけでも重そうだと感じるかも知れませんが、軽い道具を揃えれば3つあわせても500g程度で済みます。
たった500グラムの増量で山の上でアツアツのご飯を食べられるので、登山になれてきたら是非挑戦してみてください。
このページでは、その料理3点セット「ストーブ、燃料、クッカー」の種類やメリット・デメリット、選び方などを中心に、あると便利な料理道具なども紹介しています。
ガスストーブ(ガスバーナー)と燃料
登山でお湯を沸かしたり料理をしたり、火を扱う時に必要になるのがストーブです(バーナーとも言います)。
登山で最も使われているタイプのストーブです。
自宅やキャンプで使うコンロと同じ様なものですが、登山専用の物は軽く小さく携帯に便利で、また気温が低い場所でも火力が落ちにくいと言った特徴があります。
扱いも簡単、まず最初に買うべきストーブ
こちらが一般的なガスストーブです。
マグカップの様な物はクッカー(アウトドア用の鍋の様なもの)と言い、下の緑色のものは交換式のガスカートリッジです。
登山ではこの様なセットを用いてお湯を沸かしたり料理をしたりします。
ガスストーブの使用方法はとても簡単で、カートリッジにストーブを装着したらツマミを回し自動点火ボタンを押すだけです。
自動点火ボタンが無いモデルはライターの火で点火をします。
この様な扱いやすさ、手軽さがガスストーブの魅力です。温かいお茶が飲みたいと思ったらすぐに湯を沸かし始めることができます。
まず最初に買うべきストーブと言ってよいでしょう。価格が安い物も多く選択肢がたくさんあります。
なおガスストーブは地面からの高さがあるので安定性は少し悪いのですが、気をつければ問題はありませんし、ストーブとカートリッジが分離したモデルも販売されています。
コンパクトになり収納にも便利
上の写真の様に、コンパクトなガスストーブならクッカー、ストーブ、ガスカートリッジの3点セットをまとめて持ち運ぶことができます。
料理に必要な道具がまとまって便利ですし、ザックへのパッキングも楽になります。
ガスストーブの選び方
日本製。軽量で風にも寒さにも強いどこでも評価の高いSOTO(ソト)のマイクロレギュレーターストーブ。グッドデザイン賞も受賞。
コンパクトで自動点火装置つきがおすすめ
ガスストーブにも様々なモデルがありますが、おすすめはコンパクトで自動点火装置がついているモデルです。
上でも書きましたが、コンパクトなストーブクッカーに一緒に収納をすることができますし、自動点火装置つきならサッと使えます(それでもライターは忘れない様にしましょう)。
大きい鍋にはバーナーヘッドの大きいものを
大人数の登山で、大きい鍋を使った料理を作る予定の人には、小型なものよりバーナーヘッドが大きいタイプがおすすめです。
広いバーナーヘッドで料理に最適。風にも強い伝統のストーブ
ガスカートリッジについて
ガスストーブに必要なのがガスカートリッジ(OD缶(アウトドア缶)とも言います)ですが、アウトドア用の物は家庭で使用するカセットボンベに比べ頑丈でパワーがあります。
一般的なガスカートリッジの重量は230g程度で値段は450円ほどになります。
コンビニなどには置いてありませんが、登山用品店の他にはホームセンターでも取り扱っている場合があります。また山小屋でも販売していることもあります。
カートリッジのサイズ
例えば上の画像のEPIgasの場合、110、230、500と3サイズあります。数字は内容量になります。
クッカーに収納するのに適したサイズが230なので、登山では230が広く使われています。
細身のクッカーの場合は230が入らないこともあるので、その場合サイズの径の小さい110(径は90mm)を選びましょう。なお230と500の径(109mm)は同じです。
ガスカートリッジの扱いの注意
ガスカートリッジはメーカー推奨のものを使う用にしましょう。どれも同じ用に見えますが、本体とカートリッジを接続するバーやパッキン部分が微妙に異なるため事故に繋がる可能性があります。
なにかトラブルがあっても保険が適応外になってしまいますので注意して下さい。
また使い終わったカートリッジは必ず穴をあけ、ガス抜きをしてから処理をする必要があります。
寒冷地用のカートリッジ
またノーマルのカートリッジの他、寒冷地用、極寒冷地用等のガスカートリッジもあります。
寒冷地用のストーブを暖かい所で使用すると火が出る場合があるので注意して下さい。
ガス詰め替えアダプター
中途半端にガスが残ったカートリッジがいっぱいある、どれだけ使えるかわからないから山に持って行くのも怖いし捨てるのももったいない、と言う問題に多くのガスストーブ使用者が直面します。
そんな場面が訪れたらこちらの詰め替えアダプターが便利です。OD缶からOD缶へガスを移し替える事ができる優れものです。
また、一般的なカセットボンベのガスをOD缶に移動出来るアダプターも販売されています。
カセットボンベが使えるストーブも
多くのストーブがOD缶を使用しなければなりませんが、中にはカセットボンベ(CB缶)を使用できるモデルもあります。
普通、カセットボンベは外気温が低いと火力が低下するという弱点がありますが、こちらのストーブの様に外気温の影響をほとんど受けずに使用できるものもあります。
OD缶と違ってカセットボンベはコンビニでも買えますし、飛行機で登山に向う場合でも燃料の現地調達が簡単です。
こちらのソトのレギュレーターストーブはやや重量がありますが、自宅でも気軽に使えること、またカセットボンベは災害時にも入手しやすいこと、などのメリットがたくさんあります。
その他のタイプのガスストーブ
ストーブ、カートリッジ分離型
多くのストーブはガスカートリッジに直接ストーブを取り付けるタイプですが、中には分離されているモデルもあります。
この分離型ストーブの長所は安定性があることです。地面への距離も近く、またゴトクが大きなモデルがほとんどなので多人数での登山料理も安定して作ることができます。
ジェットボイル
少し特殊ですが、 保温クッカーと熱効率の高いストーブがセットになったジェットボイルと言う商品もあります。
アルファ米とフリーズドライの汁物、食後のコーヒーなどに必要なお湯を沸かすことができるサイズで、小さなクッカー内にすべて収納出来る様になっています。
日本ではモンベルが正規取扱店です。
ガソリンストーブ、アルコールストーブ
ガソリンストーブ
燃料に主にガソリンを使用するのがガソリンストーブです。少数派にはなりますが、ガスストーブの次に利用者が多いと思われます。
登山以外の、バイクのツーリングの人だったりキャンパーの人にも愛好家が多いのでそう感じるのかも知れません。
使用するのにひと手間かかるストーブ
サッと使えるガスストーブ違いガソリンストーブは使うのにやや手間がかかります。
上のストーブの場合赤いボトルにガソリンを入れるのですが、そのガソリンをストーブに送るために「ポンピング」という作業、また「プレヒート」(余熱を与えること)という作業を毎回やる必要があります。
ガスストーブに比べると手間であることには違いありませんが、むしろこれらの作業を楽しむ人の方が多いかもしれません。
私もそうですが、道具としてはガスストーブよりもガソリンストーブの方が使っていて楽しいですし、構造がシンプルなので「自分で火を作っている」という感覚があります。
ですがその分事故にも繋がりやすいので、使用する時には注意が必要になりますし、定期的なメンテナンス(自分で出来る)も大切になります。
ガソリンストーブの燃料と入手方法
ガソリンストーブと言う名前ですが、例えば上で紹介しているMSRのドラゴンフライはガソリン以外に、ホワイトガソリン、灯油、ディーゼル(軽油)なども使用できます。
それらの燃料ですが、ガソリン、灯油はガソリンスタンドにボトルを持っていけば購入することができます。
ホワイトガソリンはホームセンターのキャンプコーナー等で買うこともできますし、アマゾンでも販売されています。
ガソリンストーブの特徴
ガソリンストーブの特徴はまず燃料が安いということがあげられます。なので頻繁に、しかも本格的に料理を作る人には向いていると言えます。
その他には低温に強い、火力が強い、燃料を手に入れやすい、ガスカートリッジの様にかさ張らずに大量に燃料を持ち運べる、カートリッジのゴミが出ない、などです。
ですので一般的な登山と言うより海外遠征や数日間縦走をする、雪山に登る、大人数で料理を作る、と言った様な登山スタイル向きのストーブかもしれません。
もちろん、日帰りのソロ登山でお湯を沸かすためだけに使う、と言うのも全然ありです。
ガソリンストーブは重いけど楽しいから使う、と言うのも登山の楽しみ方の一つだと思います。
アルコールストーブ
ガソリンストーブよりさらにシンプルでワイルドなのがアルコールストーブです。
使い方もとっても簡単で、ストーブにアルコールを注いで火を着けるだけです。
ストーブ自体の仕組みもシンプルなので自作のアルコールストーブを作る人もたくさんいます。
燃料である「燃料用アルコール」は薬局で売られているので入手は簡単ですし、アマゾンでも安く購入できます。
ガソリンストーブ同様にアルコールストーブにもファンが多いです。
軽いけれど料理が充分にできる火力
半世紀以上のロングセラー。定番、トランギアのアルコールバーナー
アルコールストーブの魅力は軽さです。
ストーブ本体も軽いのですが、使用するアルコールの量が予めわかっていれば山に余分に持って行かずに済みます。そう言った理由から、荷物を少しでも軽量化したい人が選択するストーブだったりもします。
モノにもよりますが、火力もあるので料理はできます。ただしガスストーブやガソリンストーブに比べると風にも弱く、また火力調節が得意ではないので料理に不向きと言えば不向きです。
しかしお湯を沸かしてラーメンを作ったり、簡単な炒め物くらいなら火力調節がなくても作れますので、荷物を少しでも軽くするためにアルコールストーブを選ぶのもありだと思います。
扱いには注意
アルコールストーブもガソリンストーブ同様楽しい道具の一つですが、シンプルなだけに扱いには注意が必要です。使用中にストーブを蹴っ飛ばしてしまうと火の海になる恐れもありますし、日中は炎が目視できないのでヤケドをする危険もあります。
また前述しましたが、アルコールストーブは風にすごく弱いので、外で使用する際には風防(ウィンドスクリーン、シールド)が必要になります。
なおアルコールの持ち運びにはガソリンと同様に専用のボトルを使用したり、「ナルゲンボトル」を利用するのが定番です。風防やナルゲンボトルに関してはページの下の方でもう少し詳しく紹介しています。
クッカーの素材と形状、容量について
クッカーとはアウトドア用の、鍋と食器がセットになった様な調理器具のことで、「コッヘル」とも呼ばれます。アウトドアでも快適に扱えるよう小さく軽く設計されていて、ガスストーブと燃料がすっぽり収まったり、取っ手が折りたたみ式になっているなどの工夫がされています。
クッカーの用途はお湯を沸かす、煮る、炒める、ご飯を炊くなどの調理以外に、フタの部分はとり皿などのウツワ代わりにもなります。
クッカーの形状は円柱形が一般的
登山で使用する一般的なクッカーの形は円柱形です(上の写真の中央と左のタイプ)。
クッカーが円柱形の理由は、ガスストーブのところでも紹介しましたが、クッカーの中にストーブと燃料を無駄なく収納できるからです。また円柱型のクッカーは直接飲んだり食べたりしやすいと言う特徴もあります。
一方、円柱形以外には底浅で広口タイプのクッカーがあります。こちらのタイプはは熱効率も良く調理がしやすいと言う特徴を持っています。どちらが良いか、この辺りは好みだったり料理の内容によっても変わると思います。
クッカーの素材は「チタン」と「アルミ」
クッカーの素材には主にチタンとアルミの2種類があります。
左がチタンの900mlのクッカー、右がアルミの1400mlのクッカーになります。チタン素材のものは色が黒っぽいのが特徴で、反対にアルミは白、銀色と言った色味をしています。
チタンのクッカー
チタンはアルミに比べ値段は高いのですが「軽くて頑丈」という特徴があります。しかし熱伝導率が悪く局所的に熱くなるので、本格的な料理や炊飯などの用途には向きません。また焦げやすくもあります。
お湯は充分に早く沸くので、フリーズドライやレトルト食品だけに使用すると考えればチタンの軽さは魅力的です。
アルミのクッカー
アルミはチタンのクッカーに比べると手頃な価格ですが、チタンに比べて重くへこみやすい素材です。しかしチタンとは異なり熱伝導率がよいので炊飯や料理に向いています。
いずれの素材も長所短所がありますが、まずは価格の安いアルミのクッカーを買って問題ないと思います。
クッカーのサイズと容量について
クッカーのサイズにもいくつか種類があります。例えば登山やキャンプで人気のスノーピークのトレックシリーズのクッカーの場合、700ml(チタンのみ)、900ml、1400mlの3種類のサイズ展開があります。
それぞれの特徴と容量のイメージは、
チタントレック700
- 容量:700ml
- 素材:チタン
- ごはん:1合分炊けるがチタンなので不向き
- ラーメン:日清のカップヌードル二人分のお湯
- 超小型のストーブしか収納できない可能性あり
- ガスカートリッジは小型の110サイズのみ収納できる
(プリムス 小型ガス IP-110、EPIgas 110パワーカートリッジ )
トレック900
- 容量:フタ250ml、本体900ml
- 素材:チタンもしくはアルミ
- ごはん:2合炊くことができる
- ラーメン:カップヌードルは3食、一般的なカップラーメンは2食
トレック1400
- 容量:フタ500ml、本体1,400ml
- 素材:チタンもしくはアルミ
- ごはん:3合炊くことができる
- ラーメン:一般的なカップラーメン3食ぶんのお湯を沸かせる
ここで例に挙げたスノーピークのクッカーの特徴は、上の写真の様にクッカーをマトリョーシカ的に収納できることです。登山をする人数が増えクッカーを追加したい時に便利です。
クッカーのサイズは使用する人数と料理のメニューによって選択肢が変わりますが、まずは900mlのアルミ素材の物が使い回しやすく、価格も安いのでおすすめです。上記3サイズの中でもトレック900の利用者が一番多い様に思います。
角型クッカー(底浅広口タイプ)
少数派になりますが、登山者の中には広口タイプの角型クッカーの愛用者もいます。この形状はガスカートリッジとストーブの3点を一緒にまとめる事が出来ないのですが、広口なので調理がしやすく熱効率も良い、液体を注ぎやすいなどの特徴があります。
登山をする人数が多い、少し凝った料理が作りたい人にはこちらのタイプの方が使いやすいかもしれません。
フライパン付きクッカー
少し変わったタイプのクッカーだと、フライパン、食器、鍋がセットになった物もあります。重いので登山で使用する人はごく少数だと思いますが、キャンプをする人に利用者は多いかもしれません。
私の場合、状況によっては登山で使用することもあります。
登山では極力荷物を軽くして体力を温存する、と言う考えはとても大事ですが、体力にも行程にも余裕があれば多少荷物が重くなっても良いと思っています。
大量の食材と重い料理道具を担いで山に運んでみんなでわいわいご飯を作るのも、登山での楽しいイベントの一つだと思います。
あると便利な料理の道具など
ナルゲンボトル(調味料入れ)
研究にも使われているナルゲンのボトルです。
フタがしっかりと閉まるので登山で使用しても中の液体が漏れません。また醤油や油だけでなく、アルコールバーナーの燃料である燃料用アルコールを持ち運ぶのにも適しています。 サイズも豊富で値段も手ごろなのでおすすめの容器です。
ちなみに化粧品で使われる容器等は登山中、気圧の関係もあり中身が飛び出す可能性が高いので避けた方が良いでしょう。
容器を使わない油の持って行き方には、チューブバター、チューブラード、無料の牛脂を持っていくなどがあります。
また、料理をしない日帰り山行でも、きゅうりに味噌をつけたりオリーブオイルとビネガーを持って行ってサンドイッチを食べる時にかけたりと、ちょっとの調味料でより満足したランチにもなりますので、ナルゲンボトルの様な調味料入れが一つあると活躍します。
メモリ付きのドリンクボトル
上で紹介した調味料ケースと同じメーカー、ナルゲンのドリンクボトルです。メモリ付きなので、料理の際には計量カップとしても役立ちます。
漏れない、頑丈、蓋を落とす心配がない、口が広く洗いやすい、匂いがつかないなどの評判で、登山では定番のドリンクボトルです。
ナイフ、マルチツール
料理用のナイフは特別なものでなくても良いと思いますが、登山ではナイフとハサミ以外を使う機会が滅多にないので、マルチツールは極力シンプルで軽いものがおすすめです。
また、中にはスプーンやフォークがセットになったキャンプ用の物があったりしますが、重く扱いづらいのでおすすめできません。
風防(ウインド、シールドスクリーン)
風防(ウインド、シールドスクリーン)とはストーブの炎を風から守る風よけです。
ガス、ガソリンストーブは風に強いので風に対してそこまで神経質になる必要はありませんが、強風時に使用するケースも考えられるので使用する機会はあります。
炊飯では弱火を扱うので、お米を炊く人は用意した方が良いでしょう。
なおアルコールストーブは風に弱いので風防は必須です。
100円ライター
石を擦って火をつけるライターを「着火石点火式」のライターと言いますが、登山ではこちらのタイプが適しています。標高が高いとプッシュ式のライターは使えなくなることが多いですが、「着火石点火式」のライターは富士山の山頂でも問題なく使えます。
コンビニで買えるBICの100円ライターがおすすめです。
綿100%の軍手
クッカーで料理をすると取っ手が熱くなるので軍手は必要です。
また軍手はとっさのときの雑巾代わりにも、行動中の手袋の予備にもなります。軍手の素材には熱で溶けてしまうナイロン素材の物もあるので、綿100%の物を使用しましょう。
その他の道具とカトラリーの紹介
まな板(手作り)
クッカーのフタをまな板代わりに使用する人が多いと思いますが、キズを付けたくない場合には手作りのまな板がおすすめです。
100円ショップのキッチングッズコーナーで買える薄いプラスティックのまな板を、クッカーの形に合わせて切れば持ち運びも便利です。写真のまな板は角型クッカーに収まる様に切ったものです。
シェラカップ
お椀に取っ手がついた不思議な形をしたシェラカップです。他人数の登山で使用する取り分け用の食器として、また飲み物用のカップとしてシェラカップを用意しても良いと思います。
シェラカップの優れている点は、口が広いのでご飯を盛ったり取り皿代わりにもなりますし、深さもあるのでマグカップとしても使えます。
普通のマグカップは、コーヒーや味噌汁は飲みやすいのですが、口が狭く深いのでお椀や皿代わりにはなりません。またクッカーのフタは浅いので取り皿には向きますが、コーヒーを飲むにはちょっと苦しいです。
シェラカップはそんな両者の良い点を持った、ちょうどマグカップとクッカーのフタの中間に位置しています。シェラカップはもちろん直接火にかけられるので料理もできます。長い取っ手はコーヒーを再加熱するのにも便利ですし、目盛り付きのものは計量カップにもなります。
お箸、スプーンとフォークについて
箸はわざわざ買わなくても割り箸で充分だと思いますが、登山中に食事を何回もする場合同じ割り箸を使いまわすのはちょっと嫌かもしれません。使い終わった割り箸はゴミとして扱いづらくもあります。
そんな場合はジョイント式のマイ箸がコンパクトにもなるのでおすすめです。
スプーンとフォークはコンビニのお弁当についてくるもので充分でしょう。
バーナーパッド
炎が一点に集中する、小型のストーブを使用している人におすすめなのがバーナーパッドです。炎がパッドを通ることで拡散するのでクッカー底面の広範囲に熱を伝えることができます。
調理に向いた火になりますし、ご飯もより美味しく炊ける様になります。また五徳とクッカーのサイズが合わない場合もパッドを通すことで安定します。
網・トースター
朝食は絶対パン派、という人はトースターはどうでしょうか。網目が細かいのできれいにパンが焼けます。登山でくしゃくしゃになった菓子パンも美味しく食べられます。(※ ガスストーブ専用の商品です。)
写真のトースターはアウトドアメーカーのものですが、スーパーで300円ほどで売っている網もトースターとして使えます。受け皿が付いている物は肉や魚を焼くこともできます。
サーモスの山専用水筒
サーモスは料理道具ではなく水筒ですが、アツアツのお湯が運べるので日帰り登山で食べるカップラーメンやドライフードに使えます。
通常、山の昼食にドライフードやラーメンを食べようと思ったら、クッカー、ストーブ、燃料、水、最低でもこの四つは必要になりますが、サーモスの水筒があれば熱いお湯を持っていけるのでこれらの道具は必要がなくなります。しかもお湯を温める待ち時間もなくなるので寒い日には助かります。
問題はどれくらいの保温力かと言うことですが、室温20度で95度の熱湯をサーモスに満たし、6時間放置で76度以上、8時間で49度以上、と言う結果がサーモスのホームページに書かれています(800mlのボトルの場合)。