ワーキングホリデーの終わり
7月23日の日記で「カナダのワーキングホリデービザを取得した」と書き、8月2日の日記では今後の旅のコースの事やファームの事なんかを書いた。しかし僕のワーキングホリデーは突然終わりを迎えた。日本に帰る事になったんだ。
今この日記を書いているのは2012年の11月。前回の日記から1年以上も経過している。特別こうやって日記を書く理由もないけれど、せっかくここまで日記を書きためたのだから最後は締めたほうがいいな、と今更ながら思った。
多分、2011年の8月4日か5日頃、メルボルンのジャパニーズレストランで働いている頃か図書館で勉強している頃か、姉から突然連絡があったように記憶している。内容は「母親が入院して具合が悪い、帰って来られないものだろうか」と言う様な感じだった。この報告にも驚いたけれど、入院してかなり長いという事をこの時始めて知って驚いた。母親が僕には知らせるな、と言っていた様だ。
そのまま病気も良くなって退院してしまえば僕には連絡がなかったのかも知れない。けれどそうは上手く行かず、どんどん母親の病状は悪化し、そして本人の気力も日々なくなりつつあるようだった。そして僕は帰る事を決めた。
日本に帰ると決めてからの行動は早かった。
まずはジャパニーズレストランに行きヘッドシェフに事情を伝えた。そして予定よりも早くジャパレスを辞めさせてもらう事にした。その後は図書館でWifiを使い、日本行きのジェットスターのチケットを購入した。8月10日出発のチケットだったと思う。
その出発の10日までの間は何をしていたかあんまり覚えていない。ジャパレスでのバイトに出て引継ぎをしたり、世話になった人に連絡をしたり、Bozoバックパッカーの部屋の掃除をしたり、多分そんな感じで過ぎて行ったんだろうと思う。そしてあっという間に日本に帰ってきた。
成田空港に到着して驚いた事がいくつかあって、その一つは自販で缶コーヒーを買えた事だった。到着ロビーに着いたら目の前に自販機があって、瞬間的に缶コーヒーを買えた。これには驚いた。ニュージーランドにもオーストラリアにも自販機は街中にほとんどなく、しかもあったとしても、コカコーラとかゲータレードとかそんなものしか買えなかった。なので自販でコーヒーを買えた事がすごく新鮮だった。 それともう一つは、バスのチケットを買ったんだけれど窓口の対応がとても丁寧だったこと。すごく笑顔で、そして親切に対応してくれた。ニュージーランドやオーストラリアにも丁寧な人はいたけれど、ここまで親切に対応してくれたのは旅を続けてこれが始めてだった。まあ実際旅は終わってるんだけど。
病院で母親を見た時は、手術後だからだろうけれど、その変わってしまった姿に驚いた。事前に多くを聞いていなかったから、正直ここまで大変な事になっているとは思わなかった。オーストラリアでぐだぐだ過ごしている間母親が大変な思いをしていたんだと思うと、僕は何をやっていたんだろうと思った。
まあ時間とともに母親の容態は良くなり、その後退院した。けれど今はまた別の病気で入院している。
こんな感じで僕の旅は終わり、1年以上が経過した。
帰国からの1年間はそこそこ仕事をして過ごした。ニュージーランドの語学学校で過ごしたみんなも、それぞれ帰国し学校やら仕事やらに勤しんでいる。彼らに会いに2回韓国にも行った。
オーストラリアで出会った旅人達はまだまだ旅を続けている人も多い。メルボルンで2ヶ月以上一緒に過ごしたシンゴは、一度帰国して今度はニュージーランドでワーホリをしている。オークランドで仕事が見つからないと言っていたので、現在クイーンズタウンでワーホリをしている友人を紹介した。うまく行くといい。
日本を発ちニュージーランドに着きミルフォードトラックでトレッキングをし、ウェリントンで語学学校に行き、その後はオーストラリアのメルボルンで暮らす。こんな日記を読み返して思う事は、もっと遊んどけば良かったなあということだ。
僕の予定ではかなり長いこと旅を続けるつもりだったから、始めはがんばって英語の勉強に力を入れようと考えていた。けれどこんなに早く帰ってくるんだったら、もっと全開で遊んでおくべきだったなと後悔している。
帰国後、残念ながら英語の勉強は一切していない。英語で話す機会もないし、あえて英語を使って話す機会を作ろうともしていない。たまにフェイスブックで英語でメッセージのやりとりやチャットをしたり、韓国に行けば友人たちと会話をするくらい、それくらいだ。
でも最近になりまた英語の本を読み始めている。 それはまた旅がしたくなったから。しばらくはガッツリ日本で働こうと思っていたけど、やっぱり旅がしたくなってしまう。オーストラリアやニュージーランドで世話になった友人たちにも会いに行きたいし、前回予定していた旅の続きもしたい。東南アジアの島々を回ってアジア諸国を旅したい。日本が冬に向かって寒くなりつつあるから、温かい所へ逃げたいだけなのかも知れない。まあいずれにせよ、旅がしたい。
まあこんな感じで、突然だけれど旅が終わり、そして1年以上が経過している。最後の日記だから「旅とワーホリで学んだこと」なんて事を書こうと思ったけれど、そんなものは見つからない。もし学んだり得た物があったとしても、この1年でそれが役に立つことがあった記憶がない。まあ多少、英語の本が読める様になったかも知れない。
そんなわけでワーホリはもう出来ないけれど、まだまだ旅の途中。
来年はまたどこかに行こう。