日焼けの対処法と紫外線対策グッズ

登山で私が一番多くやってしまったミスと言えば日焼けです。
若い頃は日焼け止めを塗ろうという意識がなく、また山では顔が洗えないので、テント泊の場合は塗るのは気持ち悪いというのがありました。
しかし日陰もない北アルプスの稜線を半ジャージと紺のロング靴下で歩いていると、なんと靴下の上からも日焼けしてしまい、足の皮膚全体がズキズキと2日間ほど痛みました。
また、白いタオルを頭に巻いてしまったので耳の上に水ぶくれが出来て破裂し、口にはヘルペスが広がり悲惨な状態。縦走を続ける上で気の重い出来事となりました。
紫外線について知ろう
高山では紫外線を強く浴びる
登山では平地にいるより有害な紫外線が強くなります。
それは平地でなら大気で遮られる分が、標高が高くなるほど空気が薄いせいでもろに浴びてしまうからです。
それだけでなく、高山には樹林が無いことが多いので日陰も物理的に少ないですし、登山では長時間外を歩く事が多いので幾重にも原因が重なって日焼けをしやすい環境と言えます。
紫外線の種類
地上に届く紫外線は2種類。
UVA
皮膚の奥まで届き、シミやタルミの原因になる。
さらに薄かったシミを濃く目立たせる。UVAを防ぐ指数がPA(Protectiin grade of UVA)。
UVB
悪玉。エネルギーが高く、真っ赤に腫れあがり炎症を起こす。
皮膚のバリアが壊され、水分や体液を奪い細胞性免疫系を抑制するので、口唇ヘルペスなどを持っている人は出やすくなったりする。UVBを防ぐ指数はSPF(Sun Protection Factor)。
なぜ日焼けをしないほうが良いのか
主にUVBが遺伝子DNAを傷つけ、皮膚がんの進行に関与したり、全身免疫力低下の原因になるとも言われています。
白内障の原因になるとも言われています。
逆に、日光浴は体内でビタミンDを生成するので必要なのではないか?と疑問がわきます。
それはどの程度なのかというと、昼近くであれば10分程度当たるだけで充分だ、ということです。
紫外線に当たると疲れる?
紫外線と疲れとの関係があることは近年徐々にわかってきたらしいです。
まだ詳しい仕組みは不明らしいですが、どうやら大量の紫外線を浴びると体が疲れたと感じる物質が皮膚細胞から放出され、血液に乗って体内を回るとのことです。
そして倦怠感や発熱、体調不良などを感じるとのことです。
ただでさえパワーを温存したい登山において日焼けで疲れてしまうなんて、避けたいですね。
日焼けしてしまったら
真っかっかに日焼けしてしまったら
- とにかくそっと冷やす
- 2-3日して炎症が落ち着いたら化粧水等で保湿する
- ステロイド軟膏を持っていたら炎症止めに塗る
水疱は破るべき?
自然に皮膚に吸収されるまで破らないで放っておきましょう。破ると感染の心配もしなくてはいけないのであえて破るのはやめましょう。
日焼け止めはどれを選べばいい?
SPF30程度、PA++以上で、できればスポーツタイプのもの。サッと取り出してサッと頻繁に塗るのにおっくうにならない程度の小ささが良いと思います。
登山では汗をたくさんかくので水溶性でないものが良いでしょう。また、休憩のたびごとに塗り直すと良いでしょう。
ビタミンCは摂るべき?
ビタミンCは紫外線によって出来る活性酸素を取り除く働きがあります。目安としては1日に1000mgと言われ、これはレモンにすると10個分だそうです。
登山ではもちろんレモンをそんなに持って行けませんし、 水溶性で体内にためておけないので、行動食に含めてこまめに補うのがよいでしょう。
日焼け・紫外線対策グッズ
首まである帽子、ハット

サンシールドつき。またメッシュ素材を配した通気性の良いハット
たくさん売っていますが、 ファッション用ではなくてスポーツ専用に作られたものはやっぱり優秀ですね。ツバの広いキャップはレインウェアのフードをかぶる時なんかにも視界を確保してくれて実用的です。
日焼け止め用リップクリーム

日焼けで意外とあなどれないのは唇の日焼けです。
山は季節を問わず常に紫外線が強いのでザックに1つ入れておいてもいいかもしれませんね。雪山では必携したい1つです。
日焼け落とし用 クレンジングシート

日焼け止めを顔につけたまま寝ると寝袋の入り口がだんだんと油っぽく汚れてくる上に、ナイロンの生地に顔がペタペタと張り付いて気持ち悪いですよね。
それに何日も塗り重ねていくと変なムラが出来てきます。
クレンジングシートは化粧落とし用ですが日焼け止めもしっかり落ちるし美容成分も入っているので一石二鳥です。男性もぜひ利用して下さい。
スポーツ用 UVカットサングラス

最近ではマラソンでもトレランでもサングラスをするのが主流なようです。
紫外線から目を保護する目的だけでなく、保護する事により集中力低下を防ぎ疲労防止に役立つという考え方です。
たしかに、真夏の北アルプスの岩稜帯を歩いていた時はまぶしすぎて眼球が痛いということもよくあったし、帽子をかぶっていても岩からの照り返しが強く、あまりに目を細めすぎて顔の筋肉が痛い、という事もたびたびありました。
サングラスも1000円からブランドものまでピンきりで発売されていますが、これから買うなら機能を考えてランニングやトレラン用を意識して選ぶといいかもしれません。
森の中でも炎天下でも違和感なく使え、早朝から夕方まで使え、曇でも晴れでもストレス無くつけ続けられ、軽くて汗をかいてもずり落ちないものを選びましょう。
登山ではランニングの様にスピードを出しませんが、下りなどで足元が見えづらいと感じる方にも有効かもしれません。
使いきりパック化粧水

女性は下山後の温泉などを考えて化粧水を持参する事が多いですが、普段化粧水を持ち歩かない男性には1回の使いきりパックが便利です。
小びんに移し替えるのも面倒だし使用期限を気にするのが面倒な人には便利です。
こちらは使用期限2年間です。日焼け後はもちろん、冬の乾いた肌にも役立ちます。
ビタミンC補給に ドライアップル

登山の行動食に、栄養価の高いドライフルーツはとっても合います。酸味も歯ごたえもあるので食べごたえがあります。
ドライアップルは干したほうが栄養価が高まるタイプで、100gあたり214mgのビタミンCが含まれているとのことで、成人1日の摂取目安である100mgを補えます(ちなみにアセロラジュースは100mlあたり120mgだそうです)。ミネラルやカリウムも豊富です。
サプリメントも良いですが美味しさも味わえるドライアップルはおすすめです。
UVカット ウデのカバー(アームカバー)

これも近頃の登山でもよく見かけるようになりましたね。
日常生活用もたくさん売っていますがやはり登山では汗をかきますのでスポーツ用に作られた吸水速乾&UVカット機能のあるもののほうが良いでしょう。
日焼け止めを塗るのがきらいな人には良いでしょうし、腕のほとんどが隠れるので虫さされや葉っぱによる切り傷なんかを気にする人にも良いかもしれません。
日焼けの炎症用 軟膏

通常日焼けで病院へ行くと、症状が軽めの場合はキンダベートやロコイドなどの中程度のステロイド軟膏を、重めの場合はリンデロンVG軟膏などの強めのステロイド軟膏が処方されることが多いようです。
これらは虫さされで腫れてしまった場合などにも使えるので家にあったらファーストエイドセットに入れておくのも良いですね。
かつてインフルエンザワクチンを摂取したら、二の腕全体が熱をもちパンパンに腫れてしまった時もリンデロンを処方されました。このような時にも塗るものなのか、と意外に思った記憶があります。
こちらの商品はステロイドではなく日焼けでの炎症やヤケドに使える軟膏です。ステロイドではなく比較的気軽に使えるもののようで子供でもOKです。
切り傷やかぶれ、ただれなどにも使用できます。