エベレストトレッキングまとめ。行程、ジリからのトレッキングについて
2014年10月、僕と、そしてカトマンズのバスターミナルで仲良くなった二人、ジョンとウォーリーとの3人で歩いた約20日間のエベレストトレッキングを無事に終えることができました。予定していたゴーキョには行かずに下りてきてしまいましたが、ジリ(シバラヤ)からスタートしてカラパタールからエベレストを見ることができて満足です。それも、こうやってスムーズにトレッキングを終えられたのもジョンとウォーリーが誘って一緒に歩いてくれたおかげです。
このページでは、そんな旅の工程や費用、装備や服装についてをまとめています。
トレッキングの費用
2014年10月のトレッキングでは約20万円を使用しました。メモをとっていなかったので詳細がわからないのですが、大雑把に日本からの往復飛行機代で10万、残り10万でトレッキングとネパール観光、各種申請代の支払い、といった感じです。
ネパールでは特別節約した訳でもなく贅沢した訳でもありません。カトマンズではシャワートイレ付きのゲストハウスの個室に泊まり、ご飯は3食欧米人向けレストランで食べていました。下山後はカトマンズ盆地とポカラも旅行しましたし、お土産を買ったりアウトドウェアも買ったりしました。そんな感じでネパール内で約10万円使用しました。
一緒にトレッキングしたウォーリーは全てあわせて1700USドルほど使ったと言っていました。その中に飛行機代が含まれているかはわかりませんが、彼らの行動を見ていると僕よりは節約している様な気がします。
下記のページではトレッキングの予算、各種申請料金、飛行機代などの費用のことをより詳しく書いています。
服装と装備について
トレッキングの服装
以下は全て寒がりの人間の話しになってしまいますが、標高が3000メートルを越えると夜はすごく寒くなりました。トレッキング4日目のラムジュラ(3,330m)で既に持ち合わせの服を全て着込んでしまう状態です(カッパ以外)。4,000メートルを越えてくると昼間でも寒かったです。
基本的にはいつもと変わらない山の服装でしたが、用意して正解だったのはダウンパンツでした(。ダウンジャケットももうちょっと暖かい物が良かったかなあとは思いますが、でもどちらかと言うと体温を上げる努力をすべきだったなと思います。ホットティーなどはレストランで飲んではいましたが、もっと積極的に、例えば粉末の生姜湯的なものを持って行っても良かったんじゃないかと思っています。
下記のページでより詳しく寒さや服装のことについて書いています。
トレッキングの装備について
装備は日本の山小屋泊をする時とほとんど変わりありませんが、僕は荷物の軽量化のため靴はトレランシューズと防水ソックスのコンビにしました。そのレポートを下記のページでしています。
トレッキングの工程
1日目 | 10/9 | カトマンズからバスでジリ、シバラヤ | 1,800m |
2日目 | 10/10 | シバラヤ → バンダーラ | 2,200m |
3日目 | 10/11 | バンダーラ → セテ | 2,575m |
4日目 | 10/12 | セテ → ラムジュラ | 3,330m |
5日目 | 10/13 | ラムジュラ → プルテン | 3,000m |
6日目 | 10/14 | プルテン → ヌンタラ | 2,350m |
7日目 | 10/15 | ヌンタラ → パイヤ | 2,780m |
8日目 | 10/16 | パイヤ → チェプルン | 2,660m |
9日目 | 10/17 | チェプルン → ナムチェ | 3,440m |
10日目 | 10/18 | レスト | - |
11日目 | 10/19 | ナムチェ → テンボチェ | 3,860m |
12日目 | 10/20 | テンボチェ → ディンボチェ | 4,410m |
13日目 | 10/21 | ディンボチェ → ロブチェ | 4,910m |
14日目 | 10/22 | ロブチェ → ゴラクシェップ | 5,150m |
15日目 | 10/23 | ゴラクシェップ → カラパタール(5,550m) → トゥクラ | 4,600m |
16日目 | 10/24 | レスト | - |
17日目 | 10/25 | トゥクラ → テンボチェ | 3,860m |
18日目 | 10/26 | テンボチェ → クムジュン → ナムチェ | 3,440m |
19日目 | 10/27 | ナムチェ → ルクラ | 2,850m |
20日目 | 10/28 | ルクラから飛行機でカトマンズ | - |
なんだかんだはありましたが、上記の行程で良かったんじゃないかなと今では思います。
きつかった日と言えば7日のヌンタラ~パイヤ間です。たぶん僕らはその日パイヤまで歩く予定はなかった様に思いますが、手前の村のロッジがやってなかったりして結局パイヤまで歩くことになりました。この区間は沢「ドゥドコシ」に沿って、いくつもの尾根を巻きつつアップダウンを繰り返しながら北上しなければなりませんでした。全工程の中で一番ハードな日だったと思います。
一日の行程を考える際ロッジをその日の目標にするかと思いますが、こちらの本のロッジ情報は素晴らしいです。ロッジは大きな村以外にもトレイル上にいくつも点在しています。そんな小さな集落だったりぽつんとあるロッジだったり、地図にはない情報がたくさん載っています。ロッジの所在地を知っていれば体調次第では予定の変更もできます。特に、ジリからのトレッキングでは必須です。
気軽に楽しめるエベレストトレッキング
出発前、トレッキングに関しては不安なことも多かったのですが、実際やってみるとすごく簡単、というかやりやすかったです。ロッジは一定区間にあって寝床の心配はありません。ロッジに着いたらメニューを見ながら夜ご飯と朝ごはんを注文して、食後にはお茶を飲んで寝て、朝起きたら朝ごはんを食べて出発。昼ごはんは通りかかった適当なロッジで食べる。そして歩く。本当にそれだけの毎日です。
現地の人とのコミニュケーションも難しくありません。お互い顔の似たアジア人同士だし、英語もブロークン同士なので意志は伝わりやすいです。「ダルバート、プリーズ」とか「トゥナイト、ワンパーソン、OK?」とか、そんな風に単語を組み合わせただけでも会話は成立するでしょう。顔の表情も日本人に近いので感情もすごく読み取りやすいです。
カトマンズ、タメルでの暮らしも簡単な英語が使えれば困ることは少ないと思います。また何よりタメルはトレッキングの出発地点なので便利です。アウトドアウェアも装備も手に入るし、食事も観光客向けのクリーンなレストランがたくさんあります。Wi-Fiも使えるし、たくさんあるトレッキングエージェンシーは飛行機や旅行、ガイドの手配もしてくれます。 まさに「トレッキングの街」と言った印象なので、時間さえあれば誰でも気軽にエベレストトレッキングを楽しめると思います。
体力が心配は人は
体力や高山病が心配な人はポーターに荷物を運んでもらうのもおすすめです。どこかの村で「ちょっと疲れた」と感じたらそこで探せばきっと見つけられます。ロッジも一定区間にあるので、体力に自信の無い人は毎日ちょっとずつ進むこともできます。
寒いのが苦手な人は春のトレッキング、一人ぼっちが寂しい人はガイドを頼む、そうやって自分の状態や予定に合わせられるのもエベレストトレッキングの魅力の一つです。
ジリ(シバラヤ)からのトレッキングがおすすめ
道迷いなどの不安について
シバラヤからのトレッキングは情報も少なかったので不安でした。不安になる要素その1は道迷いで、その2は強盗などにあう恐れでした。
道迷いに関しては、実際に歩いてみてそんなに問題ないと感じました。道はハッキリとした幅の広い道がほとんどで、登山道とかトレイルとかという雰囲気よりも「道」という印象がありました。 もちろん細いところもありますが、グーグルの衛星地図でシバラヤからナムチェまで追えてしまうくらいのしっかりとした道が大部分です。
また日本の山の鬱蒼とした樹林帯の、どこを歩いてるんだかさっぱりわからない、みたいな道もほぼないと言っていいです。基本的には視界が開けて、自分の居場所と向かっている方向を目で確認できる様な道を歩くことが多いです。そして通り沿いには村もあるし民家もあるし、ポーターもいたりして、人に会わないなんてことはまず無かった様に思います。なので困ったら人に聞けるし、標識もちょこちょこありました。普段登山をしている人ならなんら問題がない様に思います。
強盗とかに関してはわかりません。過去にジリからのトレッキングで強盗にあった人がいるとかそんな話は1つ2つあった様に思いますが、実際に歩いてみるとその様な危ない雰囲気は感じませんでした。現地の人々も、普通の山奥で農業で生計を立てている素朴な人ばかりで、カトマンズにいるような目のギラついた暇そうな若者とか、そう言った類の人は一人も見かけませんでした。でもこればっかりは、実際どこで何が起こるかはわからないのでなんとも言えません。とりあえず僕は、ジョンとウォーリーと一緒にトレッキングをすることができて本当に運が良かったと思います。一人でもきっと何事も無かったでしょうが、何も心配することがなかったのは本当にありがたかったです。
ジリからの旅がおすすめ
「ジリからルクラまでの区間が楽しかった」というのが僕ら3人のトレッキング後の感想でした。
僕の中では、その区間は暖かくてトレッキングに適していたと言うことは大きな理由ですが、「旅」の様な感覚が楽しかったのだと思います。ナムチェを目指して村から村へ、峠を越してまた村へ、そう言う昔ながらの旅の様な印象でした。現地の人が生活する中を現地の人に混じって移動するので、まさに旅人になった気分を味わえました。
一方ルクラからのトレッキングは山小屋から山小屋へと歩く登山的なイメージだったり、観光地というイメージが強かったです。実際のところはわかりませんが、ルクラ以北で暮らす人々は仕事のために山に登ってくる、と言った印象を持ちました。なので「現地の人が生活する中を歩く」様な感覚が少なかったのかも知れません。
ロッジの印象はだいぶ違います。ルクラ以北のロッジは洗練された山小屋感が強く、ルクラまでのロッジは民宿感が強かったです。ですのでロッジを経営する夫婦との会話だったり、彼らの生活に入り込むことができるのも素敵でした。
まあどこでも同じだと思いますが、やっぱりそう言うところで暮らす人の方が素朴で暖かい印象があります。なので一人だと不安はあるかも知れませんが、一人旅の人にこそジリからのトレッキングをおすすめしたいです。
こんな感じでエベレストトレッキング日記を終えます。長い日記を最後まで読んでくれた人がいたとしたら、本当にありがとうございます。
他のページではエベレストトレッキングに関する様々な情報をまとめてあります。参考になるものもあると思いますので、ぜひ下記リンク先をチェックしてみてください。