初心者のための登山とキャンプ入門

DAY3:バンダーラからセテへ

エベレスト街道 キンジャの町並み

2014年10月11日。

昨夜はあまり眠れなかった。胸の辺りがかゆかったり、蚊の様な虫が耳の近くで飛んでいて目を数回覚ました。

今日の朝ごはんは宿には頼まず、その代わりジョンとウォーリーがシリアルバーとナッツを僕にくれた。「お金を払うよ」とか「俺が食料を持とうか?」とか言うと、「サマセイチャイナ」とウォーリーはネパール後で答える。「サマセイチャイナ」はノープロブレムと言う意味だ。
彼らは大量の食料を持ち込んでいるので荷物を軽くしたいのではないか、と考えられた。

旅の動物たち、シャワーのススメ

キンジャへの道を下る。楽ではないが気持ちがいい。ふとした瞬間に、僕はネパールを歩いているのだ、と思うと嬉しくなった。
道には相変わらず家々があり、僕らがその前を通り過ぎると子どもたちがじっとみつめる。あいさつをすると返してくれる子もいれば返してくれない子もいる。声をかけてくるとすれば相変わらず「フォト、チョコレート、スイーツ」で、それらを一つ一つ拾っているとしんどいので適当に挨拶して通り過ぎる。

そんな道を歩いているとタイムスリップした様な気分になる。はるか昔の日本の田舎もこんな感じだったのだろうか。

動物もたくさんいる。ニワトリとヒヨコ、牛、ヤギ、犬、たまにネコ。どの国でも家畜や人と暮らす動物たちは一緒なのだろうか。ニワトリは未来に食べられるとも知らず、家を離れずに庭の土をひたすらつついている。そしてどの動物も仕事をしている(ネコ以外)。搾取されている。あたりまえのことだ。けれど動物たちはそれを感じさせないし、それがすごく自然なことの様に思っている様に感じる。人と共存することを望んでいる気すらする。彼らがすごく大人な気がした。

エベレスト街道 ケンジャへの下り
エベレスト街道沿いの民家
ネパールエベレスト街道 ヤギ
エベレスト街道 セテ辺り

キンジャは沢に下りたところにある村でステキだったが、ここにも旅行者のチェックポイントがあった。軍人だと思うが、どこで見ても彼らはえばって見えるのは気のせいだろうか。

一旦沢まで下りてしまったので、そこからまた尾根を登らなければならなかった。セテまでは1000メートル近くは登っただろうか。かなりハードで、きついなと何度も思った。後半はみなボロボロだった。
暑くて水を大量に飲むけれど、沢がたくさんあるのでフィルターを持っていれば大量に運ぶ必要はない。それは嬉しいことだった。

セテのロッジでは服を洗いシャワーを浴びた。僕はシャワーは浴びず、水とシャンプーで頭を洗っただけだがすごく気持ちいい。たぶん3日ぶりかそこらのシャンプーだけど、3日も貯めればシャンプー後の爽快感は20倍にも上がる気がする。それにこの景色。近くに民家の全くないセテのロッジで、 日は少し傾きかけた時間で、眺めは最高なのだ。
そんなわけで、ここに来る人がいたら「絶対にシャワーを浴びた方がいい」と勧めたくなった。シャワーなんて特に勧めることでも何でもないと思うけれど、ここセテでのシャワーはそれくらい気持ちが良かったのだ。 (ちなみに、僕の姉は20日間シャワーを浴びずエベレスト街道をトレッキングしたらしい)

ネパール エベレスト街道 セテのロッジ
シャワー後に皆で洗濯。洗濯ばさみは貸してくれた。

宿の主人は若いシェルパ。彼は気が優しく笑顔が素敵だ。とうとうここにきて僕が求めていたシェルパらしい人柄の人物に会うことができた(僕のシェルパのイメージだけれど)。
そして彼の作るダルバートは最高だった。特にポテトと大きな豆が美味しかった。コメ以外の全ての野菜は彼らが作っているらしい。
しかし、一番重たいコメはどこからどうやって運んでいるのだろうか。

DAY3:今夜の居場所マップ

ネパール・エベレストトレッキングマップ