屋久島・縄文杉トレッキング情報まとめ。地図、コース、持ち物、アクセス方法など
縄文杉トレッキングの距離と歩行時間・ベストシーズン
縄文杉トレッキングとは?
樹齢約2700年とも7000年とも言われる、屋久島に自生する最大級の屋久杉「縄文杉」を見て帰ってくる往復のトレッキングで、世界遺産に登録されている地域も歩きます。
一般的に日帰りで、歩行時間は約10時間、また往復距離も19キロと長いトレッキングになります。
また冬季を除きマイカー規制がありますので、トレッキングのスタート地点までは登山バスを利用しなければなりません。
そのため帰りのバスの時刻も考えたペースで歩く必要があります。
トレッキングの地図・距離や歩行時間など
- 歩行時間:約10時間(往復、休憩含む)
- 歩行距離:約19キロ(往復)
- 高低差:約700メートル
- トレッキング開始地:荒川登山口
- トレッキング終了地:荒川登山口
歩行時間について
上記の歩行時間は小休憩やお昼休憩を挟んだ時間で、荒川登山口からトレッキングを開始して、縄文杉を見て荒川登山口まで戻ってくるまでの合計の時間となります。
ですが混雑時にはこれ以上の時間がかかることもありますし、また個人の体力によっても大きく変わります。あくまで参考として「縄文杉トレッキングには10時間はかかる」、ということで計画を立てておくと良いと思います。
高低差について
トレッキングの開始地点である「荒川登山口」の標高は600メートルほどで、縄文杉の標高は1300メートル付近になります。つまり荒川登山口から700メートル以上は高いところに登ることとなります。
ちなみに高低差700メートルは、富士山でいうと吉田口の五合目(約2300m)から七合三勺(約3000m)までくらいになります。
縄文杉トレッキングのシーズン
年間を通して縄文杉トレッキングは可能ですが、12月、1月、2月は積雪もあるので雪山歩きの装備が必要となります。
混雑するのはゴールデンウィークと夏季、特に8月です。縄文杉トレッキングの登山道は一本道で、この時期は登りの登山者と下りの登山者のすれ違いが多くなります。すると各所で渋滞が起こり予定より大幅に長い時間がかかることもあります。トイレにも行列ができてしまうので、なるべくならゴールデンウィークと8月は避けて予定を組みたいところです。
また屋久島は「月に35日間雨が降る」と言われるほど雨が多い場所です。なので雨を避ける日を選んことは難しく、レインウェアなどの雨対策をしっかりとしてトレッキングに望みたいところです。なお年間を通して特に雨が多い月は6月になります。
- 縄文杉快適登山日カレンダー(屋久島世界遺産カレンダー)
- 屋久島の気候・気温と降水量のグラフ(気温と雨量の統計のページ)
- 種子島・屋久島の過去の天気(YAHOO! 天気・災害)
トレッキングの本・資料
最新情報の収集におすすめです。またトレッキングだけでなく観光やアクティビティの情報もたくさん詰まっているので、読んでいると楽しみが膨らみます。巻末のクーポン券や屋久島全島マップも便利です。
マイカー規制とアクセス方法
トレッキングの拠点の町「宮之浦」と「安房」
ここではより詳しく縄文杉トレッキングについて説明しようと思いますが、まずは全体の位置関係を説明します。
屋久島には大きな町が2つ宮之浦(みやのうら)と安房(あんぼう)があります。宮之浦と安房には港があるのでフェリーや高速船が着き、また宿泊施設や飲食店が多くあります。バス停もあり縄文杉にアクセスしやすいので、この宮之浦と安房がトレッキングの拠点となることがほとんどです。
なお宮之浦と安房の間に屋久島空港が位置しています。
おさえておきたい場所
- 屋久杉自然館(登山バスに乗り換える場所。駐車場あり。)
- 荒川登山口(トレッキングの出発地点)
縄文杉以外のメジャーな観光地
- ヤクスギランド(原生林の中を散策できる場所)
- 紀元杉(推定樹齢3,000年)
- 宮之浦岳(日本百名山。九州地方最高峰、標高1,936 m)
- 白谷雲水峡(もののけ姫の森で有名)
グーグルの地図上、良く利用される重要な場所は赤いバルーン、縄文杉以外のメジャーな観光地は薄い青、お弁当屋さんは緑色で示しています。
マイカー規制がある
次に知っておきたいのがマイカー規制のことです。一般的に、縄文杉トレッキングは「荒川登山口」からスタートしますが、しかしここへは冬季を除くほとんどの期間マイカーで行くことが規制されています(※マイカー規制。レンタカーやバイク、自転車等も含みます。)
ですので荒川登山口へ行く場合、タクシーもしくはバスを利用する必要があります。
マイカー規制の区間は、荒川別れ(荒川三叉路)という場所から荒川登山口までとなります。それ以外の場所、ヤクスギランドや紀元杉には問題なく車で行くことができます。
レンタカーなら屋久杉自然館の駐車場を利用
以上の様に、マイカー規制があるため荒川登山口へはレンタカーで行けません。ですのでレンタカーがある人は屋久杉自然館の駐車場(160台)に車を停め、そこから登山バスで荒川登山口に向います。
宮之浦や安房からバスを乗り継いで荒川登山口まで行くことができますが、車があればバスの時間に追われることが少なく余裕のあるトレッキングの予定が組めます。荒川登山口から屋久杉自然館への最終バスは18時(2015年現在)なので、遅くなってもそれに乗りさえすれば大丈夫です。
レンタカーがない人はバスの乗り換えが必要
宮之浦や安房からバスで荒川登山口までは行けますが、直行バスがないので屋久杉自然館で登山バスに乗り換える必要があります。
町からバスで荒川登山口まで行く動きをまとめると、
- 安房、宮之浦からバスで「屋久杉自然館」へ
- 「屋久杉自然館」から登山バスで「荒川登山口」へ
- 「荒川登山口」からトレッキング開始
という手順で帰路も同じになります。
気をつけたいのは帰りのバスの時刻です。屋久杉自然館から町へ下りるバスの本数が少ないので、予定通りに動かないと帰りのバスに乗れない可能性もでてきます。
注意点 ”事前に登山バスのチケットを購入する”
レンタカーを利用する、しない、いずれの方法にしてもほとんどの人が荒川登山バスを利用すると思いますが、登山バスのチケットは事前に購入しておく必要があります。
チケットの購入先は観光案内所や宿泊施設、屋久杉自然館、このページの下の方で紹介しているお弁当屋さんの「あさひ弁当」でも買うことができます。料金は片道870円(2015年)。
安房からタクシーなら約4000円
タクシーならマイカー規制期間中でも荒川登山口まで行けるので、グループでの縄文杉トレッキングならタクシーの利用もおすすめです。
料金は安房から荒川登山口まで約4000円。約50分ほどかかります。前日に電話で予約をし、早朝に宿まで迎えに来てもらうことができます。
- 安房タクシー:0997-46-2311
- まつばんだ交通タクシー:0997-43-5000
- 屋久島交通タクシー:0997-42-0611
バス時刻表・参考リンク
縄文杉トレッキングの流れ・行程
簡単になりますが、実際に縄文杉トレッキングをしたらどの様なプラン・行程になるのかを紹介してみたいと思います。
下記はバスの時刻表をみながら作った行程ですが、時刻表は変更されることがありますので、あくまで雰囲気を掴むためだけに参考にしていただければと思います。
宮之浦から「バスで」縄文杉トレッキング の行程
- 前日 登山バスのチケット購入、お弁当の予約
- 翌日3:30 起床
- 4:00 宿を出発
- 4:30 予約した弁当屋で朝ごはんと昼ごはん受取り
- 4:48 宮之浦バス停よりバスに乗る(屋久島交通)
- 5:25 屋久杉自然館に到着
- 5:40 バスを乗換(荒川登山バス)
- 6:15 荒川登山口に到着
- 6:30 トレッキング開始
- 正午頃 縄文杉到着
- 16:00 荒川登山口に戻ってくる
- 16:30 バスで屋久杉自然館へ(荒川登山バス)
- 17:05 屋久杉自然館に到着
- 17:10 バスを乗換(屋久島交通)
- 17:52 宮之浦バス停着
上記の行程は宮之浦からのものですが、安房からの場合もほとんど同じで、起床時間とバスに乗る時刻が遅くなるだけです。
安房から「マイカー」で縄文杉トレッキング の行程
バスの行程と大きな違いはありませんが、荒川登山口に下山する時刻だけを遅くしました。マイカーがあれば屋久杉自然館からの最終バスの時間を気にしなくて良いので余裕のあるプランを立てることができます。
- 前日 登山バスのチケット購入、お弁当の予約
- 翌日4:30 起床
- 5:00 宿を出発
- 5:10 予約した弁当屋で朝ごはんと昼ごはん受取り
- 5:30 屋久杉自然館に到着
- 5:40 荒川登山バスに乗る
- 6:15 荒川登山口に到着
- 6:30 トレッキング開始
- 正午頃 縄文杉到着
- 16:30 荒川登山口に戻ってくる
- 17:00 バスで屋久杉自然館へ(荒川登山バス)
- 17:35 屋久杉自然館に到着、車で安房へ
トレッキングのコースを詳しく紹介
縄文杉トレッキングのコースは往復19キロとかなりのロングコースです。一本道でしっかりと整備された道を歩くので迷う場面はないと言ってよく、また水場やトイレも多いので安心して歩けます。
コースには前半戦と後半戦で大別できます。
前半戦は川に沿ってトロッコの線路の上をひたすら歩きます。ほとんどわからない様なゆるやかな登り坂が延々と続き、ウォーミングアップに最適な区間です。
後半戦は「大株歩道入り口」から始まります。ここまではかなり平坦な道を歩いてきましたが、ここから傾斜の厳しい本格的な山歩きとなります。
登山道は整備された木の階段が続くので歩きやすいですが、ウィルソン株を過ぎてしばらくするまではきつい登りが続きます。
それが終われば縄文杉まで比較的ゆるやかな角度の道が続きます。
荒川登山口
屋久杉自然館からの登山バスが到着する荒川登山口。ここからトレッキングがはじまります。写真手前のレールがトロッコ道。この上を歩いて行きます。
トロッコ道の様子
こんな感じで線路の上をひたすら歩いて進みます。枕木の上を歩くか歩かないか、歩幅が合わないので非常に歩きづらく感じるかも知れません。無理をせずウォーミングアップのつもりでゆっくりと歩くのがおすすめです。後ろから人が来たらゆずってしまいましょう。
小杉谷の休憩所
歩き始めてから約40分。
小杉谷小中学校跡の隣にある休憩所です。
携帯トイレのブースもあります(ペーシの下の方で説明しています)。この辺りからトロッコ道は格段に歩きやすくなります。
楠川別れ
30分後、楠川別れ。
ここは「白谷雲水峡」への分岐点になっていて、休憩ができるちょっとしたスペースがあります。この道標の反対側に白谷雲水峡への道がありますが、構わずトロッコ道を進み続けます。
大株歩道入り口
楠川別れからおおよそ1時間10分、トレッキングを開始してから2時間20分後、大株歩道入り口に到着します。この橋をわたるのではなくて、橋の手前右手に縄文杉への山道が始まっています。
ここから道は厳しくなるので、ここでトイレにいったりストレッチをしたりして、一息入れてから山道に入りましょう。
そして今までの歩くペースは忘れ、ここで一旦グンと落とす様にしましょう。
ウィルソン株
40分後、ウィルソン株に到着。推定樹齢3000年。ウィルソン博士が命名。ベンチのある少し拓けたスペースなので休憩するのに適しています。
登山道の様子
歩きやすい木の階段道ですが、角度はきついの疲れやすいです。ゆっくりと登り、後ろがつまって来たらどこかでゆずってしまいましょう。
縄文杉
ウィルソン株から、「大王杉」「夫婦杉」「くぐり杉」と見ながら登り、そして1時間10分後、ついに縄文杉に到着です。
しかしここには休憩する様な場所がなくちょっとした縄文杉を眺めるためのステージがあるだけです。混んできたら他の人にゆずりましょう。
疲れて休憩したい人、昼食を食べたい人にはこの先を少し進んだ休憩所がおすすめです。
1泊2日のトレッキングプラン
縄文杉トレッキングは日帰りが一般的ですが、縄文杉から15分ほど登った避難小屋「高塚小屋」を利用する1泊2日のプランもあります。
縄文杉トレッキングで1日19キロ歩くことを考えると、高塚小屋を利用して2日に分けて歩くのは無理のないプランだとは思いますが、高塚小屋は非難小屋なので翌日の食料以外にも寝袋、マット等必要な装備が増え荷物が重くなります。
また避難小屋の収容人数は少なく、週末や夏季、ゴールデンウィークにはかなりの混雑が予想されます(収容人数20人)。そういった時期に利用するのは避け、利用する場合は少なからずテントを用意することをおすすめします。
もののけの森「白谷雲水峡」へ下りることも可能
地図上の「楠川別れ」という分岐点から、もののけの森で有名な「白谷雲水峡」のバス停へ下りることもできます。白谷雲水峡のバス停からは宮之浦まで下りることができるので、このコースを往路を歩く時に利用する人は少なくありません。
しかし楠川別れから白谷雲水峡のバス停まで2時間20分は歩かなければなりませんし(荒川登山口へは1時間10分)、歩きやすいトロッコ道ではなく山道を歩くことになります。 健脚の人、体力に自信がある人、また帰りがけに時間も充分にあまっていて疲れも問題ない、という人はこの道を利用するのは良いと思います。白谷雲水峡からのバスの時刻表を確認しておきましょう。
トレッキングの地図について
このページではコースを紹介するために簡単な地図を用意していますが、トレッキングの本番では本格的な地図が必要です。
上の写真「山と高原地図」は登山では定番の地図で、コースの詳しい情報がたくさん詰まっています。縄文杉トレッキングのことだけではなく屋久島全体の情報もあるので読んでいるだけで楽しくなります。
山と高原地図がどんな地図か、下のリンク先で詳しく紹介しています。
トレッキングの「トイレと水場」情報
トイレはたくさんあります
縄文杉トレッキングのコース上には、携帯トイレブースを含め合計6箇所もトイレが用意されています。
トイレの場所は下記の6箇所です。コースの地図にもトイレの場所を記載したので確認してみてください。
- 荒川登山口(水洗トイレ)
- 小杉谷小中学校跡(携帯トイレブース)
- 楠川別れ(バイオトイレ)
- 大株歩道の手前、仁王杉のあと(携帯トイレブース)
- 大株歩道入り口(水洗トイレ)
- 大王杉と夫婦杉の間(携帯トイレブース)
携帯トイレがあると安心
「携帯トイレブース」とは携帯トイレを使用するための小屋、もしくはテントのようなものです。シーズン中はトイレが混雑することが多いので携帯トイレを用意することをおすすめします。またいざという時携帯トイレがあれば自然環境を汚すこともありません。
なお使用済みの携帯トイレは荒川登山口や屋久杉自然館で捨てることができます。
水場もたくさん
コース上に水場は多数あるので大量の水を持ち込む必要はありません。500ミリくらいのペットボトル2本くらい用意し、なくなったら汲む、なくなったら汲む、というパターンでよいと思います。
食料・お弁当について
あえて書くことでもないですが、荒川登山口に売店はもちろん、飲み物の自動販売機はありません。ですので朝ごはんと昼ごはん、それにたっぷりの行動食(おかしなど)を町で用意しておきましょう。
なお遅く出発する人は帰りが夕方頃になる場合も考えられますので、朝・昼・晩3食分を用意するくらいの気持ちで良いと思います。 約10時間、19キロでの山歩きでかなりのカロリーを消費しますので、充分すぎるくらいの食べ物を用意しましょう。
登山弁当について
屋久島での登山・トレッキングで人気なのがお弁当です。屋久島にはコンビニなど24時間営業の店がないので、早朝に出発する縄文杉トレッキングでは出発前に食料を入手できる場所がありません。
そこでよく利用されるのがお弁当屋さんです。安房、宮之浦にもありますし、車なら屋久杉自然館へ向う道中にもお弁当屋さんがあります。朝ごはんだけを買ってもいいし、朝昼両方買うのもおすすめです。お弁当を買う場合には、事前に必ず電話で予約しましょう。
下記は屋久島のお弁当屋のリストです。載せたもの以外のお店もありますが、グーグルで確認できるものだけを載せました。宮之浦と安房のお弁当屋さんがほとんどですが、あさひ弁当は安房と屋久杉自然館の間に位置しています。
なおあさひ弁当では登山バスのチケットを購入することもできます。
- 島むすび(宮之浦):0997-42-0770
- 八百八(宮之浦):0997-42-0414
- できたて屋2(安房):0997-46-3071
- 日ノ出弁当(安房):0997-46-2882
- あさひ弁当(屋久杉自然館への道中):0997-46-4007
お弁当屋の所在地は、このページの上の方のグーグルの地図に示しています。
屋久島へのアクセス「飛行機・フェリー」
飛行機
屋久島への直行便は、大阪の伊丹空港と福岡空港からの1日1便、それと鹿児島空港から数便があります。伊丹空港と福岡空港を利用しない場合まずは鹿児島空港に行き、そこで乗り換えて屋久島に向うのが一般的になります。シーズンに利用する場合は早めの予約がおすすめです。下記のリンク、JALのサイトで最新の時刻表を確認できます。
フェリー、高速船
鹿児島から屋久島に向う船の便は3つです。
一番早いのは高速船の「トッピー&ロケット」で2時間前後。次は「フェリー屋久島2」で約4時間、最後は「フェリーはいびすかす」で種子島経由で13時間かかります。なお夜行便の「はいびすかす」は早朝屋久島に着くのでそのまま登山に行くこともできます(縄文杉トレッキングは難しいです)。こちらも飛行機同様、シーズンに利用するなら早めの予約がおすすめです。
高速船「トッピー&ロケット」(宮之浦・安房行き)
- 運賃: 往復 16,100円
- 所要時間:2時間前後
- 時刻表:1日6往復(ゴールデンウィーク、夏季繁忙期に1便増える)
- 乗り場:鹿児島本校南埠頭、宮之浦港、安房港
- ネット予約可
フェリー「屋久島2」(宮之浦行き)
- 運賃:往復8,900円(二等)
- 所要時間:4時間
- 時刻表:1日1往復(鹿児島 8:30発、宮之浦 12:30着)
- 乗り場:鹿児島本校南埠頭、宮之浦港
- 学生割引有り
- 県外マイカー往復ネット割引有り
フェリー「はいびすかす」(宮之浦行き)
- 運賃:往復7,200円(二等)
- 所要時間:往路13時間、復路6時間20分
- 時刻表:1日1往復(鹿児島 18:00発、宮之浦 翌7:00着)
- 乗り場:鹿児島港(七ツ島)発着場、宮之浦港
- 学生割引有り
トレッキングの装備と持ち物、雨対策
屋久島は雨が多いので雨対策の準備は入念にしておきましょう。しっかりと雨対策をしておけば、トレッキングだけでなく屋久島の観光の際にも役立ちます。
ここでは、登山やトレッキングで用意したい装備について簡単に説明していますが、リンク先ではより詳しい解説をしています。ぜひ参考にしてみてください。
カッパ・レインウェア
レインウェアはビニール合羽やレインコートなどではなく、上下に別れたレインウェア内部のムレを逃す「防水透湿性」の素材を使用したものが適しています。防水透湿性素材の代表的なものはゴアテックスですが、それ以外の価格が控えめのものもたくさんあります。
折り畳み傘はトロッコ道歩きに役立ちそうではありますが、混雑時は後ろの人に当たる可能性もあるので使用する状況を選ぶかも知れません。 軽量の折り畳み傘は観光にも役立ちます。
トレッキングシューズ・ハイキングシューズ
靴は本格的な登山靴(重登山靴)は必要ありません。平坦なトロッコ道歩きが多くなりますので、普段はいている運動靴とさほど履き心地の変わらない、ソールが柔らかいものがおすすめです。
トレッキングシューズ、ハイキングシューズなどがおすすめですが、最悪スニーカーでも行けないことはないと思いますが、雨で足元が滑りやすく、またスニーカーを履いて靴下を濡らしてしまうと靴擦れが起こりやすくなります。
縄文杉トレッキングは長いので、靴擦れの状態で痛みに耐えながら何時間も歩き続けるということにもなりかねませんので、防水透湿性の素材を使用した、雨に強いトレッキングシューズやハイキングシューズがおすすめです。
なお新品のゴアテックスの靴を履いていたとしても、雨に打たれ続ければ靴の内部は濡れ靴下も塗れてしまいます。毛や化繊の乾きやすい靴下を履くこと、また替えの靴下を用意することをおすすめします。
ザックカバー、防水バッグなど
雨からザック(リュックサック・バックパック)を守るザックカバーは専用のものがあると何かと便利ですが、縄文杉トレッキングではビニール袋で代用することも可能です。濡れない様、また知らない間に落ちていかない様工夫しましょう。
なおザックカバーをしていてもザックの中が塗れることは度々あります。なのでザックの中の濡らしたくない荷物、着替えや携帯電話などはビニール袋や防水バックに入れておくと安心です。
トレッキングの服装
雨が多いので服装も非常に大事です。トレッキング中レインウェアを着て歩くことが多いと予想できますが、夏の暑さと雨の中、レインウェアを着ながら山を歩くと服は汗でびしょしょになります。濡れた服は体を冷やし、疲れや体調不良の原因となります。服、ズボン、肌着、パンツなど、身につけるものは乾きやすい化繊素材のものを選びましょう。
登山用のものは最適ですが、スポーツウェアなどでも代用できます。速乾性の服は乾きやすいので、雨の多い屋久島ではおすすめです。
装備と服装、持ち物リスト
トレッキングに必要な装備・持ち物のリストです。それぞれの詳しい説明は下のリンク先でしています。実際にどんな物を選んだらよいか、なぜ必要か、ということを詳しく解説していますので参考にしてみてください。
装備・持ち物
装備・持ち物名 | 装備の説明 | |
---|---|---|
トレッキングシューズ | 雨に強い防水性に優れたシューズを。 | |
ザック(バックパック) | 25リットル前後のもの。登山用のザックは疲れにくい。 | |
レインウェア | 必須。上下に分かれた蒸れにくい素材のものがベスト。 | |
折り畳み傘 | 荷物に余裕があれば。観光にも役立つ。 | ▲ |
ザックカバー | ザックとセットで用意したい。なければゴミ袋で代用も。 | |
トレッキングポール | 歩行のバランスを保ち、足腰の負担を軽減。膝や足の筋力に不安がある人に。 | ▲ |
水筒、ペットボトル | ||
ヘッドランプ | 日帰りでも必須。なければ小型の懐中電灯でよいが、手が塞がるので用意したい。 | |
ゲーター(スパッツ) | 小石や雨が靴の中に浸入するのを防ぐ。 | ▲ |
コンパス | おもちゃの様なものでなければよい。 | |
登山地図 | 最低何かしらの地図は必要。広範囲で細かく書かれているものが良い。 | |
携帯電話 | ||
タオル | 薄手で乾きやすいものがあると便利 | |
ティッシュ | 芯を抜いたトイレットペーパーは量があるのでおすすめ。 | |
救急セット | グループに1つ。靴擦れパッドなどがあるといい。 | |
お弁当、行動食 | カロリー補給にお菓子などを。非常用に余分に用意しておく。 | |
ビニール袋 | ゴミを濡れた服を入れたりする。 | |
日焼け止め・リップクリーム | UV入のリップクリームもあるといい。 |
服装
装備・持ち物名 | 装備の説明 | |
---|---|---|
肌着・アンダーウェア | ポリエステルなどの化繊のシャツを。長袖がベター。 | |
長ズボン | 化繊のズボンを。ハーフパンツを履くなら下にタイツなどを。 | |
防寒着 | 夏でも防寒着を。薄手のフリースやダウンなど。 | |
靴下 | 靴擦れや足の保護、怪我の防止のために厚手の靴下を。予備も用意したい。 | |
帽子 | 日よけや頭の保護。レインハットがあると雨でも快適。 | |
グローブ | レイングローブがあると快適。 | ▲ |
タイツ | 筋肉や腰、関節のサポートに。筋力に不安な人におすすめ。 | ▲ |
替えのシャツ | シャツが濡れてびしょびしょになってしまった時の予備用。また防寒用としても。 |
▲ あったら便利なもの
登山・トレッキングのマナー、携帯電話について
屋久島山岳部利用対策協議会のマナーガイドの中から、登山やトレッキングのマナーをピックアップしてまとめました。
- 登山道は登りの人を優先する
- 渋滞を作らない。後から速いグループが来たら道を譲る
- トレッキングポールはゴムキャップをつけて使用する
- 熊よけの鈴、ラジオ、音楽などで騒音をださない
- 混雑が予想される場所や写真を撮るポイントで食事をしない
- 動植物を大切にする
- ゴミを持ち帰る
- サルやシカにエサを与えない
携帯電話について
荒川登山口をはじめ山中のほとんどで携帯電話は通じません。縄文杉デッキなどでは一部の携帯電話は利用できますが、他の登山者もいるため非常時以外は利用しない様にしましょう。
なお荒川三叉路、ヤクスギランドには公衆電話があります。
宮之浦岳登山について
九州最高峰、標高1,936メートル、そして日本百名山最南端の宮之浦岳。
屋久島に訪れたのならぜひとも登りたい山ですが、宮之浦岳登山は縄文杉トレッキングとは違い本格的な登山なので、登山経験の無い方には少し大変かもしれません。
その理由は、宮之浦岳は屋久島のほぼ中央に位置しているため日帰りで登山するのが難しいのです。
そのため「避難小屋」と呼ばれる山中の簡易的な宿泊施設、もしくはテントを持参して一泊しなければならなくなるので、荷物が増え、準備も登山も大変になってしまいます。
日帰りで宮之浦岳を登ることも可能ではありますが、ハードになるので登山経験が豊富な方や健脚の方向きです。また一般的には「宮之浦岳に登り縄文杉を見る」を一泊二日のセットにしている方が多いので、宮之浦岳単体を日帰りで登る人は少ない様に思います。
下記リンク先で宮之浦登山の日記と宮之浦登山で撮影した写真を紹介しています。よろしければ参考にしてみてください。