エベレスト街道トレッキングとは?
エベレスト街道トレッキングとは、ネパールの「サガルマータナショナルパーク」にある「ルクラ」という町からエベレストの麓やエベレストが近くに見える場所までトレッキングをすることを言います。エベレスト登頂を目指す登山隊が歩いた道、ということで「エベレスト街道」と名付けられたのでしょう。
トレッキングの目的地として一番メジャーなのは、標高5550メートルの「カラパタール」という山の頂上です。一般的にトレッキングは標高2860メートルのルクラから始めますが、そこから10日ほどかけてカラパタールに向かい、そのカラパタールの頂上からエベレストを間近に望む、というのがエベレストトレッキングのメインイベントになります。距離はルクラからカラパタールまでものすごいざっくりと計算して40キロ以上はあるので、往復で80キロ以上、約2週間にわたる長期のトレッキングになります。
トレッキングでは最終的にモンブランやマッターホルン以上の高い標高を歩くことになるのですが、アップダウンも少ないので体力に自信がない人でも歩きやすいコースと言えます(高山病の心配はあります)。何よりもエベレスト街道トレッキングは「ティーハウストレッキング」と言われるほどトレイル沿いにはレストランやロッジが点在しているので、食料やテントを持ち運ぶ苦労なく長期間のトレッキングを楽しむことができます。
またエベレスト街道ではネパールの少数民族の1つであるシェルパ族の文化に触れることもできます。チベットからヒマラヤ山脈を超えて移り住んだ彼らは、ネパール人とは違って私達日本人と似たような顔をしてチベット仏教を信奉する人々。景色だけでなく素朴な石造りの家や暮らしぶりにも心が癒やされます。
トレッキングする場所とシーズン
グーグルマップのネパールを拡大した地図です。
地図上左の赤い丸の辺りを「サガルマータナショナルパーク」と言い、このあたりをトレッキングします。わかりにくいかもしれませんがうっすらと赤く色がついているエリアがネパールでその上の北側は中国、南側はインドになります。
地図上の赤い丸から少し左に位置している黒い丸はネパールの首都「カトマンズ」を示しています。エベレスト街道をトレッキングをする場合、一般的にまずはこのカトマンズへと飛行機で行き、そこから国内線に30分ほど乗り赤い丸の中にある町「ルクラ」まで行きます。そのルクラからトレッキングが始まります。
エベレストトレッキングでメジャーなゴール地点「カラパタール」までルクラから往復すると16日程度。詳しくは下のコース紹介で説明しています。なおどんなところを歩くのか全然イメージがわかない人、はグーグルストリートビューやグーグルアースの鳥瞰図、また僕が撮影した写真(エベレスト街道トレッキング写真館)などでもコースの様子を知ることができます。行った気にもなれるのですごく楽しいです。
トレッキングのベストシーズン
エベレスト街道テンボチェ、標高3867メートルの平均気温と降雨量のグラフです。下の地図上の中心辺りに位置している村でのデータです。
1年の中でトレッキングのベストシーズンは秋、10月から12月のあたまくらいまでと言われています。この時期に最も多くのトレッカーがエベレスト街道に訪れます。天気も安定していて晴れの日が多く、また暑すぎず寒すぎもしないのでトレッキングしやすい時期です。
その次に人気の季節は春、3月の終わり頃から5月頃までになります。この時期もトレッカーが多いのですが、秋に比べるとかなり少なくなります。のんびりとトレッキングを楽しみたい人には良い時期で、また秋に比べ平均気温も高くて過ごしやすい時期ですが、天気が崩れ、高い山が雲に隠れる日が多くなります。
トレッキングの2大コースと地図
地図の説明
ざっくりですがエベレスト街道の主なコースになります。黄色の線が主要なコースで、オレンジ色の線はサイドトリップのコースになります。エベレスト街道にはサイドトリップのコースはいくつかありますが、その中でも比較的トレッカーが多いコースを載せました。また地図上の黄色い丸や大きな赤い丸は主にロッジがある位置を示しています。地図上に載せたのは多くのトレッカーが利用する代表的なロッジのみで、その他にもたくさんあります。
エベレスト街道の2大コース
エベレストトレッキングの目的地はカラパタールもしくはゴーキョピークで、この2つに向うコースがトレッキングの主要なコースになります。ルクラからトレッキングを開始し、ナムチェから北東に向うカラパタールを目指すコースと、ナムチェからそのまま北上するゴーキョを目指すコースの2つです。
カラパタールトレッキングの日程
トレッキングのゴール地点として最も人気が高いのがカラパタールです。カラパタールとは標高5550メートルの、プモリ山頂への尾根上にあるピークです。先っぽだけになってしまいますが近くからエベレストが望め、また7000メーターを越すプモリやヌプツェなどの大きな山々も近くからみることができます(このページのトップの写真がカラパタールから見たエベレストです)。
また下で紹介している「エベレストベースキャンプ」の途中にあり、カラパタールとエベレストベースキャンプの両方を訪れる人もいます。
一般的なカラパタールトレッキングの日程
下記の表はガイドブック「Trekking in the Everest Region」より抜粋しました。5つほど一般的なトレッキングの日程が掲載されていましたが、その中から3つ選んで紹介します。
良い | 妥協 | 良くない | 推奨の睡眠標高 | |
---|---|---|---|---|
1日目 | パクディン or モンジョ (2650 or 2815m) |
パクディン or モンジョ (2650 or 2815m) |
パクディン or モンジョ (2650 or 2815m) |
2-3000m |
2日目 | モンジョ or ナムチェ (2815 or 3440m) |
ナムチェ (3440m) |
ナムチェ (3440m) |
3000m |
3日目 | ナムチェ (3440m) |
ナムチェ (3440m) |
ナムチェ (3440m) |
3333m |
4日目 | ナムチェ (3440m) |
ナムチェ (3440m) |
テンボチェ (3860m) |
3666m |
5日目 | テンボチェ (3860m) |
パンボチェ (4000m) |
ペリチェ (4240m) |
4000m |
6日目 | パンボチェ (4000m) |
ディンボチェ or ペリチェ (4410 or 4240m) |
ペリチェ (4240m) |
4000m |
7日目 | ディンボチェ or ペリチェ (4410 or 4240m) |
ディンボチェ or ペリチェ (4410 or 4240m) |
ロブチェ (4910m) |
4333m |
8日目 | ディンボチェ or ペリチェ (4410 or 4240m) |
トゥクラ (4620m) |
ゴラクシェップ or チュクン (5150 or 4730m) |
4666m |
9日目 | トゥクラ or チュクン (4620 or 4730m) |
ロブチェ (4910m) |
ゴラクシェップ (5150m) |
5000m |
10日目 | ロブチェ (4910m) |
ゴラクシェップ (5150m) |
ペリチェ (4240m) |
5000m |
11日目 | ゴラクシェップ (5150m) |
ゴラクシェップ (5150m) |
ナムチェ (3440m) |
|
12日目 | ゴラクシェップ (5150m) |
ペリチェ or パンボチェ (4240 or 4000m) |
ルクラ (2860m) |
|
13日目 | ペリチェ or パンボチェ (4240 or 4000m) |
ナムチェ (3440m) |
飛行機でカトマンズへ | |
14日目 | ナムチェ (3440m) |
ルクラ (2860m) |
||
15日目 | ルクラ (2860m) |
飛行機でカトマンズへ | ||
16日目 | 飛行機でカトマンズへ |
上記の表の旅程の「良い」「良くない」は高山病へのケアに対してです。カラパタールは5550メートルとかなり高い標高になるので、高度に順応しながら登らなければなりません。なのでこのように長い日程になってしまいます。
推奨されている高度順応しながらの登り方は、まず2000mから3000mで2泊から3泊し、その後1日300mずつ寝る場所の標高を上げていき、そして3日に1度は停滞日を作る、というのが適切とされています。この様な登り方をすると「良い」の様な長い日程になります。個人のトレッキングであれば時間さえあればなんとでもなりますが、ツアーでトレッキングをする場合は高度順応を考慮した旅程になっているか必ず確認しましょう。
なお表の下山時の日程はゴラクシェップからルクラまで3日で下りています。すでに高度順応しているので下山はどれだけ歩いても問題ありませんが、個人的に3日でルクラまで戻るのはそこそこハードな様に思います。
高度に順応しながら登ると長い日程のトレッキングになりますが、これだけではなく病気になったこと、また天候不良で飛行機が飛ばないことも考え予備日はしっかりと用意した方が良いと思います。また表の「良い」の日程で登ったとしても高山病になる可能性はあります。心配な人はあらかじめ「ダイアモックス」をタメルで入手しておくのが良いでしょう。
ゴーキョトレッキングの日程
カラパタールの次に多くのトレッカーが目指す目的地がゴーキョですが、実際にはそこから600メーターほど登った5,360mのピーク「ゴーキョピーク(ゴーキョ リ)」が目的地になります。ゴーキョピークもカラパタールと同じく素晴らしい眺めで、エベレスト、ヌプツェ、ローツェ、そして遠くに8485mのマカルーも望むことができます。しかし見える山々は若干遠くなります。またゴーキョは日帰りのサイドトリップのコースもいくつかあり人気があります。
一般的なゴーキョトレッキングの日程
良くない | 妥協 | 推奨の睡眠標高 | |
---|---|---|---|
1日目 | パクディン or モンジョ (2650 or 2815m) |
パクディン or モンジョ (2650 or 2815m) |
2-3000m |
2日目 | ナムチェ (3440m) |
ナムチェ (3440m) |
3000m |
3日目 | ナムチェ (3440m) |
ナムチェ (3440m) |
3333m |
4日目 | クムジュン (3790m) |
ナムチェ (3440m) |
3666m |
5日目 | ドーレ (4200m) |
クムジュン (3790m) |
4000m |
6日目 | マチェルモ (4470m) |
ドーレ (4200m) |
4000m |
7日目 | ゴーキョ (4790m) |
マチェルモ (4470m) |
4333m |
8日目 | ゴーキョ (4790m) |
ゴーキョ (4790m) |
4666m |
9日目 | ドーレ (4200m) |
ゴーキョ (4790m) |
5000m |
10日目 | ナムチェ (3440m) |
ドーレ (4200m) |
|
11日目 | ルクラ (2860m) |
ナムチェ (3440m) |
|
12日目 | 飛行機でカトマンズへ | ルクラ (2860m) |
|
13日目 | 飛行機でカトマンズへ |
カラパタールトレッキングと比べるとトレッキングの日数が少なくて済むので、時間を多くとれない人にゴーキョトレッキングは良いかも知れません。また寝る時の最高の標高もゴラクシェップより低いので、高山病になる確率は少なくなります。
コースのオプション
カラパタールからエベレストベースキャンプ
カラパタールからエベレストを見て下山する人がほとんどですが、時間に余裕がある人はその先のエベレストベースキャンプまで歩きます。
エベレストベースキャンプはゴラクシェップから片道約4キロほどの位置にあります。近場にロッジはないのでゴラクシェップからの日帰りとなります。
ゴラクシェップからエベレストベースキャンプまでは特別に見るものがありませんが、春のトレッキングではエベレスト登山隊やたくさんのテントをみることができます。
カラパタールもゴーキョも行く
時間に余裕のある人はカラパタールもゴーキョも行きます。高度順応のことを考えるとまずはじめにカラパタールに行き、その後ゴーキョに行くという方法が一般的です。
カラパタールに行くパターンは2つあり、地図にあるチョラパスという峠を越えてショートカットするか、ショートカットせずに一回下りて時計回りにゴーキョへ向う方法があります。
チョラ パス
チョラパスを越えるルートは人気になりつつありますが、氷河を歩くので危険があります。急な岩場や滑りやすい箇所もあるのでアイゼンを用意した方が安全です。地図には載せませんでしたが、チョラパスの手前と越えたあとにロッジがあるので(ゾンラ、タンナ)寝るところの心配はありません。
飛行機を使わずにジリから歩く
カトマンズからルクラまで飛行機で行かなくても、バスでジリ(もしくはシバラヤ)という村に行きそこからトレッキングをすることもできます。カトマンズからジリまでは直線距離で約90キロ、おおよそ10時間のバスの旅になります。その間適度に休憩はありますが、荒れた道やカーブの多い山中を走るのでそこそこハードです。
このルートはルクラに飛行場がなかった時代にエベレスト登山隊に使われていたクラシックルートで、ジリからルクラまでは1週間程度歩くことになります。ルクラまで飛行機で1時間程度と考えるとかなり長期のトレッキングになりますが、山中ののどかな村を通過したり、村人との会話を楽しみながらのトレッキングはルクラからのトレッキングにはないものがあります。また徐々に標高をあげていきますので、高山病の心配も減りますし、ナムチェでの高度順応のための停滞はなくなります。
帰りはルクラから飛行機を使うこともできますので、時間がある人には本当におすすめのコースです。
地図上にサレリという村の名前がありますが、カトマンズからサレリまでジープなどを利用して行っている人も多くいます。
食事と寝泊まりについて
寝泊まりはロッジで
トレッキングのコース上にはロッジが一定区間には必ずあります。なので泊まるところに困ることはありません。
ロッジの部屋の形態は2ベッドの個室が多く、大きなロッジにはスリーベッドが用意されていたり、またシングルベッドの個室もあります。毛布は予め部屋に用意してあるロッジなどもありましたが、全てのロッジで用意されているかはわかりません。またいずれの季節も夜は寒いので寝袋は用意すべきだと思います。
部屋に鍵が用意されていることがほとんどでしたが、ジリからのトレッキングでは用意されていないところもありました。マイナーなコースにあるロッジや小さなロッジには鍵が用意されていないことも予想できますので、小さくても南京錠はあった方が良いかもしれません。
食事もロッジで食べられる
基本的に宿泊したロッジでは朝食と夜ご飯を食べることになります。ロッジの宿泊料はかなり安く設定されているので、ロッジでご飯を食べたりお茶を飲んだりすることが現地の人の支えになります。
昼ごはんも途中に通りかかったロッジもしくはレストランで食べられますし、前日に宿泊したロッジでお弁当的な感じで、チャパティやらチベタンブレッドやらを焼いてもらって持ち運ぶこともできます。ロッジやレストランが一定の間隔にありそこで食料を入手できるので、シーズン中であれば食べ物がなくて困る、ということはまず無い様に思います。
行動食
おかしなど行動食もロッジで買うことができます。また商店もあります。たいていはスニッカーズやマーズバーを置いているので下界から山の上まで大量に担ぎ上げる必要はありません。ただし標高が高くなるにつれて値段は上がっていくので(劇的に高いわけではないけれど)、ナムチェ辺りである程度の量を買っておけば出費を抑えることができます。
トレッキングの予算
ガイドもポーターも使わず、純粋に個人トレッキングだけの旅行ならコミコミで20万円程度に収めることはできると思います。参考までに、僕と一緒に歩いたアイルランド人のウォーリーは、1700USドルをネパールの旅で使ったと言っていました。彼の行動はだいたい僕と同じで、トレッキング以外にはタメルで1周間、ポカラで1周間以上遊んだりもしています。
日本からカトマンズまでの往復飛行機代
2014年の秋の話しになりますが、僕が調べたところ日本から一番安くカトマンズに行く航空会社はエアアジアです。マレーシアのクアラルンプール経由なので遠回りになるしうまく繋がらないこともありますが、タイミング次第では片道4万と少しでいくことができます。帰りは5万5千円ほどかかりましたが、あわせても10万円程度で済ますことができました。僕が利用した時の乗り換えのパターンは
- 羽田23:45発 → クアラルンプール 翌6:10着 【D7 523】
- クアラルンプール 11:50発 → カトマンズ 14:00着 【D7 192】
という感じです。早朝のクアラルンプールの空港で5時間以上待機するのはしんどかったですが、安く早く行ける方法ではこのパターンがベストでした。
ちなみに今もう一回カトマンズに行くことがあれば、次回はクアラルンプールで1,2泊はすると思います。帰りは乗り換えがうまくいかずクアラルンプールで2泊することになったのですが、マレーシアのガイドブックも知識もなくても困ることはありませんでした。クアラルンプールの空港「KLIA2」から「KLIAエキスプレス」という特急電車がでておりそれ一本で中心地の「KLセントラル駅」まで行くことができますし、支払いもカードでできます。KLセントラル駅前のホテルを予約しておけば夜でも歩いていけます。
クアラルンプールの空港「KLIA2」から「KLセントラル駅」までの料金は1200円くらい、クアラルンプールのホテルの宿泊代は2泊で7700円。個人的にはそこそこいいホテルだった様に思ったのですが安かったです。
カトマンズからルクラ間の往復飛行機代
ルクラへの航空券は、カトマンズに数多くある旅行代理店やトレッキングエージェンシーで買うことができます。ゲストハウスによっては手続きをしてくれるところもあるでしょう。料金は決まりモノで、2014年の10月の時点で片道165ドルでした。
ちなみに僕はルクラまでは飛行機を使わずバスと歩きだったのですが、その場合、バス代600ルピー + 1日の出費1000ルピー(多く見積もって)×7日 + 保護地域の入場料が2000ルピーで合計約10000ルピー。なのでルクラまでの飛行機代165USドルを16500ルピーと考えると、ルクラまで歩くと6500ルピーほど安くなったことになります。個人的にはジリからのトレッキングがトレッキングの中では1番面白いパートだったので、時間がある人には経費も抑えることができるのでおすすめです。
トレッキング中の経費
これは3人でのトレッキングの場合で、しかもしっかりと家計簿をつけていたわけではないけれど、ナムチェ以北の一日の平均予算は1500ルピーから2000ルピーくらいでした。なので例えば高度順応しながらカラパタールまで往復をしたとして約16日。贅沢して1日2000ルピー使ったとして32000ルピーなので、カラパタールを往復するのに38000円あれば良いと思います。
カトマンズ(タメル)での予算とその他の経費
Wi-Fiが使えるそこそこのゲストハウスでシーズン中なら1日1500ルピー程度です。食費も豪華に1日1500ルピーだとすると合わせて3000ルピー。1周間タメルに滞在するとして21000ルピー。その他に必ずかかる経費は
- ビザ30日:40USドル
- TIMS申請:2000円ほど
- Sagarmatha National Park Entry Fee:3000ルピー
これらを全部あわせるとなんとなく40000円くらいになりそうです。上記の費用について詳しくは「トレッキングの手続きや費用」のページで書いています。
予算合計
上のものをまとめてみると
- 日本からカトマンズまでの往復飛行機代:10万円
- カトマンズからルクラまでの往復飛行機代:4万円
- トレッキング中の経費:3万8千円
- タメルでの生活費と各種申請代:40000円
あわせて21万8千円!20万あれば大丈夫、と書きましたが計算したら20万円をオーバーしてしまいました。でもこれはかなり贅沢をした場合の予算だしざっくしりしたものなので、実際はもっと安くできると思います。タメルで1日1500ルピー分の食事をするのもなかなか大変だし、トレッキング中にも1日2000ルピー使うのはかなり使っている方だと思います。もちろんその他にもお金がかかるところはあるとは思いますが、日本、カトマンズ往復の飛行機代さえ抑えればエベレストトレッキングの予算を20万で抑えるのは難しいことではありません。僕らはカトマンズとポカラに合計2週間以上いても20万円程度で済んだのですから。
ガイドとポーターについて
僕はガイドもポーターも雇っていないので詳しいことは言えませんが、調べたこと、トレッキング中に感じたことをまとめてみたいと思います。
ガイドについて
ガイドの仕事はトレッキングの最初から最後まで面倒を見てくれることだと思います。トレッキング中にコースを案内するのはもちろんですが、ロッジでの食事の手配やそう言った細々としたこともガイドの仕事の様に思いました。荷物は自分のものしか持ちません。
ガイドを雇おうとすると、カラパタールやEBCまでのトレッキングだと400ドルくらいが相場です。僕もトレッキングエージェンシーで400ドルと言われました。そこからガイドの経験値や旅程、行く場所によって料金は変わると思います。ガイドはタメルにあるトレッキングエージェンシーで見つけることができます。
僕が山で見たガイドはみな立派に感じました。ロッジで働く人もそうだけれどみな顔がシャキッとしていてアウトドアウェアでがっしりと身を固めて、ポーターと比べると明らかに人間が違う様に思いました。英語も話すことができたし、いつも雇い主を気にかけていた人たちばかりでした。中には日本語を流暢に話す人もいました。とにかくガイドに関しては良い印象しかありません。けれど中にはドラッグの売人兼ガイドと言った人もいるので、雇う前に事前に顔を合わせをした方が良いと思います。ちなみに 僕の印象だと、ネパール人は悪そうなやつはだいたい悪そうな顔をしているので、会って顔を見て話せば人柄がわかる気がします。
ガイドがいなく例え一人でも、一般的なコースでシーズン中ならば迷うことはほぼないだろうと思います。道は広くわかりづらい分岐もほとんどないと言っていいし、道にはポーターやヤクなどトレッカー以外の人もしょっちゅう歩いているし、そして一定の間隔にロッジや集落があります。一般的に言って、エベレスト街道は遭難する様な道ではありません。
けれどもし個人で、たった一人でトレッキングする様なら僕はガイドとのトレッキングをおすすめします。人がほとんどいない山で一人で歩くのはとても楽しいことですが、あれだけ人がいるトレッキングで一人だといささか寂しい気がします。標高が高くなればロッジのレストランで過ごすことがほとんどで、ほとんどのトレッカーがグループで、その中で一人でぽつんとしているのはちょっとつらいと思います。日本人はほとんどいません。英語力があって社交的な人ならいいのですが。。。
僕は運良くアイルランド人2人と旅を共にすることができましたが、もし一人だったと考えるとぞっとします。なのでガイドは道案内というより、話し相手としていた方がいいように思います。
ポーターについて
ガイドに比べるとポーターは服装もラフで、現地の人、という感じがします。英語はほとんど話さないと思います。ポーターを利用する料金は1日10~12ドルくらいが相場です。
ポーターの仕事は基本的に荷物を運ぶだけでトレッカーとは一緒に歩きませんが、歩いてくれる場合もあります。またポーターガイドというジャンルもあり料金は1日20ドル前後が相場の様です。
ポーターはガイドと同じくタメルのトレッキングエージェンシーで見つけることができると思いますが、山の上でも探すことは難しくありません。僕が知り合ったお年寄りの日本人は、ポイントポイントでポーターを雇っていました。登りが多い日や歩行時間が長くなりそうな時はポーターに荷物を預ける、という方法をとっていました。
もし山の上でポーターやガイドが必要になればロッジの人間に聞くのが一番簡単だと思います。ポーターやガイドとロッジは深い繋がりがあるので、適当な人を見つけてくれると思います。