初心者のための登山とキャンプ入門

DAY6:ヌンタラと雨。トレッキング小話

出発前、プルテンのロッジの夫婦と
出発前、プルテンのロッジの夫婦と

2014年10月14日。

雨がぱらついていて、それが一日中降ったり止んだりした。大した雨ではないけれど、雨が降ればカメラを守らないわけにはいかないし、レインウェアを着たり脱いだりしなければならないので面倒だ。

本日の行程は一旦沢に下りてまた山を登り、峠を越しヌンタラまで下りるというもの。登り下りが多い日だった。雨のせいで道は泥濘んでいるし、どうやらここらではロバを使うことが多いようで、道にはフンが多い。

エベレスト街道のロバ隊

ヌンタラという村は山に囲まれた、峠の手前の勾配のゆるかな斜面に広がった村。眺めが良くて気持ちがいい。晴れていたらもっとステキに感じただろう。しかし用事があって隣りの村に行くには峠を越さなければならないので大変だろう。
ヌンタラの村人は、旅の前半戦と比べると愛想がよくない気がする。また村人全体的に皮膚の色もやや黒くなっている気がする。女性が鼻ピアスをしていることが多い気がする。民族が違うのだろうか。

ネパールの家の話し

村の家のつくりはどこも変わらない。外壁は石を組み練り物で間をうめる。屋根はトタンもしくは木材、室内の壁や床、天井も全て木材を使っている。しかし床のまっ平らな大きな木材はどこから持ってくるのだろうか。ここら辺にその役目を果たす大きな木があるとは思えないし、近くに製材所があるとも思えない。いや、江戸時代の日本人が平らな床の家で暮らしていたんだから技術的には可能であると思う。けれどそんな技術を持ってそうな村を未だかつて見ていない。

まあそんなわけで、家で使用する全ての木材をどこからか運んできているとすればえらいことだ。たまにテラスや庭で使用するプラスチック製のガーデンチェアのようなものも見かけるが、あれもポーターが担いできてるのだろうか。安っぽいガーデンチェアでも山を旅してやってきたと思うとすごくステキに思えるし、死ぬまで大事に使いたくなるだろうと思う。

エベレスト街道 タクシンドゥパス
タクシンドゥ パス

そんなことを、ヌンタラのロッジで昼ごはんにポテトを食べながら思った。ロバを叱る怒鳴り声や、牛をコントロールしようとする村人の声が聞こえてくる。

ヌンタラからジュビン?へ向うために下った。雷の音が峠の方から聞こえてくる。空を見上げると、すごい勢いで雲が峠の方に吸い寄せられ膨らんでいく。そして雷の音が近づいてくると一気に雨が降り始めた。本格的に、夏の通り雨みたいに。
なので我々は、ヌンタラから少しだけ離れたプレリという地名の場所にポツンとある小さなロッジに泊まることにした。こういうタイミングで宿が見つかるから、本当にありがたいと思う。

トレランシューズの話し

エベレスト街道 ヌンタラ
ヌンタラ

トレランシューズは今のところ問題ない。グリップも良く効いているので滑らないし、登山靴でなければ歩けない様な場所はない。けれどサポートがないので足首は痛くなる。足首に自信のある人は良いだろうけど、捻挫しやすい人にはどうだろうか。担ぐザックの重さにもよるかもしれない。
またシールスキンズの防水靴下を履いているので雨も問題がない。昨日今日と雨が降ったので履いていたが、足が濡れることはなかった。そしてトレランシューズは登山靴に比べすぐに乾くので素晴らしい。

ご飯の話し

昼ごはん用のチャパティやブレッドを持ち運ぶための容器があるといいと思った。ジップロックも良いけれど洗いやすい方がよいかもしれない。ロッジではアルミホイルやビニール袋をくれるが、どんどんゴミが溜まっていってしまうので容器があれば便利だと思う。

ダルバートの話し、パート2

ダルバートはいつも大盛り。それでもついついおかわりしてしまう。そして食後には食べ過ぎだと後悔し、明日は控えめにしようと誓う。けれど翌晩、宿の主人が満面の笑みでおかわりのライスを持ってくると、ついついおかわりしてしまう。断るのは何か挑戦を避けている様で嫌だし、お客にたくさん食べさせることは彼らのもてなしなのだ、と思ったりする。
まあでも「ストップ!」と言っているのにご飯を入れ続けるじいさんの笑顔を見ていると「悪意があるんじゃないか」と思うこともある。

ともかく、僕はこの「ダルバート文化」が大好きだ。

宿の主人の話しメモ

アンナプルナに温泉があるらしい。カラパタールは黒い石の意。チョモランマはシェルパの言葉。シェルパはチベットからきた。
ここ、プレリのロッジの主人は若く、学校の教師で山や地理に詳しく、僕らに色々と教えてくれた。覚えているのはこれくらいだけれど。

エベレストトレッキングと紅茶

この宿ではガスで料理を作っている。今僕の目の前でロッジの夫婦と子供がご飯を食べている。飯のボリュームがすごい。少ないおかずでたくさんの米を食べる。我々と同じだ。

トタンに打ち付ける雨の音がすごい。カミナリも多い。

DAY6:今夜の居場所マップ

ネパール・エベレストトレッキングマップ