登山用レインウェア(雨具)の選び方と雨対策
レインウェアは登山の必需品。必ず用意しましょう。
雨の日の登山は滑りやすく危険ですので初心者の登山には向きません。事前に天気予報を確認し、降水確率が高い場合は登山を中止するのが無難です。
しかし晴れだからと言って雨が降らないわけではありません。山の天気は変わりやすいので、雨は常に降るものと考えレインウェアは必ず持っていきましょう。
レインウェアはザックや登山靴と同様に重要な登山用品なので、「雨具は予備に」と考えず、登山には必ず持って行く必要があります。
このページでは登山用のレインウェアの選び方、その他登山で使われるレインギア、雨具を紹介します。
レインウェア選びのポイント
登山用のレインウェアは迷ってしまうほどたくさん販売されています。登山具メーカーのものもありますし、登山用品店のオリジナルレインウェアなども販売されています。それぞれ素材や性能が異なりますので、登山用品店で店員と相談しながら購入するのがおすすめです。
ジャケットとパンツが上下に別れたものを
登山のレインウェアは、ジャケットとパンツが分かれたセパレートタイプが適しています。レインコートやザックの上からかぶる"ポンチョ"と呼ばれるものもありますが、動きづらく、また風にもあおられやすいので危険です。
透湿性に優れたレインウェアを選ぼう
レインウェアは防水性の他に透湿性に優れたが素材を使用したものを選びましょう。
安く販売されているカッパには、防水性があっても透湿性がありません。これを登山で着てしまうと衣服内の水蒸気を外に逃がすことができず汗だくになってしまいます。その汗が風に冷やされると体力を消耗し、場合によっては低体温症にもなりかねませんので注意が必要です。
防水性と透湿性に優れた素材の代表はゴアテックスです。
店頭で着用して選ぶ
レインウェアも他の登山用品と同様に、実際に店頭で着用してから購入しましょう。
足や手を動かしてみて動かしにくい場所がないか確認し、動かしにくいようであればもう1つ上のサイズを。また素足に履かずにズボンの上から履くことになりますので、多少大きいくらいのサイズでも良いと思います。
レインウェアのパンツの履きやすさも確認してください。実際には登山靴を履いたまま履くことになりますので、裾の部分がジッパーで開閉できるものが履きやすいです。あとはベンチレーター(換気口)のあるものは熱を逃すことができるので、ベンチレーターがあるかどうかも確認してみましょう。
高価でも優れたレインウェアを
最後に欲を言えば軽量でコンパクトに収納できるレインウェアがおすすめです。登山では必要な登山用品がたくさんあるので、なるべくなら一つ一つの重量を軽くしたいものです。
しかしこれだけのものを探すととどうしても高価なレインウェアになってしまいますが、良い物は登山以外の色々な場面でも役立ちますので、数千円の中途半端なものを購入するよりははじめにしっかりとしたレインウェアを購入するのがおすすめです。
ゴアテックス採用の軽量レインジャケット
登山用のレインウェアの一例になりますが、私が持っているノースフェイスのレインジャケット「クライムライトジャケット」です。
このジャケットの魅力は270gの軽さでしょう。ゴアテックスを採用して300グラムを切るレインジャケットはそうそうないのでは、と思います。
レインウェアはどんな登山でも携行しなければならないのでこの軽さとコンパクトさには助けられています。
登山の雨対策グッズ・雨具
ザックカバー
ザックカバーとは外からスポッとザックを包み込む、ザック専用のレインウェアとも言えるものです。ザックの中の濡れては困る衣類や食料を雨水から守ります。
ザックカバーはザックのサイズごとに用意されていますので、自分のザックにあったサイズのものを購入して下さい。
もしザックカバーを用意する余裕がなければ、ゴミ袋などで代用してもかまいませんが、風が強いと飛ばされてしまいますのでしっかりと固定しましょう。
また絶対に濡らしたくない衣類や機械などは、さらに専用の防水スタッフバッグで保護すると安心です。
防水バッグ
ザックカバーでザックを保護していても、大雨や一日中雨にふられればザックの中が濡れてしまうことは多くあります。
そこで携帯電話や衣類など、絶対に濡らしたくない物を保護するためにも防水のスタッフサックを利用するのがおすすめです。頑丈なのでビニール袋の様に簡単に破れることはありませんし、汚れた衣類を入れたり、温泉用のバッグにしたりと何かと便利です。
レインハット
帽子にもゴアテックスを採用した、レインハットやレインキャップと言われるものがあります。
透湿性に優れたゴアテックス素材なのでむれにくく、またハットタイプの帽子は雨の日でも視界を確保しやすいのでおすすめです。
レインハットは雨の日だけではなく日除けのハットとしても使用することができます。しかし晴れた日の暑い樹林帯などでかぶり続けることは熱中症の原因にもなりますので、体に熱がこもっているなら帽子を頻繁に着脱し、頭から放熱する様にしましょう。
傘
150gの軽量折り畳み傘。普段使いにもおすすめ。
傘は風にも弱く手がふさがってしまうので登山には不向きですが、入山までや休憩中、テント場では折りたたみ傘があると重宝します。
たとえば雨の日の登山の休憩中、いくらレインウェアを着ていても土砂降りの雨に打たれると気分はめいるものです。
その点傘があれば視界もとれますし体を冷やしにくくもできます。もちろん日常でも大活躍してくれるでしょう。荷物に余裕のある方にはおすすめです。
防水・撥水スプレー
高価なレインウェアでも次第に撥水力は落ちてきます。使用後は撥水スプレーを十分に吹き付けておきましょう。ただし、レインウェアの素材によっては専用のスプレーを推奨している場合や、撥水スプレーが使用をすすめていないものもあります。
間違って使用すると撥水力を低下させる可能性もあるので、事前にメーカーサイトなので確認しておきましょう。
レイングローブ
レイングローブは特別に必要のなものではありませんが、雨が直接手にあたると冷えるのでレイングローブがあると嬉しいところです。特に寒い季節の登山では指先がかなり冷えますのであると重宝します。
またレイングローブは雨を防ぐ他に防寒の役割もあります。寒い日には薄いインナー手袋と一緒に使用し、通常の手袋としての代用もおすすめです。100円ショップで売っている化繊の伸びる手袋でも、風雨の場合はあると助かります。
ゲーター(スパッツ)
ゴアテックスを採用した蒸れにくいゲーター
ゲーター(スパッツ)とは、靴の足首まわりをカバーして雪、雨、砂、小石など異物が靴の中へ侵入するのを防ぐ登山用品です。
登山道は晴れの日でも雨の影響、また沢の近くではぬかるんでいる事が多いので、ズボンの裾を汚れから守ってくれるスパッツは大変重宝します。
足首の周囲だけを覆うショートスパッツと、膝下までをカバーするロングスパッツがあります。
防水ソックス
シールスキンズの防水ソックス
少し馴染みが薄いかもしれませんが、最近では防水ソックスの利用者も多いです、特にトレランをやっている方、ゴアテックスを使用していないシューズを履いている方に人気があります。
登山靴にゴアテックスが採用されているのは一般的ですが、ゴアテックスでも雨が降れば靴の中が濡れないということはありません。靴下が濡れると靴擦れの原因にもなるので、雨用のソックスとしてザックの中に常備しておくのもおすすめです。