メルボルンのジャパレスのこと
僕がメルボルンのジャパレスで働き始めてしばらく経つ。初日はフランス人に仕事のあれこれを教わったが、今日は新しく入ってきたフランス人に仕事を教えた。時間が経っているのを感じた。
僕がアルバイトをしているのはジャパニーズレストラン、通称ジャパレス。そこでキッチンハンズ、ディッシュウォッシャーというジャンルで働いている。現在は週2日間、月曜と火曜の朝10時30分から夜10時まで働いている。まかないは2食付き、時給は9ドルで週払い手渡し。タックスファイルナンバーを取得したが使う事もなかった。税金とかは全く関係がないらしい。
場所はメルボルンのシティの中心にあり、客層は僕の見たところサラリーマンが多い。特にランチの時間はそのように思う。また他のところと比べた事はないが、メニューも多いように思う。ラーメン数種類、そば、うどん、寿司、刺身、丼物、やきとり、カレー、一品料理、サービスエリアにありそうなメニューとプラスアルファ、という感じだ。
まあこんな感じのお店だが、今まで思ったことをまとめてみようと思う。
まず、この店のオーナーは中国人だと思われれる。そしてヘッドシェフという肩書きを持ち、カウンターに立って寿司を作る人は日本人。名前の通り、数いるシェフの中で彼がトップである。40を過ぎた頃の年だと思うが、ずっと料理人をしていたようで動きが完全に体に染み付いている。もちろん僕は今までレストラン経験がないのだが見てるとそのように感じてしまう。
シンゴが言う言葉を借りると、彼のオンとオフの切替がすごい。タバコを吸っている間は携帯を触り普通の会話もするが、店の中に戻るとマシーンの様に動き、無駄もなく速い。長いこと鍛えあげてきた、というのが見て取れる。素直にすごい人だなあと関心してしまうし、彼の料理なら食べてみたいとも思う。
過去に彼が店のまかないを作る事があり、それがとても美味しかった。絶妙で、高級な日本料理を思わせる味付けだった。
そしてこのヘッドシェフに、毎朝コリアンのシェフは何かのスープを味見してもらっている。それを飲んだヘッドシェフはうなずくのみである。テレビで見る和食の世界のようだ、といつも思う。こう思うとこのレストランはしっかりしている方だと思われる。
ヘッドシェフの話はこの辺にしておいて、次にホールスタッフとシェフ達。面白い事に、この店のホールスタッフとシェフは完全に国がわかれている。ホールスタッフはほぼチャイニーズ、シェフは完全にコリアンである。なぜこのようになったのかはわからないが不思議である。なのでキッチンでは韓国語が飛び交い、ホールでは中国語が飛び交っていると言った様子だ。
キッチンで働く僕は、自然と愛すべきコリアン達と仕事の一日を過ごすのだが、やはり彼らは素敵であると改めて思う。特に思うのは、コリアンの働き振りである。大概のコリアンは真面目に良く働いていて関心する。特に一人クソ真面目なシェフがいるが、彼の仕事ぶりには感服する。出来れば一緒に働きたくない、と思うくらい仕事に対する姿勢が厳しいのだ。しかし一番僕の仕事を手伝ってくれるのは彼なのだ。店の閉めの時間で僕が忙しい時、いつも彼は手伝ってくれる。本当にいい奴なのだ。
そしてホールスタッフのコリアンの女の子たちも僕の仕事をよく手伝ってくれる。いや、どの国籍の人も仕事を手伝ってくれるのだが、なんとなく、コリアンの子らの仕事を手伝う姿勢には思いやりがある、と感じる。すごく曖昧だが。なぜこのように感じるかと言うと、やはりその他のホールスタッフ、中国人の彼らと比べてしまうからだ。彼らの仕事への姿勢は常に義務的であると言えるかもしれない。別に悪い意味ではなく、それは日本でも当たり前の事だと思う。むしろコリアンの子らの思いやりの姿勢が目立ってしまっているのかもしれない。
うーん。もっとジャパレスのスタッフの人物描写をしたいが、どうであろうか。もっとお互いに話す時間があればもっと鮮明に彼らの様子を書くことができそうであるし、またフェイスブックにこのサイトのアドレスを掲載し始めてから、人の事を書きすぎるのを控えている。いや、僕はもっと書くべきだと思う。(6/21 end)