韓国人仲間と旅行 in タウポ 2日目
19日土曜日、韓国人との旅行2日目inタウポ。
朝8時に起き朝食を食べた。メニューはエッグトーストである。日本人?僕の感覚だと、卵が半熟の目玉焼きを目指すが、彼らは目玉を潰して両面焼いていた。トーストだからだろうか。そしてフランボワーズジャムかなんかを塗って、その上に卵焼きである。甘いものの上に卵なんて僕の脳みそからは絶対に出てこない発想だけど、彼らには普通である様に思えた。味はそこそこうまかった。
朝食を終えるとなんたらの滝を見にでかけた。天気は快晴である。
ぶらぶらと皆で30分ほど歩くとバンジージャンプのポイントにたどり着いた。皆興味津々のようである。崖から谷底へ向けてのバンジーでそこそこ高さはあるものの、僕が求めている高さにはほど遠いので僕は興味がなかった。ちなみに値段は130ドルくらいで、それ意外にスイングという80ドルほどのものがあった。女子達はこのスイングをやりたがっていたので、僕もそれに参加することにした。これで当初の予定の乗馬体験はなくなった。乗馬よりはこっちの方が楽しそうである。ちなみにこれ系が苦手なエイデンは見学になった。
スイングはペアで行い、僕はジュとペアになった。
足から肩まであるしっかりとしたハーネスをつけ、数本のザイルをカラビナで固定する。全て装着して足をあげるとちょうど2人がくっついてブランコに座った様な姿勢になる。そしてそのままういーんと桟橋的なところから移動。下は谷で、その上にぶら下がっている。インストラクターのお姉さんがカウントするか、と聞いたので3、2、1、とカウント。0。そしてストンと僕らは落ちた。
ひゅー、という音以外完全な静寂である。
この間僕の考えたことは、スイングってただ前後に揺れるだけじゃないのか、落ちるなんて予定してないよ、バイキングみたいのじゃないの?ってことだった。まとめるとかなりびびった。そしてそのまま何十メートルか落ちると、その後は巨大なブランコのようにグイーンと前に運ばれていった。
谷底は完璧な静寂で僕らの声だけが響いた。手を頭の上に乗せ、寝転んだ態勢を作ると空が美しかった。絶壁にはたくさんの鳩が巣を作って暮らしていた。はじめは驚いたけど、あとはただただ気持よくて、そのまま空を見ながら揺られ続けた。恐怖体験、というよりパラグライダーで空を飛んでいるというような感覚だった。しかし時間はあっという間に過ぎ、ウイーンと荷物のようにつられ、僕の初スイング体験は終了した。僕以外の皆も、すごく楽しんでいるようだった。ちなみにここでは写真撮影とDVDムービーの作成もしており、皆それを買っていた。
その後はその場所で昼食をとった。昼食は持参したゆで卵とバナナとポテトチップスである。何という素敵な昼飯だろうか。僕なら確実にその辺のレストランに入るか、スーパーで買ってきたパンなどを食べる。彼らは節約かつ簡単なアウトドア料理も知っているのだ。特にゆで卵なんて素晴らしい。贅沢者の僕には、外でゆで卵を食べるなんて発想はなかった。感動のし過ぎだろうか。ちなみに、こういう事ができる人は僕の周りには姉しかいない。
食後はそこから沢沿いを滝に向けて上った。道は整備されているが、途中からちゃんとしたトレッキング道になってきた。温泉が出ている箇所があり、海パン姿の人も多くみかけた。
1時間以上は沢沿いを歩いただろうか、ようやくなんたらの滝へと到着した。というか、滝というイメージより激流というイメージの方が強い。沢が極端に狭くなっている箇所があり、そこの流れがすこぶる激しいのだ。ゴーっとすごい音と泡を立てている。もちろん死んでしまうだろうが、ラフティングなんかしたら最高に面白いだろう。浮輪でもみくちゃにされるのも面白いかもしれない。
滝を見終わると休むまもなく帰路へとついた。今度は沢の対岸の道路の道を歩いた。さんさんと太陽があたるなか、何の変哲もない道をてくてくと歩き続ける。さすがに歩くのが疲れてきた。バックパッカーに到着するまで2時間近くは歩かなければなかった。行くのは簡単だが引くのは難しい。
バックパッカーに戻り少し休むと夜飯のステーキの準備に取り掛かった。メニューはステーキ、付け合せの玉ねぎとインゲン、米の代わりにマッシュポテト、レトルトのスープである。
成人男性の足の裏と同じサイズ位の巨大なステーキはオーブンで焼いた。ニュージーランドが素晴らしいのは牛肉が恐ろしく安いことである。僕もまともなキッチンでもあれば毎日肉を食いたいくらいだ。
そして僕は相変わらず自分の仕事が見つけられずうろうろしていた。料理の方向性が見えない上に会話は韓国語である。今キウイのレストランで働いたらこんな感じでうろたえるんだろうなあ、なんて思った。そんな僕にビビアンはたまに仕事をふってくれる。こうゆう気遣いが出来るのがビビアンの素敵なところである。それにしても、昨日に続きエイデンはここでも肉を焼く、という大役を任されているようだった。やはり彼は料理ができるのだろうか。彼のポジションを羨ましく思った。
食事はテラスでとった。夕暮れ時でなかなか素敵である。待望の肉はウェルダンもいいところで、ザ・肉と言った感じの野生が蘇ってくるような硬さであったが、それでも久々の肉はうまい。しかも大量にあり食っても食ってもなくならない。歯の隙間にしこたま肉を詰まらせながら、牛を喰らい続けた。
しかし僕だったら、100%ではないにしても80%くらいの完成度でご飯を食べたい、と思ったりする。なんと言うのだろうか、肉は熱々でまたちょうど良い焼き加減を目指して、こだわりにこだわり抜いてステーキを焼くと思う。ステーキのソースもスープも、肉にあわせて温め始める時間を調節したりもするだろう。しかし彼らはそこまでこだわりがないのか、肉が既に冷めてカチカチになっていても、スープやソースが冷めていてもあまり気にしていないようだ。悪い意味ではないし、彼らの料理に不満を持ったわけではない。
ただ思うのは細やかさはないが、すごく効率的で仕事が早いということだ。彼らの仕事ぶりを見ていると、色々なところで感動してしまう。ただ単にこういうグループなのか。リブの強いリーダーシップによるものなのか。
食後はテラスで皆で酒を飲んだ。一緒のタイミングで宿に泊まっていた韓国人のお姉さんも一緒になって飲んだ。もちろん僕は酒は飲まずにタバコばかり吸っていた。
女子はそのお姉さんが中心になり仕事の話や大学の話しなどで盛り上がっていた。僕の話し相手はエイデンで、二人でしょうもない会話を延々とし続けていた。お互い真面目な話をするにはボキャブラリーが極端にすくないのだ。少ないボキャブラリーで面白い会話を組み立てる。というか、どれくらいいい加減な事を言えるか。これがコミニュケーションの極意であると思っている。そしてそのセンスをエイデンはかなり持っている。僕よりも少ない語彙でくだらない事を言う事ができるのだ。関心してしまう。(3/19 end)