DAY11:ナムチェからテンボチェへ

2014年10月19日。
エベレスト街道の旅第2幕。ナムチェからのトレッキング。
ナムチェの家々は山の急斜面にところ狭しと並んでいて、その家がなくなる一番上まで登るだけでも息が切れる。それが今日の始まりだった。
登った上から見下ろすナムチェのお椀形の町と、その向こうの白く巨大な山コンデ。目の端から端まで美しい。そんな景色を眺めているとバランス感覚を失った。ナムチェは本当に魅力的な町だと思う。
エベレストが見えた

ナムチェの町からある適度まで登ると、そこからは平坦で整った広い道を時速1キロくらいでゆらゆらと歩いた。今までいくつかの景色を見たけれど、これほど気分が晴れやかになる景色はなかなかなかったんじゃないだろうか。雲ひとつない青空。天国を歩いているような気持ちのいい歩きだった。
しばらく歩くと突然、山の色が秋の色に変わった。どこかを堺にして瞬間的に秋に入ったようで、その変化も美しかった。
エベレスト、ローツェ。高い山々が先っぽから煙を吐いている。アマダブラム、チョラツェ。そして右手のタムセルクを眺めながら進んだ。登りたいと思う。
ニュージーランドのミルフォードトラックを歩いた時もそうだったけれど、なぜこんな近くに素敵な山々があるのに登らないんだろうか。まあトレッキングなんだから当たり前なんだけど。山に登る装備と気持ちを持って来なかったことを後悔した。次回は登ろう。
あまりにもまぶしすぎてとうとうサングラスをかけた。



ナムチェからテンボチェに行くには、違う山に乗り換えなければならない。なのでいったん沢に下りまたそこから急登を500メートルほど登った。
山に登らないのは寂しいけれど、次々と顔を出す山々を眺めるのは喜びだった。飽きが来ないしその山の表情も少し歩けばガラリと変わる。それも、目の前に現れるのは有名な山ばかりなのだ。
テンボチェはすごくひらけたところで、大きなゴンパがあって、凧揚げでもしたら大いに盛り上がりそうなところだった。明日歩く予定のトレイルがずっと先まで続いている。その先には白く巨大な山が壁を作っている。
テンボチェの宿は今まで泊まったものに比べて遥かに大きく、白馬岳の山頂付近にある山小屋の様な印象だった。これまで僕らは民宿的な、家族経営的なロッジに泊まっていたが今回のは違う。旅館的だった。経営者がいて山小屋のバイトが働いている、そんなところだった。
広いレストランは大勢の客で賑わっていた。
そしてここでステキなサービスがあった。夕食前にアツアツのおしぼりが配られたのだ。日本人がオーナーだろうか。生き返った。
夕食を食べると一気に体が暖かくなり元気になった。最近はいつもこんな感じ。カロリーが全然足りていないのかも知れない。
薬のせいかお腹の調子は良くなっているし、寒さもナムチェほどではないので調子は上がっていると思う。あとは軽い咳と鼻水。これがなくなれば完璧なのに。
DAY11:今夜の居場所マップ
